【MLB】米で2651試合出場のイチロー、隠れた勲章 “マイナー出場ゼロ”は至難の業

【MLB】米で2651試合出場のイチロー、隠れた勲章 “マイナー出場ゼロ”は至難の業

マリナーズ・イチロー【写真:Getty Images】

マイナー309試合出場の田口が最多、中島は一度もメジャー昇格せず

 故障者リスト(DL)入りしているシカゴ・カブスのダルビッシュ有は、6月25日(日本時間26日)、カブス傘下の1Aサウスベンドで調整登板をした。NPBからメジャー契約でMLBに移籍したダルビッシュは、キャリアのほとんどをMLBで投げているが、それでもマイナーでの登板はこれが8試合目。メジャー契約で移籍した日本人選手でも、ほとんどがマイナーの試合に出場している。

 NPBから移籍した日本人MLB選手のMLBとマイナーの出場試合数。MLB出場試合数順 ※はMLBでの現役選手。

野手

イチロー 2651試合/マイナー0試合
松井秀喜 1236試合/マイナー18試合
青木宣親 759試合/マイナー31試合
田口壮 672試合/マイナー309試合
松井稼頭央 630試合/マイナー137試合
福留孝介 596試合/マイナー43試合
井口資仁 493試合/マイナー3試合
城島健司 462試合/マイナー4試合
岩村明憲 408試合/マイナー61試合
新庄剛志 303試合/マイナー40試合
川崎宗則 276試合/マイナー233試合
西岡剛 71試合/マイナー108試合
中村紀洋 17試合/マイナー101試合
田中賢介 15試合/マイナー169試合

 野手は最多出場のイチローだけが一度もマイナーの試合に出場していない。どんな選手でも不振に陥ったり、故障してマイナーで調整をするものだが、イチローはMLBに移籍して18シーズン、一度もマイナーでプレーしなかった。これは驚異的なことだ。大きなスランプがない上に、けがや病気もほとんどなかったのだ。抜群の体力に加えて、コンディション維持に細心の注意を払っていたことがわかる。

 他の選手は多かれ少なかれマイナーリーグで野球をしている。最多は田口壮の309試合。田口はマイナー契約からMLB昇格をした年もあり、著書でMLBとマイナーの待遇の違いについて紹介している。川崎宗則もキャンプの招待選手からMLB昇格を経験している。

 この顔ぶれに加え、中島裕之(現宏之)はメジャー契約でアスレチックスと契約したが。DL入りして開幕を迎え、ついにMLBに昇格することなくNPBに復帰している。マイナーでの出場試合数は175試合だった。

投手では大塚と吉井がマイナーでの登板経験なし

投手(大谷翔平を含む)

長谷川滋利 517試合/マイナー2試合
上原浩治 436試合/マイナー8試合
田澤純一 379試合/マイナー75試合
斎藤隆 338試合/マイナー16試合
野茂英雄 323試合/マイナー17試合
岡島秀樹 266試合/マイナー74試合
大塚晶則 236試合/マイナー0試合
佐々木主浩 228試合/マイナー6試合
黒田博樹 212試合/マイナー3試合
大家友和 202試合/マイナー98試合
高橋尚成 168試合/マイナー39試合
吉井理人 162試合/マイナー0試合
松坂大輔 158試合/マイナー47試合
岩隈久志 150試合/マイナー6試合
ダルビッシュ有 139試合/マイナー8試合
伊良部秀輝 128試合/マイナー18試合
田中将大 118試合/マイナー2試合
マック鈴木 117試合/マイナー197試合
石井一久 105試合/マイナー6試合
藪恵一 100試合/マイナー21試合
高津臣吾 99試合/マイナー21試合
五十嵐亮太 83試合/マイナー90試合
前田健太 75試合/マイナー1試合
小林雅英 67試合/マイナー18試合
木田優夫 65試合/マイナー136試合
村上雅則 54試合/マイナー60試合
建山義紀 53試合/マイナー99試合
川上憲伸 50試合/マイナー23試合
薮田安彦 43試合/マイナー46試合
平野佳寿 38試合/マイナー0試合
柏田貴史 35試合/マイナー14試合
大谷翔平 34試合/マイナー0試合
マイケル中村 31試合/マイナー251試合
藤川球児 29試合/マイナー25試合
高橋建 28試合/マイナー18試合
小宮山悟 25試合/マイナー17試合
野村貴仁 21試合/マイナー31試合
和田毅 21試合/マイナー56試合
桑田真澄 19試合/マイナー3試合
牧田明久 19試合/マイナー8試合
井川慶 16試合/マイナー107試合
多田野数人 15試合/マイナー148試合
福盛和男 4試合/マイナー38試合
村田透 1試合/マイナー164試合

 今年MLBにデビューした大谷翔平、平野佳寿を除けば、44人の投手のうち、マイナーで投げなかったのは大塚晶則、吉井理人の2人だけ。パドレス、レンジャーズでクローザー、セットアッパーとして活躍した大塚は2007年に靭帯を損傷し、翌年トミー・ジョン手術を受けたが復帰できなかった。しかし、それまではほとんど故障知らずだった。

 吉井理人はメッツ、ロッキーズ、エクスポズで5シーズン先発投手としてプレーしたが、大きな故障もなくすべて100イニング以上投げ、そのままNPBに復帰した。

 野手も投手も、マイナー知らずで終わるのは至難の業であることがわかる。

 MLBではほとんどの選手がマイナーで経験を積んでからメジャーデビューを果たすため、3000本安打を記録した32人の打者のうち、マイナーでの出場記録がないのは、マイナーが未整備だった19世紀に活躍したキャップ・アンソン(3435安打2524試合)を除けば、デーブ・ウィンフィールド(3110安打2973試合)、イチロー(3089安打2651試合)、アル・ケーライン(3007安打2834試合)の3人のみとなっている。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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