優勝賞金の“億越え“は当たり前!eスポーツの大会規模、ビックタイトルの数々を紹介

ゲームからeスポーツへ、その志から数多くの競技性の高いタイトルが開発され、プロプレイヤーを生み、競技シーンという市場を形成してきた。その勢いは我々の予想を遥かに上回り、予測不可能な速度で成長を続けている。今回はeスポーツの市場規模や大会の影響力に注目し、タイトル毎の公式大会賞金総額や競技人口、直近の大会規模について解説する。

【Esportsの賞金総額と実スポーツの賞金総額】
 2020年10月現在、Esports大会における賞金総額は8億7587万872ドル。日本円換算にすると約92,1億円になる。一大会での賞金総額は1億円規模のものから30億以上のものまで様々だが、「ゲームの大会で優勝賞金が億を超える」時代はすでに実現している。150年の歴史があるテニスのグランドスラムによる優勝賞金が平均3億円である事を考えると、スポーツの賞金をEsportsが上回る日はそう遠くないのかもしれない。

 ここからは、数多く存在するEsportsタイトルにおいて、賞金割合が高いタイトルを抜粋して紹介する。ここに書くタイトルだけが全てではないが、Esportsについて調べるなら知っておいて損ではないタイトルばかりだ。
 ●ハースストーン(Hearthstone)

 Blizzard Entertainmentが開発・提供しているデジタルカードゲーム『ハースストーン』。世界で最も登録者が多いMMORPGの1つと言われている『World of Warcraft』と世界観を共有しているゲームで、ハードコアな見た目とは裏腹にカードゲームとしてはとてもシンプルな設計になっている。日本語にも完全対応だ。カードゲームというジャンル、シンプルなゲーム設計ではあるが、公式大会の規模やプロプレイヤーの人口は、本記事にて紹介する他のタイトルに全く引けを取らない。競技シーンの人口は約2400人、公式大会の賞金総額は2300万ドル、日本円に換算すると約24億円だ。現在、一番大きな大会である「ハースストーン・グランドマスターズ」では、北アメリカ、アジア、ヨーロッパ、中国の代表が50万ドル(USD)の賞金をかけて戦う。

●PUBG(PlayerUnknown’s Battlegrounds) 

 2017年にリリースされ、バトルロイヤル系の元祖と呼ばれた『PlayerUnknown’s Battlegrounds』(通称、PUBG)。今までにないゲームスタイルから、バトルロイヤルゲームのブームを巻き起こす先駆者となった。「ドン勝」の期限でもある。バトルロイヤル系ゲームの基本ルールは、多数のプレイヤーが1つの広大なマップに降り立ち、装備を拾い集めながら戦い、最後の1部隊を目指す。マップ上で行動できる範囲は時間が経過するとともに小さくなり、敵と遭遇する機会が増えてくる。シンプルなルールと戦況がわかりやすいのもあり、観戦するコンテンツとしての人気はいまだに健在。競技シーンの人口は約2800人、開催大会数は294回と少ないが、賞金総額は約2400万ドル。2倍以上の大会を開催している他タイトルと比較すると1大会あたりの規模の大きさが分かる。昨年の11月、アメリカにて開催された世界大会「PUBG Global Championship 2019」では、賞金総額約4億円、優勝した韓国のチーム「Gen.G」は優勝賞金として約2億円を手にした。
 ●オーバーウォッチ(Overwatch)

「オーバーウォッチ」も先ほど紹介したBlizzard Entertainmentが開発・提供しているゲーム、2019年11月時点のプレイヤー数は全世界で5000万人と発表されている、Esportsの代表的作品の1つだ。近未来の地球を舞台にした6人vs6人のアクション・シューティングゲームで、様々な役割に分かれたヒーローを使用して戦う。競技シーンの人口は約3500人、賞金総額は約2600万ドル。プロリーグ「オーバーウォッチ・リーグ」やワールドカップも開催されており、競技スポーツのプロと比較しても変わりない水準のプロシーンとなっている。

●リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends)

 当サイトにて多数回紹介している「リーグ・オブ・レジェンド」ももちろん、Esportsにおける賞金割合が高いゲームタイトルに含まれる。競技人口7000人越えとかなり多くのプロ選手が所属しており、大会開催数は約2500回、賞金総額は約8000万ドルとなる。直近で開催されている「World Championship 2020」は世界で最も大きなEsports大会の1つといえるだろう。
 ●フォートナイト(Fortnite)

 Epic Gamesが開発・提供しているバトルロイヤルゲーム「Fortnite」。他のバトルロイヤルゲームと比較して「建築」という特徴的な要素がある。マップ上で武器や装備だけでなく「資材」を集め、建築を行い敵より有利な位置を取る、奇襲を防ぐなどバトルロイヤルゲームの中でも戦略性や操作性が非常に求められるゲームだ。世界中で凄まじく流行しており、賞金規模が億を超える大会が多数開催されている。競技人口は4500人、開催大会数は660回とそこまで多くないが、賞金総額は9700万ドルにも上る。最近では、フォートナイトの世界大会で優勝した16歳の少年が賞金300万ドルを手にしたことが話題となった。

●Counter-Strike: Global Offensive

「カウンターストライク」シリーズの最新作「Counter-Strike: Global Offensive(通称、CSGO )」は世界で最も大きな競技シーンの市場を持つゲームだ。人口13000人、開催大会数5000回越えとシーンとして圧倒的な規模。大会賞金総額は1億ドル越えである。1つのマップに攻守で分かれ、相手を全滅させるか目標を爆破/防衛すれば勝ちというルールだか、FPSというゲームジャンルの中でも随一の難易度を持つ作品である。それ故に奥が深く、競技性も高いのが特徴だろう。プレイヤーの実力が最も顕著に出るゲームで、少しルールを理解すれば観戦しやすいのも人気の高さとして挙げられる。
 ●Dota2

「Dota2」はゲーム配信プラットフォームのSteamを運営しているValve社が開発・提供しているゲームでMOBAの元祖と言われている。かなりのプレイ人口を誇るゲームだが競技シーンの規模はそこまで大きくはない。約4000人の競技人口と同じMOBAジャンルである「リーグ・オブ・レジェンド」と比較すると半数程度だが、大会賞金総額は2億ドル越えと他タイトルと圧倒的な差をつけて賞金総額1位のタイトルとなる。Esportsの世界で最も獲得賞金が多いプレイヤーランキングでも上位10人は全員「Dota2」のプロプレイヤー達だ。今年開催予定の世界大会「The International 10」の賞金は総額3400万ドル(日本円約36億円)を突破し、Esportsの大会で歴代最高額を更新した。COVID-19の影響により無期限延期となっている現在から賞金額がさらに上乗せされていくことが予想されている。
 【獲得賞金トップのプレイヤー達】
●「Dota2」歴代最強チーム "OG"
「Dota2」界において、チーム「OG」が歴代最強のチームだと答えるプレイヤーは少なくない。2018年、2019年と塗り替えられてきたEsports史上最高賞金を2年連続で手にし、「Dota2」の歴史において史上初の世界大会連覇を達成したからだ。当時のメンバーであるN0tail,JerAx,ana,Ceb,Topson選手はEsports大会獲得賞金ランキングベスト5を独占し、全員が獲得賞金500万ドル越えを成し遂げている。「OG」がEsportsで最も大きな大会「The International」を連覇したことは世界中で話題となり、様々なメディアでも取り上げられている。興味を持った方は、OGのTI8優勝までを迫ったドキュメンタリーである『Against the Odds』の視聴をお勧めする。

●弱冠16歳で頂点に上り詰めた「フォートナイト」プレイヤー”Bugha”

 Bugha選手はEpic Games社が開催した「Fortnite World Cup」でソロチャンピオンとなった16歳のプレイヤーだ。彼は初参戦したLANトーナメントで優勝賞金300万ドルを手にしたのだ。彼の軌跡についてはフォートナイトの開発社であるEpic Gamesがドキュメンタリーを公開しており、ドキュメンタリーの中で「ゲームの世界を知ることができたのは、父のおかげだった」と話している。

 以上、Esports大会における上位ゲームタイトルの賞金額や競技シーンの規模、世界で最も稼ぐプロプレイヤー達についてまとめてきた。プレイ人口も多く、影響力の大きなゲームタイトルの大会には高額な賞金が用意されており、年々その金額は増加傾向にある。今回取り上げたタイトルのほかにも、Riot Gamesが新たに開発した「VALORANT」やOrigin社が運営する「Apex Legends」などでも、大きなEsports大会は多数開催されており、COVID-19の影響もあってかEsportsシーンは今までにない盛り上がりを見せている。Esportsのシーンに本格的に興味が出たならば、自身や周りでプレイしているゲームの大会について調べてみるのが、競技シーンを楽しむ第1歩になるだろう。

文●足立陸

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