MVP候補の本命?自己最高のパフォーマンスを続けるニコラ・ヨキッチに止まぬ賛辞

MVP候補の本命?自己最高のパフォーマンスを続けるニコラ・ヨキッチに止まぬ賛辞

ここまで平均トリプルダブルを記録しているヨキッチ。チームの成績次第ではMVPの可能性も高まる。(C)Getty Images

1月20日(日本時間21日、日付は以下同)時点で、デンバー・ナゲッツは7勝7敗でウエスタン・カンファレンス9位タイ。勝率5割ながら、トップのロサンゼルス・レイカーズ(11勝4敗)とは3.5ゲーム差で、ここから挽回することも十分可能な位置にいる。

 ナゲッツは開幕5戦で4敗を喫したものの、ここ6試合で4勝と調子を上げており、勝利した試合ではいずれも10点差以上をつけている。

 そのナゲッツを牽引するのはもちろん、オールスターセンターのニコラ・ヨキッチだ。セルビア出身の万能型ビッグマンは、ここまでフル出場で平均25.1点、11.4リバウンド、10.0アシストの“平均トリプルダブル”に1.9スティールと、いずれもキャリアハイの好成績を記録。フィールドゴール成功率57.3%、3ポイント成功率35.4%、フリースロー成功率85.2%とショット全般でも文句なしの数字を残している。
  20日に『AP』へ掲載された記事の中で、自身はMVP候補かと聞かれたヨキッチは「NBAでベストプレーヤー? トップスコアラーかって? それは僕には分からないな」と謙遜していたが、マイケル・マローンHC(ヘッドコーチ)は「彼にはもっと得点できると言った。素晴らしい選手であり、今の彼はMVPレベルでプレーしている」と最大級の賛辞を送っていた。

 今季開幕前に公開された、各チームのゼネラルマネージャー(GM)たちによる投票で、リーグベストのセンターに選ばれたヨキッチは、ベストパサー部門でもレブロン・ジェームズ(レイカーズ/46%)に次ぐ2位の得票率25%を集めており、得点・リバウンド・アシストと3拍子揃ったセンターとしての地位を確立している。

 ゴールデンステイト・ウォリアーズのスティーブ・カーHCが「リーグベストセンターのひとり」と話せば、フェニックス・サンズのモンティ・ウィリアムズHCも「ユニークな選手であり、彼のゲームには本当に弱点がない」と評している。

 公称211cm・129kgのビッグマンは、ポストプレーからドライブ、ジャンパー、3ポイントまでこなしつつ、持ち前の視野と判断力、類まれなパスセンスを生かしてオフェンスの起点となっており、今季は実際にMVP候補に挙がってもおかしくない。
  来月19日に26歳を迎えるヨキッチについて、チームメイトたちも賛辞を惜しまない。シックスマンのモンテ・モリスは「彼はNBAでプレーする誰よりも、多くのことを生み出している。僕は毎晩、驚かされっぱなしだよ」と話せば、35歳のベテラン、ポール・ミルサップはこう話す。

「彼のプレーは信じられないね。あんなプレーをしている男を見るのは最高さ。それに若手たちは彼がジムで毎日汗を流しているのを見ている。トレーニングとシューティングをこなしているんだ。どんなに調子が良くても、彼は毎日練習しているんだ」

 昨年12月にはマイケル・ポーターJr.が「ニコラのことを本当にリスペクトしている。いいプレーができたかどうかは関係なく、彼はゲーム後にはいつもウェイトルームにいる。アリーナを離れる前に回復させて、睡眠をとれるようにして次の日に備えているんだ」と、チームメイトたちからリスペクトされていることを口にしていた。
  決して口数が多いわけではないものの、ヨキッチはナゲッツのリーダー格として普段の行動でチームメイトたちへ模範を示している。それは「彼らが僕のことを信頼していることは知っている。彼らがついてきてくれているんだ。そう思われていることは嬉しいよ」というヨキッチの言葉からも見てとれる。

 ヨキッチと昨季プレーオフで覚醒したジャマール・マレーを中心に、チームケミストリーを最大の武器とするナゲッツが、ここから巻き返して順位を上げていく可能性は十二分にあるだろう。

 その中心には涼しげな表情で超絶プレーを連発し、チームを牽引する“ジョーカー”の姿があるに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

関連記事(外部サイト)