【MLB】菊池雄星、初勝利の鍵は二盗阻止!? 元日ハム右腕警鈴「投げれば投げるほど丸裸」

【MLB】菊池雄星、初勝利の鍵は二盗阻止!? 元日ハム右腕警鈴「投げれば投げるほど丸裸」

マリナーズ・菊池雄星【写真:Getty Images】

18日ブルペンでは二盗対策で全28球クイックモーション「そろそろランナーにも意識を」

 マリナーズの菊池雄星投手が17日(日本時間18日)のブルペン投球でこれまでにない取り組みを行った。ポール・デービス投手コーチが助言する「二盗対策」の一環で、全28球をクイックモーションで投げた。途中、デービスコーチは携帯に収めていた動画を菊池とチェックし意見交換する場面もあった。

 走者を一塁に置いてからの動きにメスが入った。菊池は前回15日の登板を含め、最近3試合連続で二塁盗塁を決められ、4個を献上。うち半分が得点に結び付いたとなれば、デービスコーチが熱心になるのも当然だった。この日のポイントを菊池が説明する。

「首の使い方がメインです。ランナーを牽制で刺すというよりも、(動作に)2、3種類パターンがあれば盗塁も仕掛けづらくなるので。そこをもう少し増やそうかっていう話ですね」

「首の使い方」に伴って、静止した上体の前に掲げるグラブの位置はこれまでと違っていた。帽子のつばの下あたりの高さにあったグラブを数センチ下げ、視線の先に想定した走者がはっきりと見える位置に修正している。この状態から本塁へ向けた首を1度戻し、一塁走者を見てから素早く投球動作に入る。隠れがちだった目をはっきりと見せることで走者の動きを牽制できる効果が望める。首の動きと「数センチ」の修正は呼応しているものだ。

 「(盗塁阻止のための動きは)日本でもやっていたことですけど、とにかくバッター優先で集中して投げていたので、そろそろランナーにも意識を向けながらバッターとやっていこうというところです」

 菊池はここまで5試合に登板し未だ未勝利。今後は走者にもこれまで以上の気を遣わなければならない状況にあって、情報戦の網にかかっている。

元日ハムのスウィーニーはインディアンスでコーチ「マウンドで投げれば投げるほど丸裸にされる」

 今回の対戦相手だったインディアンスで昨年からコーチングスタッフに加わったブライアン・スウィーニー氏(元日本ハム投手)に水を向けてみた。菊池に対しての言及は「企業秘密」と前置きした上で、淀みなかった。

「僕は07年から3シーズン日本で投げたけど、ここは日本と違ってどこの球場に行っても、まるで監視されているかのようにデータ収集用のカメラがあちこちに設置されている。我がチームには投手の動きを専門に分析している担当者がいるので解析したデータを大いに役立てている。例えば、本塁に投げる時と牽制を入れる時の体の使い方の違いはすぐに分かるし、腕をどう使うかのバリエーションからも“癖”は見抜けてしまう。投手はマウンドで投げれば投げるほど丸裸にされていくんだ」
 
 長足の進歩を遂げるデータ収集機器により、各球団の情報戦略に開きはなくなっている。だが、スウィーニー氏は自身の経験を踏まえて、菊池にエールを送った。

「僕はセットポジションからの投球が遅くて、日本での最初のシーズンはよく走られた。名前が出てこないが時のホームランバッターで足には定評のない選手にも簡単にやられた。でも、コーチと重ねた練習でクイックができるようになった。嬉しかったね。菊池は日ハム時代の同僚ダルビッシュと同じで走者がいなくてもセットから投げている。それだけに、走者を出した時に違いが分かりやすいけど、僕の経験をたどれば、必ずアジャストできると思う。頑張ってほしい」

 20日(日本時間21日)のエンゼルス戦でメジャー初勝利に挑む菊池に、新たな適応力が求められるマウンドが待ち受けている。(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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