敗戦の中に成長見せた西武・相内 指揮官が「見事」と称えた2死三塁の攻防

敗戦の中に成長見せた西武・相内 指揮官が「見事」と称えた2死三塁の攻防

西武・相内誠【写真:編集部】

1点ビハインドの9回に登板し、4戦連続で無失点

■オリックス 4-3 西武(15日・メットライフ)

 西武は15日、本拠地でオリックスを相手に3-4で惜敗。あと一歩及ばなかったものの、接戦に持ち込んだのは、連日粘りを見せている救援投手陣だった。

 辻監督は試合後、先発・高橋光成に対して苦言を呈していたが、監督会見で開口一番、話題にしていたのが9回表のマウンドに上った相内誠のことだった。

「誠もね。先頭バッターに打たれたのだけは、ちょっと腕が振れてなかったな。だけど、こういう登板で自信をつけてくれれば」と、6年目・右腕の投球に目を細めた。

 8月1日の登板後に「敗戦処理でも5点差、4点差、3点差とどんどん点差の少ない場面で投げさせてもらって、そこで結果を残して、最終的には勝ちパターンで投げさせてもらえるようになりたい」と、語っていた相内。リリーフとして今季4試合目となったこの日の登板は、1点ビハインドの9回表。まさに待ち望んでいた場面だった。

 しかし、それが気負いとなったのか、先頭バッターに外角寄りストレートをセンター前に運ばれてしまう。「とりあえず、先頭バッターの小田にフォアボールを出さないように」という意識でマウンドに上がったが、「気が抜けていたわけではないですが、大事に行きすぎて」と、ヒットにつながった理由を明かした。

 それでも、1軍再昇格以降「もう失うものはない」と覚悟を決めてマウンドを立つ男は、ランナーを出した後「絶対に打たれない。強い球をストライクゾーンに投げれば大丈夫」と、強い気持ちで後続と相対する。

 オリックス7番・大城に送りバントを決められ、1死二塁と得点圏にランナーを背負うと、続く8番・安達に対して初球ストライクの後でアウトローを攻め続けるも、3球連続ボールでカウント3-1。ボール先行となり、投手が心理的に不利な場面ではあるが、「最悪歩かせても次を抑えればいい。失点さえしなければいい」と大胆に攻めて、フルカウントから外の変化球を引っかけさせて遊ゴロに打ち取った。

2死三塁で迎えた山崎勝、フルカウントから投げたボールは…

 2アウト。しかし、ランナーはサードへ進塁。ピンチは続き、9番・山崎勝を迎えたところで、捕手・森がマウンドへ向かい、「初球から振ってくるので大事に行きましょう」と相内に声をかけた。

 その初球はバットが届かないほど低めのフォークボールで空振り。その後、ストレートとフォークを交互に織り交ぜながらフルカウントへ持ち込んだ後、捕手・森が決め球に選択したのはカーブだった。そのサインを見た瞬間、相内は「お、面白いな。ここでカーブ」と、思ったという。「ボールじゃなくて高めからストライク投げれば……」と投じたボールは、バッテリーの意図通りに決まり、見逃し三振でオリックスに追加点を与えなかった。

「最後は見事だった」と、指揮官も褒めていたこの場面。相内自身も「うれしかった」と、自然にガッツポーズが飛び出していた。

 これまで4試合のリリーフ登板は、いずれも状況は違うが無失点で抑えている。この日の登板を細部まで冷静に振り返る語り口や、試合へ臨む姿勢に余裕すら感じるのだが「余裕はないですよ」と笑顔で答える。

「今回、1点差で投げさせてもらって、抑えられたのは自信にはなります。そして、絶対抑えたいという気持ちが強まりました。マウンドでやることは一緒なんですが、ちょっとずつ成長しているかな。前進しているかな」と、ここまでの投球に自らの成長を感じとりつつも、「あとは連投してどうか。連投経験が少ないですし、今年はまだないので、そこで抑えられたら」と、やはり最後は冷静に今後の課題を見据えていた。(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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