「本当に幸せ者」 DeNA三浦、引退会見で何度も口にしたファンへの感謝

「本当に幸せ者」 DeNA三浦、引退会見で何度も口にしたファンへの感謝

DeNA・三浦大輔【写真:篠崎有理枝】

25年間の現役生活で支えとなったファンの存在、「一緒に喜びたいという気持ちでやってきた」

 今季限りでの現役引退を発表したDeNAの三浦大輔投手。20日の会見では「勝てなくなったから。先発が出来なくなったら、勝てなくなったら辞めると決めていた」と、引退の決断に至った理由を話した。

 何度もファンへの感謝を口にする姿が印象的だった。25年間の現役生活で、何が支えになったかと聞かれると、ファンの存在を挙げた。

「プロに入った時は25年もやれるとは思っていなかった。試合で勝った時にたくさんのファンの方が喜んでくれた。それが一番うれしかった。あそこにもう一度立って、一緒に喜びたいという気持ちでやってきた25年間でした」

 98年の優勝を知っている最後の選手。一番思い出に残っているのも、98年の優勝だという。会見の前日、チームは初めてのCS出場を決めた。

「98年は98年の良さがあったと思います。ただ今は、苦しい時があったからこそ、嬉しいです。いいチームになってきたと思います。何年か前は、スタジアムがガラガラだったけど、満員の中でプレーできるのは、プロ野球選手として最高のことだと思います」

 チーム、ファンも含め「横浜」が変わったと語った。

 FAで阪神への移籍が取りざたされた時期もあったが、変わっていく「横浜」を見て来られてよかったと話す。「本当に悩んだけど、横浜に残ってよかったと思います。ベイスターズをいいチームにしたいと思って、小さな力だったけど、横浜が変わっていくのを見て来られて本当に嬉しいです。たくさんのファンの方が喜んでくれて、支えてくれた。本当に幸せ者だと思います」。

会見の終盤で見せた涙、「あの応援があったからここまでやってこれました」

 通算172勝の勝ち星の中で、一番印象に残っているのは150勝の時だという。この時も、喜ぶファンの姿が嬉しかったと、当時の気持ちを語った。

「僕自身も嬉しかったですけど、ファンの方が喜んでくれているのを見て、僕も喜んでいたので思い出に残っています」

 会見の終盤、ファンへの一言を求められ「辛い時がいっぱいありました。もっと前に『もう引退かな。辞めないといけないのかな』と思うときがいっぱいありました。でも、2軍で1軍の試合のテレビを見ているとき、18番のユニフォームを着てスタンドで応援してくれている姿を見て『絶対あのマウンドへ戻るんだ』と思って、やってこれました。それだけ力を与えてくれました。あの応援があったからここまでやってこれました」と、“番長”の目から涙がこぼれた。

 ドラフト6位で当時の大洋ホエールズに入団。「球が速いわけでも、変化球があるわけでもないのに、よくここまでやってこれた」と、現役生活を振り返る。「卒業しない。できる限りやり続けたい」というトレードマークのリーゼント。プロに入った時は「もちろんプレーが一番だけど、それ以外に注目してもらいたい。目立ちたい。注目されないと使ってもらえない」という気持ちがあったそうだ。

 今後のことを聞かれると、「指導者という道も夢にはあるけれど、もっともっと勉強しないといけないと思います。将来的にはまた横浜に戻ってきたいと思います」と答えた。苦しい時を何度も支えてくれた横浜のファンの前に、リーゼントを決めた“ハマの番長”が戻ってきてくれる日が楽しみだ。

篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki

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