【名作シューズ列伝】大先輩コビーのモデルを着用するクーズマ。シューズ名「KOBE A.D.」に隠された秘密とは?

人に歴史あり。バスケにスーパースターあり。スーパースターにシグネチャーモデルあり。シグネチャーモデルにBOXあり! 

 ミシガン州フリント出身のカイル・クーズマは、ベントリー高校時代にブレイクし、大学はユタ大に進学。3年時に所属カンファレンスのファーストチームに選出され、NBA入りを決意します。

 2017年のドラフトでは1巡目27位でブルックリン・ネッツに指名されますが、直後にロサンゼルス・レイカーズにトレードされ、名門チームの一員としてプロキャリアをスタートすることになりました。

 レイカーズは同年のドラフト2位でロンゾ・ボールを指名していましたが、1年目から活躍したのは下位指名のクーズマの方でした。10月、11月の月間最優秀新人に選ばれるなど77試合の出場で平均16.1点、6.3リバウンドをあげ、オールルーキー1stチームに選出されました。
 

 2年目の2018-19シーズン開幕戦。クーズマの足元には、「KOBE A.D.」のレイカーズカラーが輝いていました。同モデルはレイカーズのレジェンドであるコビー・ブライアントのシグネチャーの続編でした。

 シューズ名のA.D.とは「Anno Domini(西暦)」の略で、コビーの現役時代が「紀元前」、引退後を「紀元後」としています。また、発売当初は通称“EXODUS”(国外脱出/大量出国。元来は旧約聖書にあるイスラエル民族のエジプト脱出を意味)と呼ばれていました。

 ちなみにコビーが現役時代、NIKEは11までコビーのシグネチャーを作りました。ただ彼の引退後は「A.D.」を使用し、現在までナンバリングはされていません。

 機能はこれまでのシリーズと同様、様々なテクノロジーが施されています。

 ミッドソールには、ルナロンフォームにZoom Airユニットを採用し、柔らかで高反発なクッショニングを実現。ほかにも動きやトラクションを強化するエンジニアード マイクロブレードトレッド、マイクロフレックスグルーブ等で柔軟性を向上させています。

 アッパーは、フライワイヤーケーブルを内蔵した多層構造で、耐久性・サポート性に優れており、プレーヤーの動きをしっかりとサポートします。
  シュータンやシューズの内側、左足のかかとにはコビーの象徴である“シース マーク”(刀剣のさや)。シューレース部分の右足にある「08 23 78」は彼の誕生日、左足の「33 08 24」は過去に着用した背番号を示しています。



 超ストイックだったコビーのように、シューズも機能面とデザインに一切妥協がありませんが、クーズマカラーは作られませんでした。

 しかし、彼が開幕戦で着用した「KOBE A.D.」はNIKE IDとしてリリースされたのです。
 

 IDのBOXは、すべてデザインが統一。白をベースにオーロラカラーの箔押しで「NIKE BY YOU」などマークや必要表記が印刷され、側面短辺部の引き出し面には、注文者の名前とシューズの写真が入ったシールが貼られています。



 オリジナルBOXではないため、シグネチャーモデルとしては物足りず、IDにすることで通常よりも価格は上がってしまいますが、小ロットから生産可能なIDは、ファンにとってはありがたい販売方法だと言えるでしょう。

 現在は2枚看板のレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスの陰に隠れているクーズマですが、スター性は十分。まだ25歳と若いだけに将来、彼のシグネチャーが発売されることを期待したいです。

文●西塚克之

【著者プロフィール】
西塚“DUKA”克之/日本相撲協会公式キャラクター「ハッキヨイ!せきトリくん」の作者として知られる人気イラストレーター。入手困難なグッズやバッシュを多数所有する収集家でもあり、インスタグラム(@dukas_cafe)では、自身のシューズコレクションを公開中。ダンクシュートでは名作シューズ列伝『SOLE&SOUL』を連載している。

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