W杯出場の三笘薫や伊東純也らを排出した大学サッカー! その裏側は過酷なことも…?
2023年05月16日 17時00分WANI BOOKS NewsCrunch

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■国内外でさまざまなニュースが飛び交う!
サッカー界にはあらゆるカテゴリーがあり、海外、Jリーグ、学生年代と全てが週単位で動き続けており、その全てを自分の目で見て把握することは不可能です。
だからこそニュースを見たり、注目の試合に絞るわけです。
この数日だけでも、海外では去年まで追いかけ続けていたナポリが(過去このコラムでも書きましたが、僕はハムシクが、サッリ監督が、クリバリが、インシーニェが大好きだったんです)、僕が追いかけるのをやめてからめちゃくちゃ強くなって、英雄・マラドーナが在籍していた1989~1990シーズン以来のセリエA優勝を果たしました。
2位以下を引き離すダントツの成績で優勝したのですが、僕が掌を返して再度応援し始めた瞬間から大きく失速……。優勝を決めた試合も引き分けだったので、あまり強いナポリは観られていません。
一方その頃、Jリーグでは鹿島アントラーズの鈴木優磨選手が、相手選手と小競り合いになったときに
「カモンメーン!」
という煽り方をしてコンサドーレ札幌の小柏剛選手を困らせたという、茨城ご当地面白ニュースが。ちなみに、小柏選手がなんて返していいかわからなすぎて無視したところ、鈴木選手は
「……カモンメーン!」
と、もう一回言ったそうです。
僕はその試合をハイライトで見ましたが、驚くべきことに鈴木優磨選手はその試合中、ニューエラのキャップを被ってなかったし、オーバーサイズのパーカーも着ていませんでした。
■大学サッカー界で起こった異例のニュース
そして学生サッカーでいうと、大学サッカーで初めて見るニュースがありました。
明治大学サッカー部、審判資格取得者が足りず、勝ち点全剥奪。
“王者”明治大に異例の重大処分!! 審判登録不足で今季の勝ち点6無効、最下位転落 | ゲキサカ( https://web.gekisaka.jp/news/university/detail/?383864-383864-fl )
近年、大卒の選手たちがJリーグで即戦力となっていることや、カタールW杯で大卒の三笘薫選手(筑波大学)や伊東純也選手(神奈川大学)が活躍したこともあり、大学サッカーに関心が集まっています。
でも、まだまだ裏側などわかってない方も多いと思うので、今日は僕のほうから審判事情やそのほかにやっていることなどを少しご紹介します。
僕も端くれとはいえ、大学時代(埼玉・獨協大学)は体育会サッカー部に所属していたのですが、大学サッカーは運営に大人だけではなく、多くの学生が携わっています。
各学校の部員たちで話し合って、運営に必要な仕事を分担するのですが、僕は学連(関東大学サッカーリーグ1部、2部に所属する大学の学生2名以上と学生の運営スタッフからなる組織)で主に大会運営の仕事をしていました。
嘘みたいな話ですが
「県リーグのパンフレットを作るのに広告を出してくれるスポンサーを各大学で二社、見つけてくるように」
という、バイト経験すらない18歳にはかなり無理のある要求をされ、わからないなりにサッカーショップB&Dにお願いに行ったこともあります。(同じように悩んでいる学生さんがいたらご連絡ください。カカロニ、もしくはこのコラムで検討します)
そんな感じなので、スーツを着て仕事をしていても、まだまだ子ども。どこかしらで不備が出てしまう可能性があります。
大学3年時の総理大臣杯予選(だったと思う)は、6年ぶりに待望の公式戦出場を果たしたにも関わらず、試合後、対戦相手に1年生部員の選手登録の不備が発覚してしまい、不戦勝になりました。
なので、僕のメモリアルな試合出場は、公式記録上は『不戦』となっています。もちろん不戦なので出場記録も抹消。公式記録から消された男……。
僕の出場はみんなの心の中にだけ残っています。
■審判は両チームの選手から怒られるツラい立場・・・
さて、明治大学の問題ですが、仮に部内のルールがうちの大学と一緒だとすれば、1年生部員のうち大会規定に該当する人数以上が審判講習を受けに行くことになります。
審判は基本的にジャッジが正しくても正しくなくても選手から怒られるので、やりたがる部員はあんまりいません。
味方がオフサイド取られたときに、最後尾から「ないでしょー!」とか言ってくるCB。そこから何がわかんねん! と言いたくなりますが、グッと耐えられる能力が求められます。
余談ですが、僕は空前絶後の補欠だったので、審判をやり込みすぎてサッカー能力値グラフの『審判』の項目が飛び抜けてしまったために、埼玉県選抜vs北関東選抜の試合の主審を担当するまでになりました。
そんな僕も、一回だけあまりにも怒られすぎてメンタルがおかしくなり
『笛を吹いたのに、吹いていないことにする』
というサッカー史に残る大誤審をしたことがあります。(みんなはやっちゃダメだよ)
話を戻します。僕たちのところはジャンケンで負けて審判担当になった部員が、基本的には審判資格を取りに行くことが多かったです。でも、その部員がチームで成り上がって公式戦に出場したり、怪我をしてしまい審判をできなくなる場合があります。
そんなイレギュラーなことも起きるので、少し余裕を持って多めの部員に資格を取らせるのですが、主審も担当できる3級審判資格は、4級審判資格を取ってからじゃないと取れなかったのです。(当時は、です。また、各都道府県協会によって条件も異なるそう)
ということで、僕たちの場合は前年に4級審判資格を取った新2年生が、3級資格を取りに行きます。審判講習会がどのペースで行われているのかは知りませんが、大学側で資格をとりにいかせるのは年に1回だったので、もしかしたら年1~2回くらいしかないのかもしれません。
なので、審判資格を取っていた部員が途中退部などしてしまうと、とてもややこしいことになります。
明治大学はそういったトラブルがあったりとか、学連とのあいだで伝達ミスがあったのかもしれません。あくまで推測ですが。この状況をカバーするには、いち早く部員に資格を取らせる必要があるのですが、もうひとつ手があると思うのです。
明治大学の学生で審判資格を持っている子を探すのです。審判がいなければ帰宅部から採ればいいじゃない。マリー・アントワネットもびっくりの逆転の発想ですね。
選手登録の追加は、わりとすぐできたはずだから、講習会を待つより、その子を部員として追加登録するほうが早いと思うんですよね。
あれだけ大きい大学なら社会人サッカーをやったり、子どもたちのコーチをやったりしながら資格を取っている子とか絶対いるはず。
埼玉県リーグのパンフレットに広告を出してくれる企業を探すよりは絶対見つかるはず!!
明治大学サッカー部は名門中の名門です。普通のサッカー経験者では入部することすら到底無理。レギュラー全員プロになるようなチームです。そんなチームの紫紺のウェアに身を纏えることは、サッカー好きにとっては光栄このうえないことです。
もちろん、拘束時間は審判をやる日だけ。
将来の代表選手(になるであろう人たち)にも感謝されて、友達になれる。
必然的にサッカー部に登録されるわけだから、体育会の仲間入り。就活にも有利かも……?
僕だったら絶対やりますね。
ただひとつ。大学リーグは選手にとって晴れ舞台であると同時に、プロサッカーチームや実業団に入るための就活の場でもあります。だから、試合を裁く審判は責任を伴います。あと、基本どっちに笛を吹いても怒られます。
特に高体連出身のセンターバックは、めっちゃユニフォームを掴んでるのに
「これは掴んでるに入らないよ!!」
とかめちゃくちゃなこと言ってきがちです。
自分の判断に迷わず、決して笛を吹いたけど吹いてないことにはしないように!!
責任を伴ったり、両チームの選手たちから怒られたりと大変なことは多いですが、サッカーを好きであれば、やりがいのある特別な仕事だと思います。
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