反則、流血、永久追放? そして一生の思い出も…「パ・リーグファン感事件簿」

反則、流血、永久追放? そして一生の思い出も…「パ・リーグファン感事件簿」

今年のファン感謝デーも“おもしろ”企画が目白押し【画像:(C)PLM】

2014年西武ではスピードスターがまさかの転倒

 11月下旬、プロ野球12球団の「ファン感謝デー」が各地で行われる。普段の真剣勝負とは違った形でファンを楽しませるために、今年も多くの選手がバラエティ豊かな企画に取り組むのだろう。

 しかし、準備不足のせいか、やはりプロ野球選手は「もって」いるのか、時には予想外の事態が発生することも。そこで、ここでは「ファン感事件簿」と題して、これまでに起きた珍事の数々を紹介したい。

○人数が多い? 審議の結果は……

 2015年のロッテファン感謝デーでは、ファンと選手混合の3チーム対抗の綱引きが行われた。井口現監督率いる白チームが2連勝して1位を獲得する、はずだったが……。

 終了直後に白組の人数が多いという疑惑が発生。審議が行われた結果、白組のポイントが剥奪されて赤組が1位となり、白組と青組はともに0ポイントというまさかの結末を迎えた。

○リレーの俊足対決でスピードスターが流血(2014年 西武)

 2014年のファン感謝デーで、西武の選手とファンが「チーム野上」と「チーム牧田」に分かれて行われたリレー対決。アンカーを任されたのは、後のパ・リーグ盗塁王である金子侑外野手と、イースタン・リーグの盗塁王に輝いていた石川貢氏だった。

 白熱した勝負の行方は最後の1周に持ち込まれ、金子侑がスパートをかけてわずかに前に出る。しかし、最後のコーナーを曲がりきれずにまさかの転倒。それを確認した石川氏が余裕を持ってゴールし、対決は意外な形で決着した。

 金子侑は転んだ際に膝をすりむいて流血するなど踏んだり蹴ったりで、先輩の森本稀哲氏に「これは1人だけ秋のキャンプ追加ですねー」「こんな足腰じゃ、来年任せられないですね」といじられる結果に。盗塁やベースランニングと陸上競技は、やはり別物ということなのかもしれない。

○京セラドーム大阪に笑いの神が舞い降りた

 2014年、オリックスのファン感謝デーで行われたリアル野球対抗戦。第1試合の敗者、平野投手(現・ダイヤモンドバックス)と、中山慎也氏、比嘉投手が「ロシアンわさび入り激辛シュークリーム」に挑む罰ゲームを行うことに。勝利チームのキャプテンだった岸田投手も、周囲に押し切られて参加させられ、4人はそれぞれ1つずつシュークリームを口に入れる。

 最初は4人とも無表情。しかし、勝利チームの岸田投手が突如悶絶。あまりの辛さに我慢しきれず、口を大きく開けてしまった。「これはあかん。めちゃくちゃ辛いよ。きったな、ほんでこれ」と、関西弁で苦悶。ベンチに戻ってもその表情が変わることはなかった。

ファン感謝デーでまさかの“永久追放”

○中田VS杉谷、伝統の一戦

 中田内野手と杉谷内野手の掛け合いは、もはや日本ハムファン感謝デーの風物詩だ。そんな2人は2017年、宮西投手の指名により、頭につけた3つの風船を割るゲームで対決。試合前には杉谷が「中田の頬をバチンとやりたい」と言えば、中田が「バッチバチにいわすんで……」と返すなど、ともに相手を挑発するシーンも見られた。

 ゲーム開始直後、中田が杉谷の胸を突き、杉谷がそれを払いのける「乳首ドリル」が繰り広げられる。そうしてじりじりと距離を詰めていくかと思われたが、中田が素早く杉谷の隙を突いて勝負あり。一方的な形で中田が勝利し、豪華景品を手にした。杉谷は「あのー、一応打ち合わせしてたんですよ、一応……」「うわーやられたわー」と悔しさをあらわにした。

○最多勝投手も球界最高峰スラッガーも形無し

 福岡名物の1つといえば、明太子だ。ソフトバンクの2015年のファン感謝デーでは、このグルメを使い、人気バラエティ番組をオマージュした「格付け」が行われた。柳田外野手と細川捕手、東浜投手が、100グラム2000円の高級明太子と、1パック298円の明太子を目隠しして食べ比べ、AとBで値が高いと思った方の札を上げるルールだ。

 試食後、3選手が上げた札はすべて「B」。しかし、正解はまさかの「A」。3選手全滅で「二流選手」に格下げになってしまった。

○松井が右投げに挑戦?

 お笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきおさんが、楽天の「支配下登録」を目指して2014年のファン感謝デーに登場。プロの投手からホームランを狙う伊達さんの相手としてマウンドに上がったのは、当時ルーキーの松井投手だった。

 しかし、現れた松井の利き腕にはグラブが。ハンデとして右投げに挑戦したのだが、やはり制球に苦しみ、なかなかストライクが入らない。ただ、立花社長から「本気で行け」と指令があった次の球は見事にストライクゾーンへ。最後は自ら交代を申し出てマウンドを降りたものの、改めて優れたセンスを垣間見せた。

○サンドウィッチマンの伊達さん、永久追放へ

 前述の松井投手の右投げ事件から2年後、伊達さんが2016年のファン感謝デーでさらなる珍場面を生み出す。この前年には投手を務めたが、銀次内野手に安打を打たれて敗北。そしてこの年は「盗塁を決めたら支配下登録」の条件で、松井との対決が2年ぶりに実現した。

 まずは牽制球を投じる松井。そして、伊達さんが塁を離れた瞬間に一塁手の中川内野手(現・DeNA)が隠し玉を決め、伊達さんは走ることなくアウトに。さすがにもう一度チャンスが与えられると、捕手の送球が伊達さんの首を直撃。

 それでも一応盗塁成功とはなったが、ムードメーカーでもある阿部俊人氏が「投げ当てのルールを適用してアウト」という裁定を下す。伊達さんはこの判定に対し、ベースを引き抜いて投げる「分かる人には分かる」パフォーマンスで抗議。阿部氏はこれを侮辱行為として永久追放を宣告するという、まさにファン感謝デーならではの、波乱の展開となった。

日本ハムでは、2015年に武田勝氏がミラクル起こす

○プロの投手でもストラックアウトは難しい?

 2015年の日本ハムのファン感謝デーで行われたストラックアウトは、多くの主力投手が挑戦したにもかかわらず、緊張のせいか次々と的を外してしまう。そんな中で清水捕手は、キャッチャーながら2球で2枚を抜き、プロの投手をあっさりと上回る。淺間外野手と高濱内野手も、投手顔負けの球速でそれぞれ1枚を抜き、優れた投球センスをファンに披露した。

 石川直投手と鍵谷投手が2球とも失敗すると、最後はサメの眼鏡をかけた武田勝氏が、球をフレームに当てた勢いで一気に3枚落とすミラクルを起こす。単純なゲームながら、最後まで見応えのある興味深い一戦となった。

○似顔絵対決でまさかの本人登場

 吉村外野手、江川外野手、李杜軒内野手の3人が2014年、内川内野手をモチーフにした「ウッチーくん」の似顔絵で対決。なかなかの腕前を見せた李、内川の特長を捉えようとしていた江川に対し、吉村が書いた幽霊のような絵は明らかに悪ふざけ。そして、似顔絵の完成後にサプライズゲストとして「本人登場」という展開となった。

 壇上に上がった内川は、開口一番「ちゃんと描け!」と吉村にクレーム。他の2選手に対しては「トゥーシェン、よく頑張った」、「エガちゃん、なんかちょっと似てるけど……」と言葉をかけつつも、吉村には「誰が芸術の秋やねん」といじりを継続。吉村も「ウッチーの叫び」と返すユーモアを見せ、会場は笑いに包まれた。

 しかし、この対決で1位に輝いたのは吉村。これに内川は「何を争うか観点が変わってくると思います」、「面白い発想を持った奴が勝つみたいになるけど大丈夫?」とクレームをつけたものの、最後は審査員の意思を尊重して笑顔を見せていた。

○綱引き対決の後で「一生の思い出」サプライズ

 日本ハムの2015年のファン感謝デーで行われた綱引き対決は、3選手とファン1名が四方に分かれて綱引きし、後ろのチアリーダーが持っているBB人形を取ったチームが勝利となる。開始前には大嶋匠氏が「マエケン体操」を行うなど、持ち前のキャラクターで会場を沸かせたが、サプライズがあったのはここからだった。

 その大嶋氏の活躍もあって大野捕手(現・中日)が率いるチームが勝利したのだが、このチームに加わっていたファンの男性が、インタビュー中に公開プロポーズを敢行。相手の女性にその場で指輪をはめ、男性は日本ハムの選手たちから胴上げされた。

 以上のように、野球以外のスポーツや企画に取り組むからこその珍場面は、これまでも数多く生まれている。今年はこういった印象に残るシーンがいくつ生まれるだろうか。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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