低調だった打線が爆発…楽天を再起動、平石監督代行の「動くときは動く」野球

低調だった打線が爆発…楽天を再起動、平石監督代行の「動くときは動く」野球

楽天・平石洋介監督代行【写真:荒川祐史】

銀次の豪快な2ランで打線はお目覚め、美馬は今季9度目の先発で初勝利

 楽天は17日、前日の梨田昌孝前監督の辞任を受け就任した平石洋介監督代行が初めて指揮を執った阪神戦に快勝した。

 先発の美馬は初回、2回と得点圏に走者を許したが、今季初のサードで先発した今江の好プレーなどに支えられ無失点で切り抜ける。すると2回裏、4番に入ったその今江が阪神の先発・才木のスライダーをセンター前に弾き返し出塁。続く銀次がカウント2-0から甘く入った145キロのストレートを右中間スタンドへ運び楽天が先制する。さらに4回にはアマダー、藤田が2者連続でライトスタンドに運ぶ本塁打攻勢で加点し、4-0とリードを広げた。

 5回には田中の四球、茂木のセーフティバントで無死一、二塁のチャンスをつくる。続く島内が送りバントに2度失敗するが、ヒッティングに切り替えセンターフライを放つ。やや浅めだったが、二走の田中がタッチアップで三塁を狙うと送球が乱れセーフとなった。茂木も送球間に二塁に進みチャンスを広げ、銀次の申告敬遠を挟んでアマダー、藤田の連続タイムリーが飛び出して4点を追加し8-0。ここまでの交流戦16試合の平均得点が2.3点にとどまっていた楽天打線が突如目覚めた。

 大量援護を受けた美馬は内角を突く強気の投球で阪神打線を封じ7回3安打無失点の好投。8回は青山、9回は福山がやはり無失点に抑える完封リレーで締め8-0で見事勝利した。美馬は9度目の登板でのようやくの初勝利となった。

「(初采配は)この辺(心臓付近)がキュッとするような。そんな感じはありました」

 この日の朝、楽天生命パーク宮城で監督代行就任会見を行った平石監督代行は、「正直いまだに気持ちの整理はついてません」と戸惑いを見せながらも、目指す野球を聞かれた際には「熱く、アグレッシブに」「動くところは動く、信じて打たせるところは打たせる」「(投手には)ゾーンで勝負してほしい」と宣言。午後からの試合で、チームはこの言葉そのままの野球を披露した。

 2回、銀次に本塁打が生まれた無死一塁の場面。ここ最近の楽天は犠打を選択することが多かったが、打たせたことが吉と出た。「序盤はむやみやたらに動かず、落ち着きを与えたかった。銀次がここ最近の状態がいいというのもありバントは頭になかった」「このホームランが勇気を与えてくれた」(平石監督代行)。

 一転、5回に訪れた無死一塁の場面では茂木にセーフティバントのサインを出し成功。さらに田中の果敢な走塁でチャンスを広げた。「あそこはもう1点ほしかった。茂木はセーフティがうまいので」「(田中の走塁は)食らいついてセンターフライを打った島内が救われた。いい走塁だったと思います」。まさにアグレッシブで、動くときは動く野球だった。

 快勝に「素直にうれしい」と安堵の表情を浮かべた平石監督代行は言った。

「ベンチから大きな声が出ていたこと。それが本当にうれしかったです」

「2軍監督を2年やらせてもらっていたのでバタバタすることはありませんでした。でもこの辺(心臓付近)がキュッとするような。そんな感じはありました」

 構えず、感情を素直に言葉にするところにその人柄がうかがえた。若き指揮官が楽天イーグルスを再起動する。(秋山健一郎 / Ken’ichiro Akiyama)

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