【名作シューズ列伝】トンプソンの歴史はANTAとともに。中国ブランドの成長を感じさせる「KT3」

人に歴史あり。バスケにスーパースターあり。スーパースターにシグネチャーモデルあり。シグネチャーモデルにBOXあり! 

 クレイ・トンプソンは、カリフォルニア州ロサンゼルス出身。父親のマイカルは1978年のドラフト1位でポートランド・トレイル・ブレイザーズに指名されたNBA選手で、87、88年にはロサンゼルス・レイカーズで優勝を経験しています。

 父のDNAを引き継いだ息子のクレイは、大学はワシントン州大に進学。3年時には大学記録となる733得点(平均21.6点)をあげ、カンファレンスのファーストチームに選ばれました。

 2011年のドラフトでゴールデンステイト・ウォリアーズから1巡目11位で指名され、1年目から主力として活躍。14ー15シーズンにはステフィン・カリーとの“スプラッシュ・ブラザーズ”でチームを40年ぶりの優勝に導き、NBA史上4組目の親子チャンピオンになりました。

 16年はファイナルで敗れたものの、ケビン・デュラントを加えた17年は圧倒的な強さで優勝。翌年も頂点に立ち、トンプソンは3つ目のチャンピオンリングを手に入れました。
  今回紹介する「KT3」は、この絶頂時にトンプソンの足元を支えたシューズです。ちなみに発売元の「ANTA(アンタ)」は、1994年に設立された中国のブランドで、16年にトンプソンと契約。かつてはケビン・ガーネット、現役ではトンプソンのほか、ラジョン・ロンドやゴードン・ヘイワードが同ブランドのモデルを着用しています。



「KT3」はその名の通り、彼の3代目シグネチャーです。シューズは全体的にスマートなフォルムとなっており、アッパー全体をニット素材で覆うことで高い通気性と軽量化を実現。シューレースの上には、トンプソンのロゴマーク「K」が入った脱着可能なストラップパーツがあり、足首をしっかりホールドします。



 アキレス腱部分には背番号「11」、ヒールカップには彼のサインが刻印。360度トンプソンモデルを堪能することができるレイアウトは、中国ブランドにおけるシグネチャーシューズデザインの成長を感じます。



 BOXは、白地にグレーのドットが全体を覆った作りに。ドットはまるでトンプソンがあられのように放つ3ポイントのようです。上蓋の中央にはウォリアーズカラーの「K」マーク、側面には「KLAY THOMPSON」の文字が入っています。

 蓋を開けると、メーカーである「ANTA」の歴史を感じさせる包装紙がシューズを包んでいます。近年、中国製BOXは紙が厚く強度の高いものが多くなり、保存しやすくなったのはコレクターにとってありがたいことです。



 トロント・ラプターズと対戦した19年のNBAファイナル第2戦、トンプソンは左ハムストリングを負傷し、第3戦はキャリアで初めてプレーオフゲームを欠場。第4戦で復帰したものの、6戦で右ヒザの前十字靭帯を断裂する大ケガを負い、昨季はリハビリのため全休しました。

 さらに1年ぶりの復帰を目指してトレーニングに励んでいた今年11月には、アキレス腱を断裂し、2年連続のシーズン全休が決定しました。

 不運に見舞われたトンプソンですが、まだ30歳。彼はリーグ屈指のピュアシューターであり、「ANTA」の看板選手でもあります。この苦難を乗り越えて、新シグネチャーを引っさげ、颯爽と3ポイントを決める姿を披露してくれることを願っています。

文●西塚克之

【著者プロフィール】
西塚“DUKA”克之/日本相撲協会公式キャラクター「ハッキヨイ!せきトリくん」の作者として知られる人気イラストレーター。入手困難なグッズやバッシュを多数所有する収集家でもあり、インスタグラム(@dukas_cafe)では、自身のシューズコレクションを公開中。ダンクシュートでは名作シューズ列伝『SOLE&SOUL』を連載している。

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