即戦力か育成か― いよいよ20日ドラフト会議、各球団の狙いは?

即戦力か育成か― いよいよ20日ドラフト会議、各球団の狙いは?

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各球団の補強ポイントは? 25年ぶりセ制覇の広島は先発投手か

 10月20日にドラフト会議が行われる。今年も好投手が揃っており、即戦力投手はどの球団も喉から手が出るほど欲しいに違いない。大学・社会人では10年に1度の逸材とまで言われる本格派右腕、創価大・田中正義投手が競合必至。ドラフト1位候補には明大の300奪三振右腕・柳裕也投手、桜美林大の佐々木千隼投手、キレのあるスライダーを投げる広島出身の社会人東京ガス・山岡泰輔投手らの名前も挙がる。

 また、高校生投手も1位候補がズラリ。履正社の左腕・寺島成輝や甲子園V腕の作新学院・今井達也、松坂、涌井レベルの横浜高本格派右腕・藤平尚真、今夏に評価を上げた花咲徳栄の左腕・高橋昂也らが高評価を受けている。ほかにも全国各地に逸材が散らばっており、投手ではなく野手1本釣りするならば、日大の京田陽太内野手、中京学院大の吉川尚輝内野手の即戦力野手も見逃せない。

 ここで各球団の補強ポイントがどこにあるのか、見ていきたい。

【セ・リーグ】

〇広島

 今年25年ぶりの優勝を果たしたチームは菊池や丸、田中、鈴木ら野手の主力のほとんど20代。補強ポイントを挙げるとするならば、先発投手だろう。16勝の野村、15勝のジョンソン、10勝の黒田の3枚が奮闘。ここに続くのが日本人投手では福井の5勝、新人の岡田、戸田の4勝、大瀬良、藪田の3勝。勝ち星は伸びなかったが、力のある投手たち。ここに即戦力右腕が1枚入り、しのぎを削るような形になれば、さらに盤石な投手陣が作れる。一方でこれだけの大学・社会人出の投手が揃っているため、高校生投手に踏み切る可能性も捨てきれない。

〇巨人

 昨年に続き2年連続でリーグ優勝を逃した。投打ともに課題はあるが、ドラフト1位はやはり即戦力のローテ候補となる可能性が高い。昨年の今頃は来年(2016年)に計算できるローテーション投手は菅野とマイコラスのみと言われていた。結果的にそこに3年目左腕の田口が10勝を挙げて加わった。来年はこの3人を軸に投手陣の若返りが必須となる。昨年のドラフト1位右腕・桜井も肘のケガから復帰。万全ならば来季は十分のローテに入る力は持っているため、先発の底上げをしたい。

DeNAも即戦力投手がターゲットか、巻き返し図るBクラス球団は?

〇DeNA

 初のクライマックス・シリーズ進出は昨年までの中畑清監督の若手積極起用と、日本の野球を良く知るラミレス監督の采配が大きかった。野手はロペス以外のレギュラークラスは20代。本塁打、打点の2冠の筒香は地元横浜の高校(横浜高)出身で、人気実力を兼ね備えるスター選手となった。投手陣も11勝の山口を軸に、2年目左腕の石田が9勝。新人今永が8勝と近年のドラフト戦力がはまっている。もう1ランク上を行くためには外国人投手を含めた先発投手陣の強化になる。ドラフトでは例年通りの即戦力投手の指名が有力だが、地元密着型を目指している球団でもあるため、神奈川大など県内の大学、横浜高など市内の高校に通う選手の指名も十分に考えられる。

〇阪神

 今年の先発陣はメッセンジャーの12勝、岩貞の10勝に続き、能見が8勝、藤浪が7勝止まり。阪神もやはりローテ投手が必要か。ただ昨年も投手不足を露呈し、投手指名方針と見られていたが、明大の安打性製造機こと高山を指名し、ヤクルトとの競合の末、獲得。見事に球団の新人安打記録を塗り替える活躍を見せた。鳥谷の不振で北條も台頭。内野手も補強ポイントであるため、他球団が投手に目が向いているスキを見て、巧打の内野手獲得があるかもしれない。

〇ヤクルト

 昨季のリーグチャンピオンがまさかの5位。2桁勝利は一人もいなかった。ドラフト1位の原樹理は開幕ローテ入りしたがケガに泣き2勝止まり。由規は育成から復活し、来季への期待値は大きい。背番号18の杉浦も巻き返す可能性は十分にある。左腕エース石川、ライアン小川が復活し、ここにもう1枚、即戦力右腕と外国人投手が加われば強力打線とかみ合い、上位進出への期待も膨らむ。

〇中日

 今年は投手力、打力ともに持ち味を発揮できず、最下位に沈んだドラゴンズ。大野、若松の7勝がチーム最多だった。投手陣の中でも高卒新人ながら12試合に先発登板して2勝した小笠原慎之介の奮闘ぶりが光った。高校生はプロとしての体が出来上がる前にマウンドに上げてしまうと体に負担が出るが、小笠原は体の強さも1軍レベルだった。高校生ながら即戦力となった小笠原のように、力のある高校生投手の指名も考えられる。ただ、大島や平田という主力がFA権を持っており、その動向が指名に影響しそうだ。

パ・リーグ優勝の日ハムは基本方針ぶれず?

【パ・リーグ】

〇日本ハム

 その年のナンバーワンの選手を獲得するという基本方針。菅野は指名拒否となったが、有原を競合で引き当て、米国に挑もうとしていた大谷を口説いて入団させるなど、ドラフトの戦略は一貫してきた。育成選手を持たず、支配下で育成をするシステムがしっかりと根付いており、どんどん有力な高卒選手が出てきている。1位、2位こそ即戦力の指名になりそうだが、有望な高校生獲得もしていくだろう。今回は大谷、有原、増井に次ぐ先発右腕の獲得が狙いと見られる。今年も1番人気の投手指名が濃厚だ。

〇ソフトバンク

 昨年は高校生NO1右腕とされた県岐阜商の高橋純平を指名。一昨年は盛岡大付から今季1軍登板も果たした松本裕樹投手など、高校生に特化した指名が続いている。1軍は戦力豊富で投手陣も安定。戦力が落ちないように2軍施設のある筑後で若手が力をつけて、次世代に備えている。今年は高校生の投手も豊作。即戦力右腕に狙いを定めている球団も多いため、甲子園を沸かせた力のある高校生を単独指名する可能性もある。

〇ロッテ

 昨年は高校ナンバーワン野手の平沢を指名。楽天との競合の末、引き当てた。今年はおそらく投手だろう。石川歩が14勝、涌井が10勝と2桁勝利は2人。二木やスタンリッジが7勝ずつで戦力が伸び悩んだ。ここに来季2年目の関谷や唐川が絡んでくれば面白い。若い投手は2軍で力をつけている土壌もある。ドラフトでは即戦力のローテを指名したいところだ。

糸井がFA流出危機のオリックスは?

〇西武

 さらなる投手力強化へ、今年のドラフトも投手中心に編成されそうだ。野手は若手、ベテラン、外国人とバランスが良い。投手は12勝だった菊池が軸になるが、ローテにもう2、3枚力のある投手がほしい。エース・岸のFA動向も気になるところ。昨年ドラ1の多和田、一昨年のドラ1の高橋光成とともに引っ張っていける投手を指名したい。西武は独自のルートで他球団の狙いとは少し異なる力のある選手の指名をしてくることも考えられ、楽しみなドラフトでもある。

〇楽天

 ドラフト1位は高い確率で即戦力を、競合関係なく指名していく可能性が高い。エース則本が11勝、美馬の9勝と続くが安定感を欠いた。そのため来シーズンから先発ローテに入る存在が必要となる。社会人、大学が中心となるが、過去には田中将大(ヤンキース)を高校生ながら即戦力と判断し、1年目から起用。高卒でも力があれば即戦力扱いとなる。野手は茂木、オコエと将来性のある選手が揃うが、投手は安楽、松井裕とともに次世代を引っ張っていく投手が必要になってくる。

〇オリックス

 昨年のドラフトでは青学大の吉田正を1位指名。後半戦でブレイクし、8月の月間打率は3割8分2厘、4本塁打。9月も6本塁打をマークした。来年の中軸候補として期待できる。先発投手陣は2ケタ勝利は10勝の西のみだったため、即戦力投手も欲しいところだが、吉田一や山崎、東明ら近年のドラフトで大学、社会人出の好素材を獲得。彼らの奮起に期待したい。野手に目を向けると糸井がFA流出の危機。三塁、遊撃の内野陣を固定できない時期もあった。即戦力野手が加わればチーム強化につながる可能性はある。

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