小久保ジャパンに「3つの不安」 WBCまでに最強チームは完成するのか?

小久保ジャパンに「3つの不安」 WBCまでに最強チームは完成するのか?

野球日本代表「侍ジャパン」を率いる小久保監督(写真:Getty Images)

 来年3月に開催される第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の前哨戦となる、今年11月の強化試合(10日、11日・メキシコ代表、12日、13日・オランダ代表)の日本代表メンバー28人が10月18日に発表された。投打に今をときめく日本球界のスターたちが名を連ねたが、楽しみであると同時にメンバーリストを注視すると、やはり拭い去れない不安が浮上することも確かである。

 まず、守護神問題。昨年のプレミア12でも敗退の要因の一つになった小久保ジャパンのアキレス腱であるが、あれから1年が経過した今も解決策を見つけられず。今季は各球団の日本人守護神たちが軒並み不振に陥る時期があり、より混沌としたと言える。今回の強化試合のメンバーには、山崎康晃(DeNA)、秋吉亮(ヤクルト)、中崎翔太(広島)、増井浩俊(日本ハム)ら抑え経験者たちが選ばれたが、山崎はプロ2年目、秋吉はプロ3年目とまだ経験が浅く、増井は今季途中から先発に転向。中崎は広島の守護神として優勝に貢献したが、国際舞台のプレッシャーの中でその力が発揮できるかどうかは未知数だ。

 一方、今回選出されなかったメンバーには、澤村拓一(巨人)、田島慎二(中日)、松井裕樹(楽天)、平野佳寿(オリックス)、西野勇士(ロッテ)、増田達至(西武)らが揃う。指揮官は守護神について、「抑えは今の時点で一人とは決めていない」と試合毎の日替わりクローザーを構想しているが、それがWBC本番でも機能するのかどうかは甚だ疑問だ。

 続いて投手陣全体の問題としては、左腕が極端に不足しているということだ。今回の投手14人中、左腕は田口麗斗(巨人)と石田健大(DeNA)の若手コンビと、宮西尚生(日本ハム)の3人のみ。仮にこのメンバーでWBCに臨むとなると、田口、石田はいわゆる“第2先発”のロングリリーフ要員になるだろう。相手からすると絶対に右投手が先発してくると分かっていれば戦いやすいはず。そして1点を争う緊迫した場面を迎えた際、左の中継ぎ専門職が宮西一人では心許ない。投手起用の柔軟性を考えると、左投手はせめてあと1、2枚は欲しい。

 そして正捕手を誰にするのかも大きな問題だ。球界全体で捕手不足が叫ばれる中、今回のメンバーには嶋基宏(楽天)、小林誠司(巨人)に加え、新たに大野奨太(日本ハム)が選出された。小久保裕紀監督は会見で「今回はキャッチャーに大野が初選出で入っている。キャッチャーとしてのレギュラーが今の侍ジャパンでは決まっていないので、キャッチャーの強化もポイントだと思っている」と話したが、WBCまで残り半年を切ったこの段階で大野を初招集するならば、これまでにあった幾多の機会で、今回メンバー外となった炭谷銀仁朗(西武)、會澤翼(広島)、中村悠平(ヤクルト)ではなく、大野を一度でも選んでおくべきだっただろう。正捕手はチームの司令塔。扇の要が揺らいでいては、トーナメントを勝ち上がるのは難しくなる。

 昨年のプレミア12での準決勝・韓国戦での逆転負けの悔しさを「忘れる日はない」と語る小久保監督。世界一奪回へ向けて「最強チームを作る」と意気込んではいるが、理想とするチームは完成するのか。もし足りない部分があるならば、そこは監督の采配でカバーすべきだろうが、果たしてその手腕を発揮することができるのか。

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