江本孟紀×谷繁元信「ノーサイン対談」(3)現場介入傾向が強まる楽天

江本孟紀×谷繁元信「ノーサイン対談」(3)現場介入傾向が強まる楽天

江本孟紀×谷繁元信「ノーサイン対談」(3)現場介入傾向が強まる楽天

江本 セ・リーグ以上に予想が難しいのがパ・リーグですよ。

谷繁 昨季は持ち前の超重量打線が本領を発揮した西武が優勝しました。広島同様にチーム防御率は4点台の4.24。これはリーグワーストの防御率です。そのチームが優勝するのは異例中の異例のことです。しかも西武は16年、17年、2年連続で28セーブを挙げた増田がシーズン序盤から打ち込まれ、最後までクローザーを固定することができなかった。

江本 いつ首位から転落するかと見ていたけど、なんとか打線が機能してリーグ優勝は成し遂げた。ところが、短期決戦のCSでは2位のソフトバンクに力負けした。やはり最後は投手力ということですよ。

谷繁 西武はオフに昨季127打点を挙げて打点王に輝いた浅村がFAで楽天に移籍。また、エースの菊池もメジャー移籍が濃厚です。チーム投手成績が昨季同様なら、V2はきわめて厳しいでしょう。

江本 一方でソフトバンクは、長年主軸を打ってきた内川、松田に衰えは見えるものの、中村や上林といった若い選手が台頭している。投打の総合力では頭一つ抜けていると思います。

谷繁 ソフトバンクの課題としてはセカンドが固定できていないところくらい。とはいえ、捕手に甲斐がいて、遊撃手には今宮、そして中堅には柳田がいる。よく野球は投手を含むセンターラインが重要と言われるのですが、昨年の日本シリーズで広島がソフトバンクに競り負けたのは、その差にあると思います。

江本 昨季の開幕前に、私は楽天が優勝すると予想していたけど、梨田監督はシーズン途中でチームの成績不振を理由に辞任するなど、最下位に終わりました。

谷繁 昨オフに楽天は石井一久がGMに就任。昨季途中から指揮を執った平石が正式に監督となり、またコーチ陣も様変わりしましたね。実は僕も昨季、楽天を2位に予想していたのですが、今季はどうなるか‥‥。新戦力の浅村は5月までが寒すぎる仙台で風邪さえひかなければ、やるでしょう。

江本 楽天は、以前より「2番に最強打者を置く」など、メジャーで普及しているデータ分析の手法を取り入れて、チーム編成や選手起用を行い、しばしばオーナーや球団社長の現場介入が指摘されている。今回の現場首脳陣の刷新により、その傾向はより強まると思いますね。この際、結果が出るまで介入を続ければいいんじゃないの(笑)。

■江本孟紀(えもと・たけのり):1947年、高知県生まれ。高知商、法政大、熊谷組を経て、プロ入り。東映フライヤーズ、南海ホークス、阪神タイガースで活躍。プロ11年間で通算113勝を挙げ、開幕投手を6回務めた。現在は「サンケイスポーツ」のほか、ニッポン放送などでプロ野球解説を行う。400万部の大ベストセラー「プロ野球を10倍楽しく見る方法」(KKベストセラーズ)など著書多数。昨年9月に「変革の檄文 プロ野球を100倍楽しくする方法」(小社刊)を上梓。

■谷繁元信(たにしげ・もとのぶ):1970年、広島県生まれ。江の川高を経て、ドラフト1位指名で大洋に入団。02年にFAで中日に移籍。14〜15年に選手兼監督、16年に専任監督を務めた。NPB史上最多の3021試合に出場し、2108安打、打率.240、229本塁打、1040打点。捕手としてゴールデングラブ賞を6回受賞。5度のリーグ優勝(2度の日本一)を経験。現在は「日刊スポーツ」野球評論家ほか、ニッポン放送などで野球解説を行う。

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