侍J女子代表に早くも洗礼…マウンドが人口芝から土に変更 監督「適応できる」

侍J女子代表に早くも洗礼…マウンドが人口芝から土に変更 監督「適応できる」

人工芝のマウンドが設置されているブルペン【写真:石川加奈子】

人口芝に慣れるため、早めに現地入りして調整に臨むも…

 早くも敵地の洗礼!? 第8回WBSC女子野球ワールドカップ(22〜31日、米国フロリダ)で6連覇を目指す侍ジャパン女子代表は17日(日本時間18日)、現地で練習を開始。予定されていた人工芝マウンドが急遽、土のマウンドに変わる見込みであることが分かった。

 大会会場であるフロリダ州のUSSSAスペース・コースト・コンプレックスを訪れたチームが知ったのは、衝撃の新事実だった。全面人工芝のグラウンドには、人工芝のマウンドが設置されていたが、本番ではこの人工芝マウンドを使わないという。

 橘田恵監督が説明する。

「球場の係の人に聞いたら“WBSC側からの要請で土にするように言われたので、土のマウンドを手配中ですが、まだ来ていない”ということでした」

 日本国内の多くの野球関係者が「見たことがない」と口を揃える人工芝のマウンド上で投げるには、樹脂製ポイントスパイクがいいのか、アップシューズがいいのか。投手陣はこの半年間、頭を悩ませてきた。大会1週間前になって突然の変更。人工芝マウンドに一刻も早く適応するためもあって、早めに現地入りしたが、肩透かしを食らった格好だ。しかも、実際に設置される土のマウンドを確認できるのは、開幕2日前の20日か前日の21日になってからだという。

 うがちすぎた見方をすれば、初の米国開催で6大会ぶりのV奪還を絶対に譲れない米国による嫌がらせ、と受け取れなくもない。だが、指揮官にとっては、想定内。過去の国際大会で数々のアクシデントを経験しているからだ。現地入りしてから急遽、金属バット禁止と告げられたこともあれば、雨天中止となって宿舎で休んでいる時に突然試合再開が決まり、呼び戻されたこともあるという。試合後に宿舎に戻るとエレベーターが止まっていて、9階まで全選手が道具を抱えて階段を上がったこともあった。

突然のアクシデントにエース・里は苦笑い「やってきたな」

「海外ではいろいろなアクシデントが起こる。ちょっとのことでへこたれないこと。1つ1つのアクシデントをいかにチームワークで乗り越えるかが大切」と常々選手に諭していた橘田監督は、動じなかった。「新潟合宿では土のマウンドでやっていたので適応できると思います。土のマウンドがスタンダードなので」と前向きに捉えた。

「やってきたな」と苦笑いしたエースの里綾実投手(愛知ディオーネ)も、「これでやれと言われたらやるしかない」と腹は据わっている。4月の高知安芸合宿で木戸克彦ヘッドコーチから言われた「野球は歩み寄るスポーツや」という言葉が深く心に残っている。「日本にいてもタイプの違うマウンドがある。条件は相手も同じ。いかに球場の特徴をつかんで生かすかということをしっかり考えたいです」と話した。

 10年大会から5大会連続代表入りして、14年と16年大会でMVPに輝いた里は、今チームで最も多くの国際大会を経験。何が起きるかわからないことを知っているからこそ、この日のグラウンドに設置されていた人工芝マウンドの感触を確かめることも忘れなかった。「踏み出す足の方は問題なかったですが、プレートのところは少し掘れて、バランスを取るのが難しい」と頭にインプットした。

 数々のアクシデントを前向きに乗り越えた先に、6大会連続の頂点が見えてくる。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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