広島・倉、引退会見で“先輩”に感謝 「19年間やれたのは黒田さんのおかげ」

スタメン出場で先頭打者に四球与えたところで交代、「黒田さんに甘さ教えてもらった」

 25日の広島-ヤクルト戦(マツダスタジアム)の試合前、今季限りで引退が決まっている倉義和と廣瀬純が記者会見を行った。黒田博樹の1年後輩となる倉は「8番・キャッチャー」でスタメン出場。黒田が日本球界復帰後、初のスタメンマスクでバッテリーを組み、先頭打者の坂口にストレートの四球を与えたところで交代。マウンド上で黒田と握手をすると、大歓声に頭を下げて応え、ベンチに戻った。試合はその後、強い雨で中断となっている。

 試合前の練習では、選手やスタッフが、倉と廣瀬の背番号入りの特注Tシャツを着ていた。倉は「最後まで、チームとしてああいうTシャツを着ていただいて、すごく感謝しています」とチームメイトに感謝し、現役最後の試合に向けて、「まだ緊張はないですが、それがいつ出てくるかは自分でもわからない。野球をやっていて、楽しめるということはなかなかないが、今日はどうにか楽しめるようにやりたい」と話していた。

 最後にバッテリーを組んだ黒田に関しては、「自分の甘さを教えてもらった。19年間やれたのは、黒田さんの指導のおかげです」と感謝した。

 印象に残る試合は、2試合を挙げた。「黒田さんの最多勝が決まった神宮での試合。それからマエケン(前田健太)のノーヒットーノーランの試合です。黒田さんの時は、必死でワンバウンドを捕った記憶がある。マエケンは、ヒットを打たれてはいけないという、それまで味わったことのない緊張感の中、達成した瞬間は強く印象に残っている」と振り返った。

「黒田さんが帰ってくるまでは絶対に現役を続けようと思っていた」

 ここ数年は、出場機会が減っていたが、ここでも黒田の存在が大きかった。

「もしかしたら黒田さんがメジャーから帰ってくるかもしれないという気持ちがあって、それまでは絶対に現役を続けようと思っていた」

 19年目で初めてチームは優勝したが、「自分は(優勝が決まった)東京ドームの試合に行けなかったので、悔しさがある。ただ、テレビで胴上げを見て、自分も黒田さんを胴上げしている気持ちになった」と複雑な心境も明かした。

「引退を決意したのは、ここ何年も1軍の戦力になっていなかったから。今年はその気持ちが特に強かった」という倉。「今まで大きなケガがなかったのは、丈夫に産んでくれた両親に感謝したい。それからドラフトで指名してくれた人から、監督やコーチやスタッフの人、いろいろな人にお世話になった」。倉は周囲に感謝し、最後にファンに対して、「入団してから、こんな下手くそ自分を19年間も応援していただいて、ありがとうございます」と感謝していた。

大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo

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