終盤失速も“らしさ”を取り戻しつつある渋野日向子。首位2打差で国内最終戦を折り返す【リコーカップ】

終盤失速も“らしさ”を取り戻しつつある渋野日向子。首位2打差で国内最終戦を折り返す【リコーカップ】

2日間を「68」「69」で回り、2位タイの渋野。首位の原とは2打差の好位置につけている。(C)Getty Images

国内女子ツアー今季3戦目の公式戦『JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』2日目、単独2位でスタートした渋野日向子は、5バーディ、2ボギーの「69」で回り、通算7アンダーの2位タイでホールアウトした。

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 スコア的には前日よりも1打多かったものの、アイアンショットの精度は明らかによくなっていた。スタートの1番パー4こそ第2打をグリーンオーバーした渋野。しかし、続く2番から13番まで12ホール連続でパーオンして見せた。その間、5つのバーディを奪い、快調にスコアを伸ばす。特に6番パー4ではグリーンの傾斜を利用し、第2打をOKの距離につけた。あわやカップインするかと思わせたほど完ぺきなショットで、いよいよ渋野が目指すショットとパットがかみ合ってきたのかと思わせた。
  しかし、“好事魔多し”ではないが、いきなり流れを変えるような場面を迎える。13番パー5でのグリーン上だ。このホールで渋野はドライバーショットをフェアウェイセンターに落とす。5番ウッドで放った第2打はグリーンを直接とらえ、グリーン中央まで転がっていく。この時点で首位にいただけに、一気にスコアを伸ばしたい場面だった。じっくりとラインを読み、ピンまで約10メートルのイーグルパットにトライした渋野。しかし、ボールは無情にもカップの左サイドをすり抜けた後、2メートルほどオーバーしたところで止まる。さらに返しのバーディパットがカップ右縁に蹴られて今大会初の3パット。これ以上ないチャンスを生かせなかった。

 前週の『大王製紙エリエールレディスオープン』2日目の2番ホール以来、実に83ホールぶりの3パットだったが、落ち込むことはなかった。「かなり悔しかったですね。でも、気持ちが切れたわけでもありませんし、どこかでコントロールはできていたと思います」と振り返る。それでもこの3パットで流れが変わったことは認めた。実際、続く5ホールで2つのボギーを叩いてスコアを2つ落としたが、それまで好調だったパットのタッチが明らかに合っていなかった。「パッティングに迷いはありませんでしたが、強く打ってしまったり、打ち切れませんでしたね。どこかに自分の気持ちと欲が出てしまいました」と反省する。
  特に悔やまれたのが最終18番パー4だ。第2打をグリーン手前のラフに入れ、そこからピンまで23ヤードあったアプローチをピン手前2メートルにまで寄せた渋野。それまでは58度のウェッジでアプローチしていたが、芝目のきついコウライでも足を出せるようにと大会前から練習していた52どのウェッジを初めて使ったランニングアプローチだった。予想以上に傾斜の影響を受けたものの、上りのラインを残せたことに手応えを感じた。それだけにパーパットを沈めれば気分よく翌日のラウンドに気持ちを向けられたが、打ち切れずにボギーを叩いたことに渋い表情を浮かべた。
  終盤にスコアを落としたものの、首位とはまだ2打差しかない。この日の「69」という数字も5番目にいい数字だし、大会前に立てていた1日に3アンダーの目標もクリアしている。「あと2日残っているのでまだチャンスもあると思います。攻めるところは攻め、守るところは守り、粘るところは粘って、今できる最高のゴルフができるように頑張りたい」という渋野。やはり上位にいてこそ真価を発揮するタイプなのだろう。ラウンド中の表情を見ても明らかにこれまでよりも集中力が増しているし、昨年の好調時のような強い気持ちが伝わってきた。国内最終戦にしてようやく“らしさ”を取り戻しつつある渋野。残り36ホールでも強い気持ちをキープできれば、今季初優勝も十分見えてくるはずだ。

文●山西英希

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