バドミントンで鍛えたスポーツ美女 売り子の世界は「試合で勝つような感覚」【福岡発 売り子名鑑2019】

バドミントンで鍛えたスポーツ美女 売り子の世界は「試合で勝つような感覚」【福岡発 売り子名鑑2019】

キリンビールの「りの」さん【写真:福谷佑介】

売り子を始めたキッカケは学生寮の先輩2人

 スタジアムでの野球観戦、そのお供として楽しみにしている人が多いのが、冷えたビールだ。暑くなるこれからの季節、その味わいは一層美味しいものとなる。そして、そのビールに欠かせないのが、スタジアムの“華”として日々、汗を流して働いている各ビールメーカーの売り子たちだ。10キロを超えるビールのタンクを背負い、階段ばかりの球場内を歩き回るのはかなりの重労働。日本独特の文化で、実はスタジアムを訪れる外国人観光客からの注目度、人気も高い。

 福岡ソフトバンクホークスの本拠地ヤフオクドームで働く売り子たちもまた、それぞれに人間模様がある。“美女どころ”と言われる福岡の売り子を紹介する人気企画「福岡発 売り子名鑑2019」。彼女らの奮闘を知っていただき、球場での観戦の楽しみの1つとしてもらえたら幸いだ。

 第8回はキリンビールの「りの」さん、だ。

 今季が売り子歴3年目。一塁側内野席を主な持ち場とする彼女は、子供の頃からバドミントンに汗を流してきた体育会系の“美女売り子”だ。

「おのののかさんをテレビとかで見て、売り子という仕事は知っていました。華がある仕事で、興味はありました」。大学入学を機に寮生活を始めた彼女。その学生寮に、売り子を始めるキッカケがあった。偶然にも、その寮に売り子をしている先輩が2人もいたのだ。

 寮生活を始めてすぐ、その先輩たちとの会話の中で、売り子をしていることを知り、そして誘いをもらった。「先輩に『楽しいよ。してみる?』と声をかけていただいて。『やりたいです』と紹介してもらいました」。こうして売り子の世界に身を投じることになった。

高校時代はバドミントンで県大会3位に入った実力の持ち主

 10キロを超える重いタンクを背負ってスタジアムを歩き回る売り子業。見た目以上にハードで、肉体的にも精神的にも負担は大きい。だが、そこはバドミントンで鍛えた「りの」さん。「最初は確かにしんどかったですけど、楽しいのほうが勝りましたね」と、体力的な辛さはさほど感じなかった。

 むしろ体力面よりも「皆さんの前で声を出すというのが、しんどいというよりも緊張の方が大きかったです。球場という環境に慣れていなくて『何これ?』という不思議な感じ」と、見たこともなかったスタジアムの雰囲気に緊張した。それも今は乗り越え「楽しい」毎日を送っているという。

 売り子のやりがいとはどこにあるのか? 「りの」さんは言う。「私は人と話すのが好きなので、お客様と話すことが、まず楽しいです。あとは、ずっとスポーツの世界で生きてきた人間なので、自分の売り上げた杯数が伸びていくことが、試合で勝つような感覚と似たような感じで、そこにも楽しさを感じます。お客様に『待ってたよ』と言ってもらえたり、目に見える数字はやり甲斐になりますし、モチベーションが上がって売り子をした後は、なんでもやる気になれます」

 現在、大学3年生の彼女。これからの大学生活では就職活動が待っており、将来は航空業界やメーカーのマーケティング部門を志しているという。高校時代はバドミントンで県大会3位に輝いた実績を持ち、売り子業の常連客から「愛嬌がある」と評される。現在の最高は222杯。「今年は最高で250杯はいきたい。300杯いけたらいいですね」。就職活動、そして売り子。目標に向かって突き進む日々を送っていく。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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