【高校秋季東北大会】仙台育英が2回戦突破、オリックス佐藤世那の弟・令央が代打で2点三塁打

兄は昨夏の甲子園準優勝投手、代打で大仕事に「あそこまで持って行けてよかった」

 山形県で14日に開幕した高校野球の秋季東北大会。15日は2回戦6試合が行われた。天童市スポーツセンターの第1試合では、仙台育英(宮城第1代表)が角館(秋田第3代表)に7-1で勝利。昨夏の甲子園準優勝投手で現オリックスの佐藤世那の弟・令央(2年)が8回、代打で出場し、2点適時三塁打を放った。

 5-1とリードして迎えた8回、1死一、二塁。代打で令央が打席に立った。カウント1-1から2球、ファウルで粘り、133キロのど真ん中ストレートにバットを振り抜いた。打球は大きく左中間を割り、二走・若山壮樹(2年)、一走・杉山拓海(2年)がホームイン。打った令央は三塁ベース上で拳を握った。角館にとどめを刺す2点適時三塁打。令央は「アウトコースを張っていたので詰まったけど、あそこまで持って行けたのでよかったです」と笑顔を見せた。

 ポジションは兄・世那と同じ投手だが、出番は多くない。今秋の地区予選は背番号10。登板直前にチームがコールド勝ちしてしまい、マウンドに上がれなかった。それでも、ベンチの雰囲気を明るくするなど、真面目なチームを盛り上げたことやチーム事情から県大会では兄が付けていた背番号1で、準決勝と決勝で計3イニングを投げた。

「世那は世那でいいところがあるし、自分には気持ちがある」

 今大会は、県大会で主戦を担った左腕・長谷川拓帆(2年)にエースナンバーを譲っているが、「最近、ピッチャーとしての調子は良くないので、出るとすれば代打。準備はしていました。バスで移動中もバットをずっと握っていました」と、この時に備えていた。投手としてのプライドは捨てていないが、今、チームに貢献できるのはバット。「先生(佐々木順一朗監督)がこっちを見る時を逃さないように、目は離さないようにしています」と、いつでもいけることもアピールしていた。

 兄は高校2年の秋に東北大会優勝、明治神宮大会優勝まで駆け上がった。3年の春夏と連続で甲子園にも出場し、夏は決勝まで進んだ。その後は高校日本代表に入り、そして、プロ野球選手になった。

「世那はピッチャーとしての技術があったけど、自分にはない。自分が持っているのは、気持ち。そこは負けないようにと思っています。世那は世那でいいところがあるし、自分には気持ちがある。今日の結果に満足しないで、次もチャンスで打てるように準備をしたいと思います」

 高校2年の秋、公式戦全16試合に先発した兄とは違うが、自分の役割を自覚し、チームの勝利のために懸ける気持ちは同じだ。

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi

関連記事(外部サイト)