ファイナルまで一歩届かなかったセルティックス。GMがウォーカーのパフォーマンスを総評「本来の彼ではなかった」

ファイナルまで一歩届かなかったセルティックス。GMがウォーカーのパフォーマンスを総評「本来の彼ではなかった」

移籍1年目からチームの中心として活躍したウォーカー。しかし再開後は故障により万全の状態ではなかった。(C)Getty Images

フランチャイズ史上18度目のNBA制覇を目指し、意気揚々とプレーオフに乗り込んだボストン・セルティックスは、イースタン・カンファレンス決勝でマイアミ・ヒートに2勝4敗で敗れ、今季の幕を下ろした。

 9月27日(日本時間28日、日付は以下同)に行なわれたシリーズ第6戦敗退後、ケンバ・ウォーカーは「楽しい戦いだった。でもつらい幕切れになってしまったのは間違いない。だけど、俺たちはハードに戦い抜いたんだ。本当にハイレベルなやり合いを望んできたから、俺はこのチームの皆のことを誇りに思う」と振り返った。

 昨年オフにセルティックスに加入し、加入早々リーダー役を務めたウォーカーは、NBAキャリア9年目にして初のプレーオフ1回戦突破を経験。カンファレンス・セミファイナルでは昨季覇者トロント・ラプターズを第7戦の末に下し、カンファレンス・ファイナルまで勝ち進んだが、悲願のファイナル進出は叶わなかった。
  10月1日に今季終了の会見に臨んだダニー・エインジGM(ゼネラルマネージャー)は、フロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内に設けられた“バブル”で再開された今季の第二幕におけるウォーカーについてこう評した。

「私はバブルには行かず、ここ(ボストン)で見ていた。バブル入りする前の彼も見てきたし、彼がトレーニングを重ねてプレーオフに臨み、そこで激しいプレーを見せていたことも知っている。でも間違いなく本来の彼ではなかった」

 今年1月からというもの、ウォーカーは左ヒザの痛みと付き合いながらプレーを続けてきた。そのため、シーディングゲーム(順位決定戦)前に行なわれたチーム練習やスクリメージ(練習試合)を欠場するなど、コーチングスタッフ陣もウォーカーのコンディションについては慎重に対応してきた。

「ケンバは『本来の自分ではなかった』とは言いたくないだろう。それはコーチ陣に対してもそうだし、メディアに対してもそう。私にさえ言わないだろうね。でも勝利した試合や彼がいいプレーを見せていた試合を観ていて思うのは、彼は(昨年)10〜12月の頃と同じコンディションではなかったということ。だから今、我々はその頃のケンバを取り戻そうとしているんだ」とエインジは言う。
  万全の状態ではないなかでも、ウォーカーは今年のプレーオフ17試合で平均36.9分に出場し、19.6点、4.1リバウンド、5.1アシスト、フィールドゴール成功率44.1%、3ポイント成功率31.0%とまずまずの成績を残した。勝負所で強烈なクロスオーバーから自慢のステップバックジャンパーを沈めるなど、クラッチタイムでも得点してきた。

 エインジGMは「ケンバが100%の状態まで回復し、ベストなバスケットボールをプレーしたがっていたことは知っている。ベストな状態ではなくても、彼はプレーオフで平均20点前後を残すことができるのだから、本当にいい選手だ」と話したうえで、自身の見解を述べた。

「だが(左ヒザを痛める)以前の彼ではなかった。アスリートにとって、プレーオフという最も大きな舞台で、本来の状態でプレーできないことはフラストレーションでしかない。私も選手として経験してきたから分かるんだ。あの時は楽しくなかった。ストレスでしかなかったね。ゴードン(ヘイワード)とケンバはそういった状況だったんだ」
  チームが優勝を狙うためには、既存戦力を残しつつ、さらなる補強も不可欠。だが、セルティックスは今年のオフ、ウォーカーの控えとして活躍したブラッド・ワナメイカーが完全FAとなる。また、今季オールスターに初選出されたジェイソン・テイタムは、MAX額で契約延長することが期待されている。これらの課題をクリアしたうえで、さらにサイズのあるビッグマン、得点力のあるベンチスコアラーを加えたいところだろう。

 もちろん、上昇気流を描くにはウォーカーが万全の状態を取り戻すのが絶対条件。節目の10年目を迎える司令塔が左ヒザを完治させたうえで、戦力アップに成功できれば、セルティックスは来季も覇権争いに参戦し、ファイナルの舞台に返り咲くことができるはずだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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