楽天勢が豊作、18年ぶりの野手新人王なるか? プロ野球ルーキー査定<パ・リーグ編>

楽天勢が豊作、18年ぶりの野手新人王なるか? プロ野球ルーキー査定<パ・リーグ編>

楽天の茂木栄五郎。新人王は誰に? (c)朝日新聞社

 プロ野球のパ・リーグは、5日にレギュラーシーズンの全日程を終了する。主な新人の成績を振り返る。

 新人王候補に挙げられるのは、楽天ドラフト3位の茂木栄五郎内野手だ。早大時代は主に三塁、時に二塁を守ったが、プロでは開幕から遊撃手として出場。2日現在で18失策はリーグ最多だが、打率.281、7本塁打、40打点と持ち味の打力で定位置を確保した。走力もあり、11盗塁に加え、ランニング本塁打も2本打っている。シーズン2本のランニング弾は92年川相昌弘(巨人)以来24年ぶりで、新人では2リーグ制後初の珍記録だ。

 パ・リーグで野手が新人王を獲得すれば98年小関竜也外野手(西武)以来で、守備の負担が大きい遊撃手では97年小坂誠(ロッテ)以来となる。新人王は10勝を挙げた日本ハムの高梨裕稔(3年目)との一騎打ちの様相だが、はたしてどうなるか。

 打者ではオリックスのドラフト1位、吉田正尚外野手も存在感を示した。故障で出場63試合にとどまったが、打率.290、10本塁打。大学ジャパンで4番を打った長打力を見せつけた。パ・リーグで新人の2桁本塁打は03年後藤武敏(西武=11本)以来13年ぶり、オリックスでは阪急時代の85年熊野輝光(14本)以来31年ぶりの快挙だ。シーズン終盤は3番を打っていたが、最終戦ではついに4番に昇格。173センチと小柄なだけに、高速スイングに1年間耐えられる体ができれば、来年以降も中軸を打てそうだ。

 他に野手では、8月14〜18日に3度勝利打点を挙げた呉念庭内野手(西武)や、正捕手の嶋が故障したことで定位置をつかみ、61試合に先発出場した足立祐一捕手(楽天)も、ドラフト下位指名(呉は7位、足立は6位)ながら力を見せた。

 投手では加藤貴之(日本ハム)、多和田真三郎(西武)、関谷亮太(ロッテ)が、即戦力としての役目を果たした。加藤は7月下旬から先発ローテーション入りし、4連勝を含む7勝3敗。投手としての大谷が抜けた穴を高梨、増井とともに埋めた。大逆転優勝には欠かせなかった存在だ。多和田は終盤に5連勝するなど、7勝5敗。好不調の波が激しく、先発して5回未満の降板が6度あるが、15奪三振で1失点完投という試合もあった。いかに好調な期間を長く維持できるかが来季以降の鍵になるが、エース級になれる素材だということは証明した。関谷は16試合に先発し、5勝6敗、防御率5.52。先発数はチームで5番目に多く、5月に大嶺祐が不調で抜けたローテーションの穴を埋めた。ここまでが及第点組だ。

 チームの期待度の高さから鑑み、残念な結果に終わったのは、オリックスのドラフト2位、近藤大亮投手だ。開幕第2戦に先発したが、3回1失点(自責点0)で降板。右肩腱板(けんばん)炎と診断されると、その後は登板がなかった。早々に1軍から消えた近藤とは逆に、日本ハムのドラフト1位、上原健太投手は、制球が定まるまでに時間がかかり、チームの最終戦に1試合登板しただけに終わった。両者は社会人、大学出身でドラフト上位だけに、即戦力として活躍が求められていた。

 高卒ルーキーは伸びしろが大切だが、昨年の甲子園で活躍したオコエ瑠偉外野手(楽天)、平沢大河内野手(ロッテ)は1年目から1軍出場を果たした。オコエは本塁打に4盗塁、平沢は6試合連続安打をマーク。打率は両者ともに1割台だったが、将来像が予想できるような好スタートを切った。(文=日刊スポーツ・斎藤直樹)

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