鎌田大地が日本代表のエースになるまで。「W杯のために今季があるわけではない」

 カタールW杯メンバー発表前の最後の2試合となったアメリカ戦とエクアドル戦。気がつけば攻撃の中心にいるのは鎌田大地だった。

 アジア最終予選は最初の3試合しか出場しておらず、存在感を発揮しだしたのは今年の6月ラウンドからだった。所属クラブのフランクフルトで結果を出し、コンディションのいい状態で代表に合流し、その流れのままに結果を出す。理想的な形で選考前の最後の半年を送ったことになる。

 日本代表はアメリカ戦でシステムを4-2-3-1に戻し、鎌田はトップ下でプレーした。森保ジャパンにとっては、調子の上がらなかった最終予選の最初の3試合で使っていたシステムだ。鎌田は初戦のオマーン戦と第3戦サウジアラビア戦に先発したが、どちらも敗れている。日本は第4戦のオーストラリア戦以降、破竹の6連勝をとげ、無事に予選を突破したが、鎌田に出番はなく、負傷の期間もあって6月に至った。

 そのアメリカ戦で、伊東純也が運び守田英正がつないだボールを、鎌田は右足でゴールネットに突き刺した。

 続くエクアドル戦では67分から出場。ピッチの悪さと相手の激しいプレスをふまえて、途中出場でもリズムに乗れるように、「自分に優位性のあるポジショニングを」と考えてピッチに入ったという。結果的に、日本は鎌田が入った時間からようやく得点機が生み出せるようになった。


アメリカ戦、エクアドル戦で存在感を見せつけた鎌田大地

 三笘薫のようなドリブルや浅野拓磨のようなスピードという特長があるわけではない。特にフィジカルで優れているということもない。そんな鎌田だが、途中から入っても流れを変えられることができると印象づけた。このチームにとっての必要性を再認識させたという意味では、アメリカ戦で活躍したことよりも大きかったかもしれない。

 1年前と何が違うのか。昨年9月は、フランクフルトで移籍話が持ち上がったものの、成立しなかった時期と重なった。このことが精神的に響き、代表でのプレーにも影響したことは、鎌田本人が当時から認めている。一方で今夏は、「昨年のことがあるから気にしないようにしていた」と、移籍市場を振り返る。ポーカーフェイスでクール、何事にも淡々としているように見える鎌田だが、実は繊細だ。

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