【高校野球】昨年は早実、今年は大阪桐蔭…「野球王国」復活へ、香川招待試合の意義

【高校野球】昨年は早実、今年は大阪桐蔭…「野球王国」復活へ、香川招待試合の意義

招待試合を行った大阪桐蔭と選抜出場校の英明【写真:沢井史】

07年の佐賀北の日本一に刺激「香川県のチームも全国優勝できる」

 香川県招待試合は17日に最終戦が行われ、大阪桐蔭と選抜出場校の英明が4-4で引き分けた。英明が意地を見せて県勢4連敗を阻止。それでも、1試合目の高松商戦で昨秋の近畿大会の決勝・智弁和歌山戦以来の完封を果たした大阪桐蔭のエース柿木蓮は「ピンチになってギアを上げながら投げました。そこで抑えられたことは夏に向けてプラスになります」と笑顔。大阪桐蔭にとっても、収穫の多い4試合となったようだ。

 今年で9年目となる香川県招待試合は、1年目の2010年に春夏連覇を果たした興南(沖縄)を招くなど、これまで全国各地の強豪を招き、春の県大会上位4校との試合を行っている。昨年は清宮幸太郎(現日本ハム)がいた早稲田実を招き、多くの観客がスタンドに詰め掛けた。今回も選抜2連覇を果たした大阪桐蔭を一目見ようと多くの観客が訪れ、ナインがバスに乗り込む際は出待ちする人垣ができた。

 野球王国・香川の復活という位置づけで始まった招待試合。約10年前に県内の指導者や関係者を交えて講習会などを重ねていったが、07年に佐賀北が夏の甲子園で優勝したことで「香川県のチームも(全国優勝は)できる」と活性化に向けた意識が一層強くなり、実現に至った。

 14年には選抜で初優勝した龍谷大平安(京都)を招待し、全国優勝のレベルを肌で感じたことが刺激になったという。昨年は早稲田実を完封した三本松のエース・佐藤圭悟が自信をつけ、夏の甲子園に出場して2勝しベスト8入りするなど、招待試合の経験は夏に大いに生かされている。

野球人口減少の歯止めへ、今年からキャッチボールイベントもスタート

 香川県の小野裕作理事長は「特に今年のような大阪桐蔭の戦う姿勢や取り組みなどを実際に見て参考になったことも多いはず。こういうチームの雰囲気を肌で感じ、夏以降に生かしてもらえれば」と話していた。

 さらに今年から始まったのが地元の小学生と高校生とのキャッチボールイベントだ。夏の100回大会を前に日本高野連が打ちだした「高校野球200年構想」のひとつとして、少子化に加え野球人口減少に歯止めをかけるべく、子供に白球に触れて野球の楽しさを味わってもらうイベントだ。

 今春の選抜開幕前に全国の高校の指導者と野球少年、少女を交えて同様のイベント「キッズフェスタ」が行われたが、その模様を香川県の小野理事長が視察。その様子や運営などを参考にし、今回は大阪桐蔭と春の県大会優勝校の大手前高松の選手たちがキャッチボールやストラックアウトなどでボールに触れる楽しさを味わってもらった。

 子供たちは滅多にお目にかかることができない大阪桐蔭の選手を前に目を輝かせながらキャッチボールを楽しんでいた。大阪桐蔭のある選手は「小さい子たちと一緒にボールを追いかけて、すごく楽しかった」と童心に帰って野球を楽しんだ様子。グラウンドに入れる一般客に対するセキュリティ面の強化など今後定めるべき課題も見つかったが、こういった試みは全国に広まっていきそうだ。(沢井史 / Fumi Sawai)

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