【MLB】大谷翔平、2年目の進化とは… データ&敵軍証言から探る昨季からの変化

【MLB】大谷翔平、2年目の進化とは… データ&敵軍証言から探る昨季からの変化

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

ボールゾーンのスイング率が大幅改善 トラウト級の選球眼「自分も進歩しないと、去年以上の成績は残せない」

 エンゼルスの大谷翔平投手が昨季から進化した打撃を見せている。昨年10月の右肘内側側副靭帯再建術(トミー・ジョン手術)を受けた影響で打者一本で臨む今季はここまで打率.294、1本塁打、6打点を記録しているが、その数字以上を感じさせる打撃内容。各種データ、敵軍選手の証言から打者・大谷の2年目に迫った。

 まるですべての配球を見透かしているかのようだった。15日の敵地ツインズ戦、7回1死。大谷は2番手右腕メイに対して初球から際どいコースの球もすべて見送った。最後は3ボール1ストライクからの4球目。真ん中高め付近に入った152.8キロ直球を中前へ弾き返した。この一打で連続試合安打を「4」に伸ばした。

 昨年10月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、術後7か月後の7日タイガース戦から打者復帰した。復帰直後は9打席連続無安打と結果が出なかったが、9日タイガース戦の初回に右前適時打を放ち、復帰3戦10打席目で初安打をマーク。13日ツインズ戦の3回、復帰26打席目で一時逆転の1号2ランを放つと、翌14日の同カードでは4打数3安打1打点で初の猛打賞を記録。本拠地開幕で3戦連発した昨季ほどのインパクトはないものの、ここまで8試合出場し、34打数10安打の打率.294、1本塁打、6打点。4四球、8三振と上々のスタートを切っている。

 この好打を支えているのが選球眼だ。米データサイト「ファングラフス」によると、ボールゾーンのスイング率「O-swing%」は昨季31.6%から18.6%に大幅改善。ここまでMLBトップ38四球を記録しているエンゼルスの同僚、マイク・トラウト外野手は昨季21.8%、今季17.8%。メジャー現役最強選手に匹敵する数字となっている。

 一方で、大谷のストライクゾーンのスイング率「Z-Swing%」は昨季の65.3%から67.7%にアップ。全投球に対し、打者が空振りしストライクとなった割合を示す空振り率も昨季の12.9%から10.4%に向上している。ボール球に手を出さずストライクゾーンに来た球を打つーー。今季の8試合で報道陣の取材に対応した際には「ボールの見え方が良かった」、「打席の中でよくボールが見えている」と繰り返していたが、まさに“好球必打”の打撃に磨きがかかっているといえる。

敵軍も感じる大谷の“進化”「いい選球眼の持ち主」「アプローチも良い。トラウトの後、プホルスの前を打つのには理由がある」

 敵軍も“進化”を感じ取っている。大谷が今季初アーチをかけた13日のツインズ戦でマスクを被っていた9年目カストロは「彼は特別な才能を持っている選手。打線の中で手強い相手なんだ」と警戒した上で、こう証言した。

「積極的なアップローチをしてくる半面、いい選球眼の持ち主だ。目も良さそうだから、アウトにするには手強い相手だ。アプローチは非常に素晴らしい感じがする。メジャーにやって来て、対戦する投手たちに順応しつつある。身体が大きい選手だから、力もあるし強烈な打球が打てる。(失投や甘い球など)ミスをしてしまった時には能力を見せつけられてしまうんだ」

 11日オリオールズ戦の9回1死二塁では右前適時打を放った。マウンドの3年目右腕ヤカボニスは初球に外角チェンジアップで空振りを奪って2球目からは外角直球で攻めたが、3ボール1ストライクに。ストライクを取りにいった甘い低めのチェンジアップを痛打された。試合後に、こう振り返っていた。

「試合を通して、彼は初球からアグレッシブだった。良い目を持っている。アプローチも良い。良い打者だ。トラウトの後、プホルスの前を打っているのには理由があるね」

 大谷は打撃に日々改良を加えている。昨季より重心を下げた打ち方で、試合前のフリー打撃では「自分の中の感覚を養うため」と1セット目では左肩にバットを当ててからスイングを開始する。始動前に予備動作を加えることでよりスムーズにバットを出している印象だ。そして、術後も昨季と変わらぬ豪快な打撃。体勢を崩されて空振りするケースが明らかに減っている。大谷は「打撃に関しては感覚が戻れば十分同じ感じでいけるかなと。ただ、配球も含めて(相手の)攻め方も変わってくる。自分も進歩しないと、去年と同じ成績、またはそれ以上の成績は残せない」と気を引き締める。

 17日のロイヤルズ戦で復帰後本拠地初見参する。球団関係者によると、18、19日の同カードのチケットは今季初めて完売する見込みだという。17日ケラー、18日ジェニスと右腕が並び、19日は主戦左腕のダフィーと対峙する。満員に埋まった本拠地を熱狂させる豪快な打撃を期待したいところだ。(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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