FA戦線の“勝ち組”となりつつあるホークス。開幕に向けた最後の課題とは?

FA戦線の“勝ち組”となりつつあるホークス。開幕に向けた最後の課題とは?

在籍3年でチームの主軸に成長したコリンズ。来オフにFAになる前に、延長契約を結ぶことを望んでいるというが…。(C)Getty Images

11月20日(日本時間21日、日付は以下同)にフリーエージェント(FA)との交渉が解禁されたNBA。すでに数多くの選手が他チームへ移籍し、12月22日の開幕に向けて各チームが戦力増強を図っている。

 今年のFA戦線で、ここまで最もアグレッシブに攻めているチームのひとつがアトランタ・ホークスだろう。ドラフトでは1巡目6位でサザンカリフォルニア大のビッグマン、オニエカ・オコングを指名。またドゥエイン・デッドモンとの交換でスウィングマンのトニー・スネルを獲得すると、FA戦線では潤沢なキャップスペースを生かし、主にベテラン陣を補強。4年ぶりのプレーオフ進出に向けて着実に戦力を揃えつつある。

 ここまでFAで獲得した新戦力は、昨季ロサンゼルス・レイカーズで優勝に貢献した司令塔のラジョン・ロンド、オクラホマシティ・サンダーでストレッチ4の役目を担ったダニーロ・ガリナーリ、キャリア7年を誇るフォワードのソロモン・ヒル。そのほかにもディフェンスに定評があるクリス・ダン、セルビア代表のスコアラー、ボグダン・ボグダノビッチもロースターに加えている。
  今季の先発候補は、生え抜きの2本柱トレイ・ヤングとジョン・コリンズに、昨季加入したクリント・カペラ、そして新戦力のボグダノビッチとガリナーリ。リザーブにはロンド、ダン、ケビン・ハーター、キャム・レディッシュ、ディアンドレ・ハンター、ヒル、オコング、ブルーノ・フェルナンドと各ポジションに役者が揃い、プレーオフを十分に狙える陣容となった。

 一方で新加入組が入ったことで、ハーターやレディッシュ、ハンターといったヤングコアの出場時間争いは激化し、役割が減少する可能性があることも否定できない。フロントコートにはカペラに新人のオコング、ガリナーリも加わったことから、昨季平均21.6点、10.1リバウンド、1.6ブロックをマークしたコリンズの活躍の場が減ってしまう恐れもある。

 25日に行なわれた会見で、トラビス・シュレンクGM(ゼネラルマネージャー)はガリナーリについて「我々は彼の役割を明確にして契約を結んだ。彼はジョン(コリンズ)の控えとしてプレーすることになるとね」と言及。もっとも、試合の中ではコリンズとガリナーリが同時にコートに立つ場面もあるだろう。
  チームはあくまで生え抜きのコリンズを主軸に据える構えだが、一方で彼は今、重要な局面を迎えている。キャリア4年目の開幕を前に、ホークスとの延長契約を望んでいるからだ。

「俺はホークスでMAX契約を勝ち取ることができると感じている。でもこれはビジネスであって、毎回欲しいものが手に入るわけじゃないことも分かっている。俺はホークスの一員でありたいし、このチームに残りたい」

 コリンズは5月14日に地元メディア『The Atlanta Journal-Constitution』の中でそう話しているものの、開幕前に高額な延長契約を締結することができるかは現時点で微妙。シュレンクGMはコリンズとの延長契約について「是非ともそうしたいと思っている」と語っているが、カペラ、オコングといったタレントに加え、新たにボグダノビッチやガリナーリと高額契約を結んだ点、さらに来夏にはヤングとの超高額の延長契約が確実視されていることからも、両者の間で妥協点を探る必要がありそうだ。
  コリンズと同期の2017年ドラフト組で、今オフに所属チームとのMAX契約に合意したと報じられたのは、ボストン・セルティックスのジェイソン・テイタム(1巡目3位)、サクラメント・キングスのディアロン・フォックス(1巡目5位)、ユタ・ジャズのドノバン・ミッチェル(1巡目13位)、マイアミ・ヒートのバム・アデバヨ(1巡目14位)の4人のみ。

 コリンズは昨季、得点とリバウンドで平均ダブルダブルを記録したとはいえ、この4選手と比較するとチーム内外でのインパクト不足は否めない。テイタム、フォックス、ミッチェルはいずれもチームのトップスコアラーで、アデバヨはヒートを攻守で支え、ファイナル進出へと導いている。

 もしコリンズがどうしてもMAX契約を望むのならば、そのタイミングは開幕前ではなく、今季終了後に完全FAになってからだろう。だがそのためには今季オールスター入りするほどの大躍進を遂げるか、チームがプレーオフに進出し、その原動力として存在価値を認めさせる必要がある。ホークスがコリンズに対してどのような延長契約のオファーを提示するのかは、今後のチームの未来を左右しうるだけに、非常に興味深いところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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