柳田将洋が意識しているのは“積み重ねの大切さ”「自分が選んだこと、決めたことを正解にしていくのも自分」
2020年12月01日 06時44分 THE DIGEST

2021年の五輪へ向けて、ますます士気が上がっている柳田。提供:ボシュロム・ジャパン
一流アスリートたちに、食育やコンディションニングをテーマに話をうかがう連載インタビュー企画「Do My Best, GO!」。第3回はVプレミアリーグ・サントリーサンバーズに所属する柳田将洋選手が登場。ドイツやポーランドのチームに所属し、今季古巣に戻ってきたアウトサイドヒッターは、身体づくりにおいて日々の食生活でどのようなことに気を付けているのか。東京五輪を来年に控え、益々士気が上がるエースに話を聞いた。
◆ ◆ ◆
――Vリーグが始まりましたが、現在のコンディションはいかがですか?
シーズンが始まってから徐々に調子が上がってきていますし、久しぶりの日本のリーグで2試合連続で試合したりするのも久しぶりだったのですが、そういったところにも慣れてきて、ケガもなくここまでこれています。
――日本のチームに復帰ということで思うことはありますか?
最初の2年間は現在と同じチームで活動してたので懐かしいところもありますし、改めて、海外のチームを経験して、日本のリーグのレベルの高さを感じてるので、そういったところも自分にプラスになるかと思いながら活動できてます。
――現在の食事の環境はいかがでしょうか?
海外いた時は、自分に合う食事をまず見つけるところから始めなきゃいけなかったのですが、日本はもちろんそういったところはなく、最初からストレスなく食事に対して取り組めているので、そういったことがコンディションを上げられている大きく要因ではないかと思ってます。
――海外での食生活はどういう形で送っていましたか?
昨シーズンですと(ドイツの)フランクフルトに住んでいたんですけど、日本食のレストランだったり日本食を売っている場所が多かったので、そういった所でお米を買ったりして、なるべく日本食を作れるような環境を作るようにしてました。
――自分で作っていたのですか?
基本的には自分だったりとか、外で食べたりとかがベースでした。
――チームとしての食事のサポートはしっかりありましたか?
基本的にはあまりなかったです。ほとんど自分でコントロールしなければいけませんでした。アウェイの時、ホテルでご飯が出る時は出されたものを食べるしかできなかったので、かなり難しかったです。
――食事の内容はかがでしたか?
ドイツは結構重たかったですね。例えばかかってるソースとか濃かったです。パンと肉が多く、たまにシュニッツェルという揚げ物とかも出たりして、身体のコンディションを整えたい自分からしたら少し不安になる食事も時々ありました。自分では白いマッシュルームが結構売ってたので、ベーコンとかと一緒に炒めたりしました。海外は塊肉しか売ってなくて、薄肉文化がたぶんないんです。手に入れるのが中々難しかったので、ベーコンで代用したりしていました。
――苦手なものはありますか?
コンディション作りにはあまり影響ありませんが、抹茶が苦手です。
――今の食生活は自分で何かやったりとかチームがサポートしてくれたりとかありますか?
お昼をチームのみんなで食べるので、そういったところはサポートしてもらい、朝夜は各自でとってます。外食は時々で、特に今こういう状況なので基本的には家で食べてます。
――注意して摂取しているものはありますか?
うどんが大好きなのでうどんがベースなんですけど、試合の2日くらい前から、カーボローディングで炭水化物メインの食事をとるようにしています。白ご飯やうどんにおかずを加えながらバランスとりながら食べていて、食が細くそこまで食べられる方じゃないので、麺類だとお腹に入れやすいですね。
――心に残っているとか、好きなメニューはありましたか?
母が栄養が偏らないよう、色々なメニューを色々な形で出してくれて、ジャンルに偏りはなかったので、そこはありがたかったです。好きでよく食べていたのは、鶏肉のトマト煮みたいなおかずで、作り方までは分からないですけど、本当にお肉が柔らかくて、トマトの味が深い感じがして、ご飯と一緒に食べたのを覚えています。自分は一回の食事は少ないのですけど、お腹空く時が結構あって、そういう時、作り置きしてたものを間食(補食)として食べられたりしてました。
――お菓子は食べましたか?
あまり食べなかったです。基本、食が細いので、普段のご飯食べないのに何でお菓子食べるんだって、たぶん怒られていたと思います。だからお菓子を買うという記憶もあまりないです。
――ジュニア時代、身長を伸ばすため、ジャンプ力をつけるためにやっていたことはありますか?
そこまで特別に思い当たるところは少ないんですけど、母が僕に牛乳を勧めてきたことが記憶に強くあります。あとは僕はあまりトレーニングしなかった方なんですが、高校生になってから自分の体重でできるトレーニングを始め、筋肉に刺激が入ってきたところで少しジャンプ力が上がった感覚があります。適度なトレーニングを進めていくとジャンプ力というか競技特性に合った動きができるようになることを後々感じたので、そういったところが要因なのかなと思います。
――今後はどういうバレーボール選手になりたいですか?
自分自身、プロとして選手やっているので、プロとしての競技の仕方だったりとか、もちろん競技だけじゃなく、プロとしてどうあるべきかというところを、キャリアを重ねて作っていき、そういう姿を見せていけたらと思います。
――人としてはどういう風に生きていきたいですか?
自分がやりたいこととか、自分が選択をしたことを迷わないように、さらに色々な選択を繰り返していけるような人生が送れれば後悔がないと思います。自分に責任を持って生きていけると思いますし、そういったことの繰り返しで自分の満足する人生送れたらなと思います。
――今まで色んな選択を迫られたりすることもあったと思うのですが、それに向けていい道を歩けているなという実感はあります?
そうですね、そう思いますし、どういう選択をするのかは自分次第です。他のことを考えても仕方ないので、自分が選んだこと、決めたことを正解にしていくのも自分なので、これからも続けていきたいと思います。
――来年は東京五輪となりますが、最後に抱負をお聞かせください
そこを目指してしっかりと今シーズン結果を出していきたいというのがあるので、まずはコンディションを整えて、いい結果に向かって頑張っていきたいと思います。そうすればしっかり代表に選出されると思うので、また東京に向かって頑張っていきたいと思います。
【PRIFILE】
柳田将洋(やなぎた・まさひろ)
1992年7月6日生まれ。186cm サントリー・サンバーズ所属。東京都・江戸川区で生まれ育ち、両親の影響でバレーボールを始める。安田学園中学、東洋高等学校時代は全国選抜で優勝。慶応義塾大学へ進学。2013年に全日本メンバーに登録され、2014年10月、Xリーグ・サントリーサンバ―ズに入団。2017年プロ転向。ドイツ、ポーランド、ドイツのリーグを経て、2020年、サントリー・サンバーズに3年ぶりに復帰。2018年より日本代表キャプテンをつとめる。
オンラインでのバレーボール講座や、対談等も積極的に行なっており、12月3日23時59分まで元バレーボール女子日本代表 竹下佳江さんと対談した「Yanagida Masahiro Academy ”Garden”」を有料配信している。
https://zaiko.io/event/332799
文●保坂明美(THE DIGEST編集部)