渡邊雄太がラプターズのトレーニングキャンプに参加へ。元王者が求める“理想の選手像”は?

渡邊雄太がラプターズのトレーニングキャンプに参加へ。元王者が求める“理想の選手像”は?

渡邊はラプターズのトレーニングキャンプに参加することが決定。26歳のスウィングマンは開幕ロースター入りなるか。(C)Getty Images

11月26日(日本時間27日、日付は以下同)。トロント(カナダ)のフランス語メディア『L'Express』で記者を務めるマイク・ラヴィオルが「アリゼ・ジョンソン、渡邊雄太、ヘンリー・エレンソンが(トロント)ラプターズのトレーニングキャンプに参加する」と報じた。

 28日には『The Athletic』のラプターズ番記者ブレイク・マーフィーが「雄太とアリゼーはすごくいい」と渡邊に好印象を抱いたとツイート。おそらく、渡邊はエキジビット10契約(無保証かつ1年限定でチーム側がオプションを保持するミニマム契約)を結んでキャンプに参加することになるだろう。

 NBAは12月1日から個人のワークアウトが解禁となり、6日からチーム練習がスタート。72試合の短縮シーズンということもあり、今季はトレーニングキャンプを短期間でこなし、11日からプレシーズンゲームが行なわれる。

 2019年の覇者ラプターズは本来、カナダのトロントを本拠地としているが、新型コロナウイルスの影響で移動制限があることから、2020−21シーズンはフロリダ州タンパを臨時の本拠地にすることを発表している。
  渡邊は昨季一杯でメンフィス・グリズリーズとの2年間の2WAY契約が終了。26歳のスウィングマンはNBAキャリア2年で計33試合に出場し、平均8.5分、2.3点、1.5リバウンドを記録。Gリーグ(メンフィス・ハッスル)では計55試合(うち先発は54試合)の出場で平均33.4分、15.4点、6.7リバウンド、2.3アシスト、1.0スティール、1.1ブロックを残してきた。

 だがフリーエージェント(FA)として迎えた今年、NBAチームとの契約に関する情報はなく、開幕ロースター入りをかけてラプターズのトレーニングキャンプへ参加することになる。

 ラプターズは今年のFA戦線でフレッド・ヴァンブリートと再契約を結んだものの、サージ・イバカがロサンゼルス・クリッパーズ、マルク・ガソルがロサンゼルス・レイカーズへ移籍し、代役のビッグマンとしてアーロン・ベインズ、アレックス・レンを補強。

 渡邊がメインでプレーするフォワードには、オールスターのパスカル・シアカムにOG・アヌノビー、スタンリー・ジョンソン、クリス・ブーシェ、さらにFAでディアンドレ・ベンブリーを獲得しており、ロースター入りには高いハードルが待ち構えている。
  アトランタ・ホークスから加入したベンブリーは、セントジョセフ大時代、ジョージ・ワシントン大に所属していた渡邊と何度も対決し、マッチアップを繰り広げてきた。NBAではキャリア4年で3ポイント成功率26.9%、フリースロー59.2%とシュート力には難があるが、ペリメーターのディフェンスに定評があり、ラプターズでもディフェンダーとして起用される見込みだ。

「ラプターズのシステムは非常に多様性がある。4アウト1インのケースが多いが、我々は各選手に何でもできるように求めることが多い。例えばシアカムだったり、アヌノビーというように、(ナチュラルポジションが)ポイントガードではなくてもボールをしっかり運んだり、3ポイントを打ったり、ウイングとインサイドを問わずにしっかりプレーできるような、ポジションを問わずプレーできる選手を求めていることが多い」
  昨年10月のジャパンゲームズ前に、ニック・ナース・ヘッドコーチはそう話しており、チームが求めるのは理想の選手像は複数のポジションをこなすことができ、攻守で活躍できる人材と言える。

 ボールマンへの多彩なディフェンス、場合によってはボックス&ワンを敷くなど、ラプターズには多くの戦術があるため、選手たちには高いアジャスト能力が求められる。

 ただし、渡邊には複数のポジションをガードできるディフェンス力を備え、サウスポーというのも魅力だ。Gリーグではポイントガードとしてボールハンドラーを務めたこともあるだけに、トレーニングキャンプやプレシーズンで3ポイントを高確率で決め、ハンドラーとしてもアピールできれば、本契約を結ぶチャンスはあるだろう。

 もっとも、仮に開幕ロースター入りできなくとも、ラプターズは傘下のGリーグチーム、ラプターズ905で経験を積ませて選手育成に成功しているチームのひとつ。シアカムやヴァンブリート、ブーシェなど、現有戦力でローテーション入りしている選手たちの活躍ぶりを考慮すると、渡邊がラプターズという組織で経験を積むことは今後のキャリアに向けて大きなプラスとなるに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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