日ハム大谷、大一番で輝けるワケ 勝負強い投球を可能にする高い能力と洞察力

日ハム大谷、大一番で輝けるワケ 勝負強い投球を可能にする高い能力と洞察力

日本ハム・大谷翔平【写真:田口有史】

「元々弱かった」大一番で3連勝、4回までフォークをほぼ使わず快投

 日本ハムの大谷翔平投手が12日のソフトバンクとのCSファイナルステージ第1戦(札幌ドーム)で先発し、7回1安打無失点と好投。ポストシーズンでは14年オリックスとのCSファーストステージ第1戦以来2年ぶりの勝利を挙げた。

 天王山初戦で8回1失点に抑えた9月21日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)、9回1安打完封でリーグ優勝を決めた9月28日の西武戦(西武プリンスドーム)に続き、大一番で3連勝。今季が自身初のリーグ制覇で、大舞台は「元々、弱かった」と言うが、勝負強い投球を見せている。

 投球の引き出しが、それを可能としている。

 この日は立ち上がりから真っすぐとスライダーの組み立てだった。4回までの64球の内訳は真っすぐ39球、スライダー24球、フォーク1球。三振を取りやすいフォークを使うことなく、打たせて取る投球を見せた。これには理由があったという。

「(5回表まで)0-0の僅差のゲーム。フォークは(落ちないと)本塁打になりやすい。スライダーがまずまずだったので、最初はそれでいいかなと思った。確実ではないが、(出来る範囲で)1番ベストな投球だったと思う」

 9月28日の西武戦と同じように直球、スライダーを武器にした投球。それでも、前回投球と意識は明らかに違ったという。中村剛也、メヒア、森友哉らフルスイングしてくる打者が目立つ西武打線に比べ、今季のソフトバンクは内川聖一、中村晃らファウルで粘りつつチャンスボールを待つ打者が多い。

日本最速164キロの剛速球に目を奪われがちだが…

「ライオンズ戦とは違う感じでしたけど、いい打者で粘る打者が多い。やっぱり三振を狙うより打たせて取る投球の方がいい。(三振は)要所では狙いましたけど、打たせてとる投球も出来るかなと思って投げました」

 ただ、例外もあった。4回先頭。3番・柳田悠岐を迎えた。初球スライダー、2球目160キロ直球でファウルを稼ぎ、3球目は外角高めへの161キロ直球。力感のこもった投球に、柳田のバットは空を切った。空振り三振。フォークやスライダーでかわさずに真っ向勝負したのは、試合の流れを呼び込む狙いがあったという。

「真っすぐで三振を取れば試合の流れをたぐり寄せることが出来る。予想していた球と違いましたけど、結果的に良かったです。(三振は)何が確率高く取れるか考えていますが、試合の流れがそういう感じ(真っすぐで三振を取る)だったので。次の打席へも改めて真っすぐを印象づけることは大事だと思った」

 自身のコンディションをいち早く把握。そして相手の状態、試合の流れを読んで投球の引き出しを見せていく。日本最速164キロの剛速球など圧倒的なポテンシャルに目を奪われがちだが、高い投球能力、洞察力があるからこそ、この日の7回無失点につながったと言えそうだ。

 高卒4年目の22歳。投打二刀流の難役をこなしながらも、難攻不落の投手へ成長しつつある。

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