400号の西武中村にとって本塁打とは?「野球の醍醐味。僕は本塁打を打ちたい」

400号の西武中村にとって本塁打とは?「野球の醍醐味。僕は本塁打を打ちたい」

400号本塁打を記録した西武・中村剛也【写真:安藤かなみ】

オリックス戦の延長11回にサヨナラ弾で史上20人目の400本塁打を達成

■西武 5-4 オリックス(19日・メットライフ)

 西武の中村剛也内野手が、劇的なサヨナラ本塁打で史上20人目の通算400号本塁打を達成した。19日、本拠地メットライフドームでのオリックス戦。同点で迎えた延長11回、激戦に終止符を打つ劇的なサヨナラ15号ソロで大台を達成し、試合後のお立ち台では「久しぶりに芯に当たったので、いったかなと思いました」と振り返った。

 美しい放物線が舞い上がり、ライオンズファンの歓声の渦に飛び込んで消えた。増井が投じた2ボール1ストライクからの4球目。中村は真ん中高めに浮いたフォークを完璧に捉ると、本塁打を確信し右手につかんだバットを高々と掲げたままゆっくりと走り出した。プロ18年目で積み上げた400号のメモリアルアーチが劇的なサヨナラホームラン。チームメイトからは歓喜のウォーターシャワーの後、ハイタッチの嵐で祝福された。中村は「早く達成したいと思っていたし、なんとか達成できてよかった」と汗をぬぐった。さらに「400号を打てたし、先のことを目標にするかと言えば違う。1本1本、これからも積み上げていきたい」と前を見据えた。この偉業に指揮官も「400というのはすごい記録。チームを助けてくれているし、今日は特に最高の一発だった」と最敬礼していた。

 稀代のホームランアーチストだ。大阪桐蔭高校では通算83発を記録し、ドラフト2位で西武に入団した中村。ホームラン王に6度輝くなど、球界にその名を轟かせてきた。「みなさんが想像している以上に、小さい頃からホームランを打つ練習をしてきました。ホームランを狙うことはイコール自分のスイングをすること。しっかりスイングをして、甘い球を振ればホームランになる練習をしている」と話す中村は、この日最高のシチュエーションでその打席を迎えた。

 3点ビハインドの9回に土壇場で金子侑の3ランが飛び出し、試合は延長戦に突入した。同点のまま迎えた11回1死走者なし。「なんにも考えていなかった。自分のバッティングをするだけだと思いました」。“自分のスイング”で振りぬいた打球は、中村らしいアーチを描きながら左翼スタンドに着弾した。中村は“自身にとってホームランとは何か”と問われると、「なんですかね。難しいんですよ」と苦笑いを浮かべながらも、「僕自身はバッターなので、(ホームランは)野球の醍醐味だと思う。僕はホームランを打ちたいと思っています」と静かに頷いた。

 この日は西武の夏の定番イベント「ライオンズフェスティバルズ2019」の初日ということもあり、本拠地には多くのファンが詰めかけた。延長戦に入っても超満員のままのレフトスタンドに最高の形で勝利を届けた中村は「ビジターで打っちゃうような気もしていたんですけど、本拠地で打ててよかった」と笑った。数々の劇的なドラマを生んだ「炎獅子(えんじし)」、「獅子風流(ししぶる)」に続き、今年は令和最初の王者を目指し躍動する獅子をデザインした「令王(レオ)」ユニフォームが採用された今年のライオンズフェスティバルズ。レオの夏はこれからだ。高く打ちあがった中村のアーチが、上位追撃への号砲となる。(安藤かなみ / Kanami Ando)

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