忙しい社会人でも競技シーンに参加できる「eスポーツ」。国内で人気のジャンルを一挙紹介

忙しい社会人でも競技シーンに参加できる「eスポーツ」。国内で人気のジャンルを一挙紹介

“相手の体力を0にすれば勝ち”という“わかりやすさ”は格闘ゲームの魅力だ。

様々なジャンルのビデオゲームが“eスポーツ”と呼ばれるようになった現在のゲーム業界。eスポーツという言葉自体はここ数年で頻繁に聞くようになったものであるため、多くの方は「eスポーツは10代〜20代の若者向けの趣味」と思っているかもしれない。しかし日本のeスポーツシーンで流行っているタイトルに目を向けてみると、1990年代から2000年代に流行ったゲームがベースになっているうえ、ひとりで始められるタイプのゲームも多い。本記事ではそんな自分のペースで楽しめ、社会人でも参加できるような競技シーンが整備されているゲームジャンル、タイトルを紹介していきたい。

【30年近い競技シーンが存在する対戦格闘ゲームの世界】
 日本国内で遊びやすい(競技シーンが整備されている)ジャンルとして真っ先に挙げられるのは、『ストリートファイターV』や『鉄拳7』を始め、様々なタイトルが現在進行形でアップデートされている対戦格闘ゲームだろう。自分自身と対戦相手、それぞれが使用したいキャラクターを選択し、1対1で戦うこの格闘ゲームというジャンルは、1991年にアーケードゲームとして製作された『ストリートファイターII』の大ヒットで当時の学生〜20代のゲームユーザーに“対人戦”という概念を浸透させ、発売元のゲームメーカー公認の全国大会の開催のみならず、プレイヤーたちによるコミュニティも形成されていった。
  そのためか、大会やイベントを実施するゲームメーカーや企業、そして参加するプレイヤーも競技シーンへの取り組み方にこなれている場合が多く、上で挙げた『ストリートファイター5』や『鉄拳7』はプロツアーという形式であっても事前にエントリーさえしておけば、実力関係なく参戦することが可能。ノンプロの参加者が上位に食い込むケースも少なくない。
  非ゲームメーカーの企業、団体が主催する大会も誰でも参加できるオープントーナメント形式であることが多く、上記2タイトルのトッププレイヤーが戦う“TOPANGA LEAGUE”なども、リーグ戦が始まる前にオンライン予選が実施され(勝ち抜くのは非常に困難だが)、こちらへのエントリーに関しては日本国内に在住していれば誰でも行える。

 また、よりカジュアルに参加できる大会、対戦会も多く、その代表格ともいえる『ストリートファイターV』の“TOPANGA CHARITYCUP”、上位入賞さえすれば誰でも5万円から200万円のギフト商品券がもらえる“YAMADA Cup eスポーツ大会”の『鉄拳7』部門などは、出場者が会場に集まるオフライン大会からオンライン形式の大会に切り替え、コロナ禍であっても年齢を問わず参加できる競技シーン作りの模索が始まっている。
  最後に格闘ゲームが参入しやすいゲームジャンルであるポイントをもうひとつ挙げるとすると、お試し的にプレイできる場所が日本国内であれば圧倒的に多いことにも触れておきたい。要は2020年の現在でもゲームセンターにいけば(一部のタイトルを除き)競技シーンが存在している格闘ゲームをプレイすることが可能なのである。まずはゲームそのものを触ってみて、自分に合いそうなタイトルを探してみるのがオススメだ。
 【デッキ構築と思考力で戦えるDTCG】
 人間の身体的要素(身長や筋量、反射神経、動体視力など)が勝敗に直結しづらいというeスポーツの長所を実感しつつ対戦を楽しみたいのであれば、DTCG(デジタルトレーディングカードゲーム)の世界に飛び込んでみるのもいいだろう。

 まず同じeスポーツという括りでまとめられる格闘ゲームやFPSとは異なり、反射神経や操作の精度が求められることがない点は敷居が低いといえる(そのぶんゲームルールやカードへの理解度、デッキ構築、局面に応じた最適手を選び続けるプレイングに関してはシビアだが)。

 また、多くのタイトルがスマートフォンアプリとして配信されているため、場所を問わずにプレイすることができるのも大きな魅力だ。安定して勝てるレベルにまで上達したい場合はアップデートによる新カードの追加や調整、環境の変化を自分からキャッチしにいく必要はあるが(プレイヤー数の増加や対戦環境が整備されたゆえに、オフライン対戦がメインだったTCG黎明期のようなオリジナルデッキで勝ちを重ねるのは難しい)、ひとりでコツコツと続けていくには、DTCGが最適なジャンルになり得る人は多いだろう。
  大会も国内メーカーが配信しているタイトルは定期的に行なわれている印象で、『シャドウバース』は誰でもオンライン予選に参戦できる賞金制大会、“RAGE”や複数のプロチームが前後期のシーズン制で戦うプロリーグ、『ドラゴンクエストライバルズ』であれば3〜4か月に1回のペースで公式全国大会、“勇者杯”が開かれており、腕試しやその時々の流行のデッキや環境をチェックする場として機能している。

 一方で海外発のタイトルをプレイしているユーザーも多く、『ハースストーン』は先日行なわれた世界大会で日本人選手のglory選手が優勝したことが記憶に新しい。また、PCでのプレイに限られるが、TCGの金字塔的存在、『マジック:ザ・ギャザリング』(MTG)も現在はデジタル版『マジック:ザ・ギャザリングアリーナ』が配信されている。MTGのプレイ経験があるなら、こちらに参戦してみるのもいいだろう。
 【フットボールへの造詣、知識が勝利につながるサッカーゲーム】
 対戦ゲームをeスポーツとして遊びたいと思った場合、サッカーゲームももちろんその選択肢に入ってくる。日常的にサッカー(やフットサル)に触れていると忘れがちだが、サッカーというスポーツのルールや専門誌で語られている戦術はなかなかに複雑で、そういった要素を忠実に再現しているサッカーゲームのセオリー……たとえばパスを回してマーカーを剥がす、相手のアンカー(ワンボランチ)の左右やサイドバックが攻め上がってできたスペースを突く、ウイングにシュートを打たせたいなら右サイドには左利き、左サイドには右利きの選手を配置するといったような知識を最初から備わっているというのは、大きなアドバンテージになる。

 現実のサッカーとリンクしたようなゲーム内(対戦)イベントが定期的に開かれるのも、サッカーゲームの競技シーンの特徴のひとつ。たとえば『ウイニングイレブン』シリーズの最新作『eFootball ウイニングイレブン 2021 SEASON UPDATE』では、実際のサッカーでビッククラブ同士の戦いやダービーマッチが行なわれる周辺ではゲーム内で“matchday”と呼ばれるイベントが開催され、期間中に対戦すればmyClubモードでチーム強化に使える、eFootballポイントがより多く得られるといったサービスが今年12月から始まってもいる。

 現在はmyClubモードを基本料金無料でプレイできる『eFootball ウイニングイレブン2021 LITE』の配信もPS4で始まっているので、この機会に『ウイニングイレブン』シリーズの対人戦デビューを飾ってみてはいかがだろうか。
  そして最近はゲーム内で対人戦を推奨する工夫やゲームメーカーからの働きかけだけではなく、企業そのものにe-スポーツにまつわるサービスを提供する動きも現れ始めている。その一例として話題を集めているのが、社会人を対象にしたアマチュアeスポーツリーグ“AFTER 6 LEAGUE”。この大会では今回の記事で取り上げた『シャドウバース』やeFootball ウイニングイレブン 2021 SEASON UPDATE』を始めとした5部門に60社の企業で働くプレイヤーが参戦。半年にわたるリーグ戦を行なっている。

 他にも株式会社エイプリルナイツが手がけている社会人ゲーマー向けコミュニケーションプラットフォーム『cogme(コグミー)』、企業の部活動としてeスポーツを推進する“企業eスポーツ部創設支援サービス”など、会社そのものにeスポーツにまつわるサービスも提供され始めている。職場の周りにいる仲間も巻き込んでeスポーツを楽しみたいと思っている人は、こういったサービスを利用してみるのもアリだ。

構成●THE DIGEST編集部

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