「何か残したい」ホークス松田が語る「熱男」と「ケンケン打法」のこだわり

「何か残したい」ホークス松田が語る「熱男」と「ケンケン打法」のこだわり

笑顔でインタビューに応じるソフトバンク・松田宣浩【写真:中村彰洋】

チームスローガンは「もう1頂!」も…ムードメーカーは「熱男」継続を「即決」

 2年連続の日本一を目指すソフトバンクのムードメーカー、松田宣浩内野手の“トレードマーク”といえば何か。グラウンド内外で抜群の存在感を放つ選手だけに、いろいろな意見があるかもしれない。ただ、代表的なものを2つ挙げろと言われれば、「熱男パフォーマンス」と「ケンケン打法」に人気が集中するのではないだろうか。本人のこだわりも、相当なものだ。

 2015年のチームスローガンを完全に自らのものにしてしまった「熱男」。ホームランを放った後、ベンチ前で「熱男〜!」と絶叫するパフォーマンスは今や“全国区”だ。昨年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、ファンも一体となった絶叫が東京ドームにも響き渡った。今季のチームスローガンは「もう1頂!」というソフトバンクらしい斬新な一言に決まったが、松田は「熱男!」を継続すると明かした。

 今から2年前。2016年シーズンが開幕する前に、松田は早々に「熱男」を「個人スローガン」にすると宣言していた。同年のチームスローガンは「熱男2016」で“継続”となったが、「これは僕の中では個人スローガンでもいいなと思っています」と明言。そして、その言葉通りこの2シーズンで自身の「代名詞」として、すっかり定着させてしまった。

 昨季はシーズン1号弾を放った後でチームスローガンに合わせて「ワンダホー!」と絶叫。だが、しっくりこなかったという松田はその後、すぐに「熱男〜!」に戻した。さらに、日本一を達成した後、11月のファンフェスティバルでは締めの大役として、ファンと一緒にチームスローガン「ワンダホー!」の絶叫を任されたが、ここでもまさかの「熱男〜!」。松田は「全然ありっしょ。僕らしい」と笑顔で振り返る。

 それだけのこだわりを持つ「個人スローガン」。今季もチームスローガンが発表されるまでは、ホームラン後のパフォーマンスを継続するか考えると明かしていたが、「そう、とりあえず見たので、それで即決」と、またしても笑う。

「(「熱男」継続で)大丈夫です。微妙でしょ『もう1頂』って。『もう1頂』を見た瞬間に即決。イメージできなかったんで(笑)。楽しく行きたいですよ、2018年も。王者として、どっぷり腰を下ろして野球をやるんじゃなくて、スローガン通り『もう1頂』王者を目指していくというためのスローガンだと思うので。チャレンジャーとしての気持ちでやりたいと思いますけどね」

 チームスローガンを尊重しつつ、熱い気持ちを忘れないつもりだ。

「調子のバロメーター」となっている「ケンケン打法」へのこだわり

 そして、もう1つのこだわりである「ケンケン打法」はまさに“松田オリジナル“。空振りした後、ファウルを打った後に右足でケンケンとステップを踏む姿は、これまでの野球界で全く見られることのなかったもの。ただ、松田自身は常々、これが「調子のバロメーター」だと話している。

「(始めたのは)2011年くらい、レギュラーで出始めてからじゃないですか。調子がいいと気づいたのがそのくらいだと思います。下(半身)と上(半身)のバランス。下半身で打ってる証拠だと思います。使えなくて三振する時って、調子が悪い時。上でかぶって打ってるだけなので」

 つまり、空振り三振後に「ケンケン」が出ず、元気なくダグアウトに戻っていく時は、松田の調子が良くない時なのだ。

「そうだと思います。凡打でもそう感じます。ペタンと打っちゃうんです。下が使えず上だけなので。下から引っ張って上で打ってると、ケンケンしながら三振もするんで。そういった意味ではバランスがいいと思います」

 2015年オフには海外FA権を行使し、メジャー移籍の可能性も浮上していた松田。その直前の日米野球では、初めて見る松田の「ケンケン」にメジャーの選手たちは爆笑していたが、実際に米国に戦いの場を移した時、好意的に受け止められなかった可能性はある。ただ、松田本人は「(もしメジャー移籍が実現しても)続けるつもりだった」と話す。そこまでこだわる理由は何なのか。

「『熱男』もそうだし、『ケンケン』もそうだし、何か残したいでしょ、こういう選手は。成績であまり残らないなら、印象で残すしかない。印象で残してきましょう!」

 すでに通算212本塁打は球団歴代5位に入るなど、成績でも名を残す選手ではあるが、本人はこう話す。そして、その“成果”はすでに十分に表れ始めている。

「この前グアムで、攝津さんとか森とかが練習していて、そこに韓国のチームの選手が何人か来ていたんです。韓国の2年連続ホームランキングを取った選手(チェ・ジョン)がいたんですよね。その人に(指さされて)『マツダ』って(言われて)。『そう』って。そこは嬉しかったですね」

 日本国外にまで「熱男」が広がるなど、確かな「インパクト」を残してきた選手であることは間違いない。もちろん、今季ゴールデングラブ賞に輝けば、三塁手として歴代単独1位となるなど、攻守両面で球史に名を残すような成績も刻んできた。なにより、最強ソフトバンクの黄金時代を牽引した主力選手として、その存在感は抜群だ。その中でも、やはり松田の「熱男」と「ケンケン打法」は、今のプロ野球に欠かせない“要素“と言えるだろう。(Full-Count編集部)

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