予選落ちから始まった「しんどいけど、価値ある1年」で、渋野日向子が辿り着いた答えは「ポジティブに考える」

予選落ちから始まった「しんどいけど、価値ある1年」で、渋野日向子が辿り着いた答えは「ポジティブに考える」

国内ツアー最終戦のリコーカップで、渋野は今季最高の3位に入った。(C)Getty Images

今年の国内女子ツアー最終戦『JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』最終日、渋野日向子は4バーディ、3ボギーの71で回り、通算6アンダーの3位タイでフィニッシュした。渋野がトップ3に入ったのは今季国内外合わせて初めてであり、昨年の今大会で2位タイに入って以来、実に1年ぶりだった。

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 1番パー4で2オンしたものの、バーディパットを7メートルぐらいオーバーし、その返しのパットを外した渋野。いきなりの3パットボギーに「どうなることかと思った」と本人はいうが、そこから見事に修正して見せた。6番パー4では約7メートルを沈めてこの日最初のバーディを奪うと、9番パー5では2打目をグリーン手前のカラーに乗せる。パターで50センチに寄せた後、楽にバーディパットを決めた。
  コウライグリーンの芝目に翻弄されながらも前半を1アンダーでラウンドしただけに、後半もスコアを伸ばしたかったが、ショットとアプローチ、パッティングがかみ合わず、パープレーに終わった。それでもトータルでこの日を1アンダーで終えたことには満足気な表情を浮かべていた。首位との差があったとはいえ、上位でプレーしながらスコアを伸ばしたことは今後に生きるはずだ。前週の『大王製紙エリエールレディスオープン』では5位に入り、今回は3位タイと着実に順位を上げてきている。来週も国内でトーナメントがあれば優勝を期待できたかもしれないが、ここまで調子を取り戻しただけでも十分だろう。

 今年を振り返り、「しんどい1年だったけど、いろんな経験ができたので価値のある1年だと思います」と答えたが、国内ツアー開幕戦となった『アースモンダミンカップ』での予選落ちから始まり、欧州、米国6連戦での試行錯誤、そして国内に戻ってからの5試合と精神的にも肉体的にもかなりの疲労がたまった1年だった。その中で、一時は自分を見失うこともあったが、最終的に新たな自分を作り上げていく気持ちになれたことは本当に大きな価値がある。
  メジャーチャンピオンというプレッシャーがどれだけ重くのしかかっていたのかは渋野にしか分からない。そのプレッシャーに何度も押しつぶされそうになりながらも、懸命に前を向こうと戦ってきたシーズンでもある。しかし、どんなに辛い時でも中途半端なプレーを見せることは決してなかった。だからこそ、今大会を終えて気がついたことがある。「ポジティブに考えることによって1打でも2打でも最低限の打数を減らせることが分かりました」というのだ。今大会でも3日目にスコアを落としてもズルズルとはいかず、最終日にきっちりとスコアを伸ばしたことがいい例だ。
  ただ、今年を振り返るのはまだ早い。今大会で年内の国内でのトーナメントは終了したが、渋野には大仕事が1つ残っている。12月10日から米国テキサス州にチャンピオンゴルフクラブで開催される全米女子オープンゴルフ選手権への出場だ。「日本でもちょっとずつ調子が良くなってきていると思うので、そんな感じのゴルフができれば予選通過できるかなと思いますし、そこを目指していきたいです」と抱負を語る。海外メジャーとしては今季4戦目だが、全試合に出場している渋野は一度も納得のいく結果を残していない。難しいコースセッティングが予想されるため、そう簡単には上位に絡めないかもしれないが、「今までよりもかなりプラスな気持ちで臨めると思います」と気負いはない分、一矢報いることを期待したい。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

 
 
 
 
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