先発投手の“責任”QSランキング 沢村賞・巨人菅野を抑えて1位に輝いたのは?

先発投手の“責任”QSランキング 沢村賞・巨人菅野を抑えて1位に輝いたのは?

巨人・菅野智之【写真:Getty Images】

チーム別QSではパ・リーグでオリックス、セ・リーグは巨人が1位

 QS(Quality Start)は、先発投手が6回以上を投げて自責点3以下を記録することを言う。MLBで考案され、先発投手の最低限の責任とされる。今季、両リーグのQSの状況を見ていこう。

 まずはチームのQS数。

◯パ・リーグ
1オリックス 143試合75QS(QS率52.44%)
2西武 143試合73QS(QS率51.05%)
3日本ハム 143試合70QS(QS率48.95%)
3楽天 143試合70QS(QS率48.95%)
5ロッテ 143試合66QS(QS率46.15%)
6ソフトバンク 143試合65QS(QS率45.45%)

 オリックスが75QSで1位、続いて西武。ソフトバンクがは今季、規定投球回数に達した投手がいなかったが、QS数も最低だった。

◯セ・リーグ
1巨人 143試合72QS(QS率50.35%)
2中日 143試合70QS(QS率48.95%)
3阪神 143試合65QS(QS率45.45%)
3広島 143試合65QS(QS率45.45%)
5ヤクルト 143試合58QS(QS率40.56%)
6DeNA 143試合45QS(QS率31.47%)

 巨人が1位、DeNAは12球団でも極端に少ない48QS。DeNAは先発に頼らず、継投策でペナントレースを戦ったことが分かる。こうしてみるとQS数は、チームの強さの指標ではなく、チームの投手政策の違いを表す指標だということが分かる。QS率が高いチームは先発投手への依存度が高く、低いチームは救援投手への依存度が高いと言えそうだ。

西武多和田は勝利数の16よりも少ない14QS

 両リーグのQS数10傑。

◯パ・リーグ
1上沢直之(日) 25先発17QS(QS率68.00%)
1マルティネス(日) 25先発17QS(QS率60.08%)
3岸孝之(楽) 23先発16QS(QS率69.57%)
3菊池雄星(西) 23先発16QS(QS率69.57%)
5涌井秀章(ロ) 22先発15QS(QS率68.18%)
5西勇輝(オ) 25先発15QS(QS率60.00%)
5則本昂大(楽) 26先発15QS(QS率57.69%)
8バンデンハーク(ソ) 23先発14QS(QS率60.87%)
8多和田真三郎(西) 26先発14QS(QS率53.85%)
10ボルシンガー(ロ) 20先発13QS(QS率65.00%)
10石川歩(ロ) 21先発13QS(QS率61.9%)
10千賀滉大(ソ) 22先発13QS(QS率59.09%)
10榎田大樹(西) 22先発13QS(QS率59.09%)
10山岡泰輔(オ) 23先発13QS(QS率56.52%)

 日本ハムの上沢、マルティネスが最多タイの17QS。続いて楽天の岸、西武の菊池。最多勝の多和田は勝利数の16よりも少ない14QSだった。

◯セ・リーグ
1大瀬良大地(広) 27先発21QS(QS率77.78%)
2菅野智之(巨) 27先発19QS(QS率70.37%)
2メッセンジャー(神) 28先発19QS(QS率67.86%)
4ガルシア(中) 26先発17QS(QS率65.38%)
4ブキャナン(ヤ) 28先発17QS(QS率60.71%)
6東克樹(De) 24先発15QS(QS率62.5%)
7ジョンソン(広) 24先発14QS(QS率58.33%)
8吉見一起(中) 20先発13QS(QS率65%)
8山口俊(巨) 21先発13QS(QS率61.9%)
8岩貞祐太(神) 23先発13QS(QS率56.52%)

 QS数1位は沢村賞の巨人菅野ではなく広島の大瀬良だった。2人は最多勝を15勝で分け合ったが、大瀬良は防御率2.62、菅野は2.14。しかし菅野は開幕から2試合続けて4失点以上するなどシーズン当初は投球が不安定だった。シーズン終盤に3試合連続完封を記録するなど調子を上げたが、シーズンを通しての安定感では、大瀬良も負けてはいなかったということだ。

 ちなみに沢村賞の選考委員会は、独自に7回以上投げて3自責点以下というQSの基準を設けたが、この数値では菅野が「17」で1位、大瀬良は「15」で日本ハムの上沢とともに2位だった。

 平成以降の最多QSは、2013年の楽天田中将大の「27」、24勝0敗という歴史的な大記録を残したが、田中は27回先発し、すべてQSだった。

 しかし、これは例外的だ。現代の野球ではエース級の投手でもQSをクリアできない試合が年に数試合はある。そういう試合も含め、先発、救援の力を合わせて勝利につなげるのが指揮官の役割だと言ってよいだろう。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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