家長昭博にとって中村憲剛は「永遠に勝てないライバルだった」

チームメイトが語る中村憲剛
(3)家長昭博

中村憲剛が引退を発表し、現役最後の瞬間が迫ってきた。スポルティーバでは、川崎フロンターレのチームメイトたちにインタビュー。常に先頭に立ってチームを引っ張ってきた中村との思い出や、彼に対する思いを語ってもらった。

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 話を聞けば聞くほど、家長昭博が抱いている心境は理解できた。

「(中村)憲剛さんが現役引退を決めてから、ちょっとこう、心にぽっかりと穴があいている感じがあります」


中村憲剛のことを「ライバルだと思ってプレーしてきた」という家長昭博

 川崎フロンターレがJ1連覇を達成した2018年12月だった。JリーグアウォーズでMVP(最優秀選手賞)に選ばれた家長のもとには、数多くの祝福メールが届いた。そのなかには、その場で一緒にMVPの受賞を祝ってくれた中村からのメッセージもあった。

 後日、家長は中村に感謝を伝えるとともに、自分の思いを添えて返信した。

「たぶん、気づいていると思いますけど、自分は憲剛さんのことをライバルだと思っていますから」

 17年に川崎への加入を決意した時から「憲剛さんが中心のチーム」ということはわかっていた。それほど強く意識していたわけではなかったが、同じピッチに立つと、想像以上に中村の存在感は際立っていた。

「ピッチの上でもそうですけど、それ以外のところでも絶大な影響力があるというのは、フロンターレに来てからのほうが、より強く感じました」

 3度目のJ1優勝を決めたガンバ大阪戦でハットトリックを決めたように、今や攻撃の大黒柱となった家長だが、加入した17年の序盤は、特長を出せずにもがいていた。そんな家長を誰よりも理解し、生かそうと考えていたのが中村だった。

 かつて中村は家長について、こう話してくれたことがある。

「アキは当初、うちのチームに馴染もうとしてくれていたと思うんですよね。だから、僕自身も最初は、このサッカーに家長昭博という才能をはめ込もうと躍起になっていたところがあったんです。でも、違った。自分も含め、周りがアキに合わせることで最適解は見つかった。それによってアキも、フロンターレも、新たな次元へと昇華していったんだと思います」

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