パッティングへの不安がぬぐえない渋野日向子。終盤は“幸運”に助けられ、国内2度目の決勝ラウンドへ

パッティングへの不安がぬぐえない渋野日向子。終盤は“幸運”に助けられ、国内2度目の決勝ラウンドへ

パッティングに苦しむ渋野。2つスコアを落とし、20位タイで予選ラウンド2日間を終えた。(C)Getty Images

国内女子ツアーの『大王製紙エリエールレディスオープン』2日目、前日4位タイと好スタートを切った渋野日向子はパッティングに苦しみ、2バーディ、4ボギーの73でホールアウト。通算1アンダーにスコアを落とし、20位タイと順位を下げた。

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 パッティングへの不安はやはり消えていなかった。前半2番パー4で20メートルのバーディパットをカップに寄せ切れずに2・5メートル残すと、それを外して今大会初のボギーを叩く。さらに8番パー4でも1・5メートルのパーパットを外してボギー。なんとか気持ちを切り替えようと臨んだ9番パー5。ティショットを右ラフに入れたものの、第2打をフェアウェイセンターに刻み、3打目をピンそば2メートルにつける。しかし、タッチが強すぎたためボールはカップに蹴られてパーに終わった。

「2つ続けて外したことでイラッときましたね。後半のスタート前に休憩があったので、ロッカールームで頭をガンガン手で叩きました。たまにはいいかなと」
  それが気分転換になったのかどうかは分からないが、12番パー3でティショットを1・5メートルにつけ、この日初のバーディを奪う。本来ならこのまま勢いに乗りたいところなのに、13、14番で連続ボギーを叩く。14番では1メートルのパーパットを外してのボギーだけに怒り心頭になるところを必死で抑え、気落ちを切り替えた。

 この時点でトータルイーブンパー。予選通過がちらほらと頭の中をよぎる。「かなり予選カットを意識していました」と渋野。昨年優勝した大会ではあるが、今季は予選をクリアしたのは1試合しかない。しかも、予選カットのなかった『TOTOジャパンクラシック』を除けば、2日目はすべてオーバーパーだ。このままズルズルとスコアを落とすのではないかと不安になるのも当然だろう。

 そんな状況で迎えた17番パー5。第2打の残りは手前のグリーンエッジまで201ヤード。渋野は3番ウッドで2オンを狙う作戦に出る。「風の影響もなく、普通に打てば届くと思ったので迷いはありませんでした」。しかし、どこかに力みがあったのだろう。クラブヘッドがボールに届く前に手前の地面をヒットしてしまう。「終わった……」と心の中でつぶやいた渋野。打球を目で追うと、グリーン手前の池に落ち、無情にも水しぶきが上がるのが視界に入った。それまでの緊張感が一気に解けそうになりつつもグリーン方向に視線を送ると、エッジ付近にボールが見えた。なんと池の中にあったコンクリートに跳ねて出てきたのだ。
 「日頃の行ないといっていいのか、本当によかったです」と笑顔を見せた渋野。このチャンスを逃すことなく、寄せワンのバーディを奪い、再びアンダーパーの世界に復帰した。

 結果だけを見れば、2試合連続予選通過となったが、16番パー3にしても、18番パー4にしても、ピンサイドに外したことで、難しいアプローチを残した。上がり3ホールを1アンダーで切り抜けたものの、1つ間違えれば2オーバー、もしくは3オーバーになっていてもおかしくはなかった。もちろん、結果がすべてなのがゴルフだけに何も問題はないが、今季はコースマネジメントにもこだわっていたことを考えると、多少の不安は残る。
  トップとは6打差と開いたが予選通過の不安が無くなった分、残り2日間は思い切って攻めていくしかない。懸念された右足裏の痛みが治まっているのも好材料だ。「昨年のようにビッグスコアが出る状態ではありませんが、今の最高のゴルフができればトップに近づいて行けると思います」と前向きな気持ちは失っていない。この日終盤に見せた幸運を活かしてほしいものだ。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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