ウルブズの「歴代ベスト5」は?KGは他の選手との兼ね合いでSF。タウンズは史上最高になる可能性も

ウルブズの「歴代ベスト5」は?KGは他の選手との兼ね合いでSF。タウンズは史上最高になる可能性も

ガーネット(中央)は球団唯一のMVPを獲得した選手だ。(C)Getty Images

1946年の創設から74年。その長い歴史のなかでNBAは何人ものスーパースターを輩出し、ファンを楽しませてきた。では、各チームの「歴代ベスト5」を選出したら、一体どんな選手が並ぶのか。『THE DIGEST』では、NBAに精通する識者に依頼し、全30チームのベストメンバーを選んでもらった。

 今回は「ミネソタ・ティンバーウルブズ」編をお届け。1989年に創設されたチームは、ケビン・ガーネットの加入で90年代後半からプレーオフに進出するが、上位進出は叶わず。2007年のガーネットを放出後は、リーグ下位が定位置となっている。しかし、今季途中にチームはセンターのカール・アンソニー・タウンズの相棒としてオールスターガードのディアンジェロ・ラッセルの獲得に成功。来季はこの将来性抜群のデュオを軸に、浮上を狙う“狼軍団”の「ベスト5」を紹介しよう。

【ポイントガード】
リッキー・ルビオ

1990年10月21日生。191cm・86kg
在籍期間:6シーズン(2011〜17)
成績:353試合、平均10.3点、4.2リバウンド、8.5アシスト

 ウルブズ最高のPGはルビオとテレル・ブランドンの二択で、より優秀な成績を収めたのはブランドンかもしれない。だが在籍期間(ブランドン4年、ルビオ6年)や、通算アシストとスティールでケビン・ガーネットに次ぎ球団史上2位(平均本数は1位)であることを考え、ルビオを選んだ。スペインの天才少年は2009年にドラフト5位で指名され、11年に入団。1年目から平均8.2アシストはリーグ6位と、ゲームメイクとパスの腕前は評判通りで「いつでも自分の足の間、さもなければ誰かの足の間を通してパスをしている」と言われたエンターテイナーでもあった。翌12−13シーズンから3年連続平均スティール2位と、守備面でも才能を発揮。しかしながら、最初の5年間でフィールドゴール成功率が一度も40%に達しなかったシュート力の低さが、真の一流選手への道を阻んだ。自己最高&球団記録の平均9.1アシスト(5位)だった16−17シーズンを最後にユタ・ジャズへトレードされている。
 【シューティングガード】
アンドリュー・ウィギンズ

1995年2月23日生。201cm・89kg
在籍期間:6シーズン(2014〜20)
成績:442試合、平均19.7点、4.3リバウンド、2.3アシスト

 ウルブズには長くこのポジションで活躍した選手がいない。PGから漏れたブランドンや、オールスターSFのウォーリー・ザービアックを回すことも検討したけれども、いずれもSGでのプレー機会はほとんどなかった。ウィギンズも本職はSFだが、SGでの起用も多かったので違和感は少ない。元NBA選手ミッチェル・ウィギンズの息子で、アマチュア時代は「カナダのマイケル・ジョーダン」と言われたほど高く評価されていた。14年のドラフト1位でクリーブランド・キャバリアーズに指名され、ケビン・ラブとのトレードでミネソタへ。平均16.9点で新人王を受賞、以後20.7→23.6と順調に得点は上昇していった。しかしながら3ポイントやフリースローの成功率は高くはなく、攻撃回数が多かったので点数が増えていたのは否めない。守備でも「リーグ最悪のディフェンダー」と言われるなど、正直期待外れのまま19−20シーズン途中でゴールデンステイト・ウォリアーズへ移籍した。
 【スモールフォワード】
ケビン・ガーネット

1976年5月19日生。211cm・109kg
在籍期間:14シーズン(1995〜2007,15〜16)
成績:970試合、平均19.8点、11.0リバウンド、4.3アシスト

 史上最高のパワーフォワードの1人だが、他の選手との兼ね合いで、プロ入りして数年の間プレーしたSFに回ってもらった。95年、当時ほとんど例がなかった高卒選手としてウルブズに入団すると、2年目に早くもオールスター出場。98−99シーズンから9年続けて平均20点&10リバウンド以上、04年からは4年連続リバウンド王。同年に球団史上唯一となるMVPに選ばれ、これまた一度だけのカンファレンス決勝進出に導いた。傑出した実力の持ち主でありながら、チーム第一の姿勢を貫き自己中心的なプレーに走ることなく、また経験を重ねるにつれ強烈なリーダーシップを発揮するようになった。ウルブズに12年在籍しながらファイナルには届かず、07年にボストン・セルティックスへ移籍して世界一を味わった。14−15シーズンにミネソタへ戻って最後の2年間を過ごし、その後経営陣とのいさかいから絶縁状態となったが、最近ではウルブズの買収に興味を示しているらしい。
 【パワーフォワード】
ケビン・ラブ

1988年9月7日生。203cm・114kg
在籍期間:6シーズン(2008〜14)
成績:364試合、平均19.2点、12.2リバウンド、2.5アシスト

 ルビオやガーネットと同じドラフト5位でNBA入り(指名したのはメンフィス・グリズリーズで、直後のトレードでウルブズに移籍)。最初の2年間もまずまずだったが、3年目の10−11シーズンに平均20.2点、リーグトップの15.2リバウンドと飛躍を遂げてMIPを受賞。11月12日のニューヨーク・ニックス戦では31得点、31リバウンドで、28年ぶりの30/30を達成し、また76年のABAとの合併以来最長となる53試合連続ダブルダブルも記録した。ビッグマン離れしたシュート力で、12年のロンドン五輪に出場し金メダルを手にするなど活躍を続け、この頃はリーグ最高のPFとの声もあった。14−15シーズンにキャバリアーズへトレードされ、16年に優勝を経験したが、成績はウルブズ時代に比べると大幅に下がっている。元NBA選手スタンの息子、そしてビーチ・ボーイズのマイク・ラブの甥としても知られるが、伯父に似たのかクセのある性格で、何かと揉め事を起こすことが多い。

【センター】
カール・アンソニー・タウンズ

1995年11月15日生。211cm・113kg
在籍期間:5シーズン(2015〜)
成績:358試合、平均22.7点、11.8リバウンド、2.8アシスト

“KAT”はウルブズ史上最高の選手になる可能性を秘めている。平均22.7点はすでに球団史上1位で、11.8リバウンドもラブに次いで2位。まだ24歳で全盛期はこれから、しかも契約はあと4年残っている。途中でトレードされなければ、通算記録の多くでガーネットに肉薄しそうだ。15年に球団史上初のドラフト1位指名でウルブズに入団。平均18.3点、10.5リバウンドで、史上5人目となる満票を得て新人王に輝いた。身長211cm、体重113kgの体格から想像される通りのパワフルさと、想像もつかない敏捷性を併せ持つ新時代のセンターは、シュートレンジも広く3ポイント成功率はここ3年続けて40%を超えている。18年3月28日のアトランタ・ホークス戦では、球団記録となる56得点を叩き出した。真のスーパースターとして認められるには守備の意識が低く、リーダーシップも身につける必要があるとはいえ、そうした弱点を克服できれば本当にガーネット以上の選手となるかもしれない。

文●出野哲也

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