“中身の濃い30パット“で4位スタートした渋野日向子が、成長を実感した「嬉しかった」こと

“中身の濃い30パット“で4位スタートした渋野日向子が、成長を実感した「嬉しかった」こと

渋野はディフェンディング大会となる『大王製紙エリエールレディスオープン』初日を、首位と3打差の4位タイで終えた。(C)Getty Images

国内女子ツアーの『大王製紙エリエールレディスオープン』初日、渋野日向子が3バーディ、ノーボギーの68で回り、首位と3打差の4位タイにつけた。

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 この日、10番からスタートした渋野は、いきなり試練を迎える。11番パー5で2オンに成功したにもかかわらず、3パットをした結果、パーに終わったのだ。今季はパッティングに悩んでいる渋野だが、先週の『伊藤園レディス』最終日に下りの1メートルでもしっかり打てるようになり、復活への手応えをつかみかけていた。それを確かなものにするためにも、この日のパッティングは慎重に行いたかったが、沈めたいという気持ちが強く働き、ファーストパットでカップを大きくオーバーさせてしまった。イーグルどころかバーディすら奪えなかったが、不思議と動揺することはなかったという。

 続く12番パー4では2メートルのパーパットを残す。今までの渋野なら流れ的には外してもおかしくなかったが、この日の渋野はひと味違った。上りのフックラインをしっかりと打ち、カップの真ん中から沈めて見せたのだ。

「あのパットが入ったことによって落ち着きましたね。ただ、11番で3パットをしても気持ちをコントロールできていたし、12番のパーパットも慌てずに考えながら打てたので、そこは今までとは違うところだなと思います」
  微妙な距離のパットを打つ際、心の中はまだハラハラドキドキだという渋野。しかし、その気持ちを抑えながら、自分がイメージしたタッチで打てるようになったのは大きな成長だと納得した表情を浮かべた。確かにこの日は大事な場面ではことごとくパットを沈めていたが、昨年までのように感性や勢いだけでストロークしたのではなく、グリーンのスピードやラインを十分に考え、それに合わせたストロークができたのが嬉しかったという。

 圧巻だったのは7番パー4だ。前半を2アンダーで折り返したものの、後半のアウトコースに入ってから、なかなかスコアを伸ばせずにいた。そんな状況で迎えたこのホールで6メートルのバーディパットを残した。上ってから下るという難しいフックラインだったが、5番ホールで同じようなラインをカップの左に外していたことを忘れていなかった。
  渋野が挙げるパッティングの課題として、アマチュアラインに外さないことがある。アマチュアラインとは、フックラインでいうとカップの右ではなく左に外すことをいう。カップからどんどん離れていくため、返しのパットで距離を残すことが多い。逆に右に外すことをプロラインと呼ぶが、この場合カップを外してもそれほどオーバーすることはない。

 最初は5番ホールと同じようにラインを薄めに読んで強く打つつもりだったが、キャディと相談した結果、あえてラインを大きく読み、タッチを合せることにした。その結果、ボールは大きな弧を描いた後、カップに導かれるように消えていった。この日のパット数は30と決して少なくはないが、中身の濃い30パットであったことは間違いない。
  先週から続いていた右足裏の痛みは消えたものの、右足をかばったことでこの日は靴擦れに悩まされた。それでも、右足をかばうことで無駄な動きがなくなり、体の動きは悪くなかったという。マイナスをプラスに考えらえるだけ心に余裕が出てきたのだろう。今大会は昨年優勝した思い出深い大会でもあり、コースに対して悪いイメージはない。まだ残り3日間あるだけにどのような展開になるのか分からないが、この日のゴルフを見る限り、久々に上位で戦える雰囲気が出てきたことは確かだ。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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