広島、苦戦の要因は田中広輔の不振… 大幅に低下した四死球での出塁

広島、苦戦の要因は田中広輔の不振… 大幅に低下した四死球での出塁

広島・田中広輔【写真:荒川祐史】

3連覇中は田中が出塁し、菊池涼が進めて丸が返す形が確立されていた

 まだ優勝の可能性は残されているとはいえ、広島に昨年まで3連覇した勢いはない。その主たる原因の1つは、タナキクマルの解体だといってよいだろう。

2016〜19年の広島、1、2、3番打者の成績(先発時のみ)

○2016年
1番 打率.265 出塁率.365 得点/試合0.706(田中)
2番 打率.310 出塁率.355 得点/試合0.657(菊池)
3番 打率.291 出塁率.389 得点/試合0.685(丸)

○2017年
1番 打率.290 出塁率.397 得点/試合0.734(田中)
2番 打率.271 出塁率.312 得点/試合0.643(菊池)
3番 打率.308 出塁率.399 得点/試合0.762(丸)

○2018年
1番 打率.266 出塁率.368 得点/試合0.685(田中・野間・西川)
2番 打率.235 出塁率.301 得点/試合0.622(菊池)
3番 打率.304 出塁率.457 得点/試合0.832(丸・バティスタ・松山)

○2019年
1番 打率.245 出塁率.311 得点/試合0.557(田中・野間・西川)
2番 打率.271 出塁率.323 得点/試合0.539(菊池・西川)
3番 打率.262 出塁率.331 得点/試合0.557(バティスタ・西川・鈴木)

 2016、2017年と田中広輔、菊池涼介、丸佳浩の“タナキクマル”は不動の1、2、3番だった。1番の田中は高い出塁率で出塁し、これを菊池が送って、丸で返すというパターンができていた。得点/試合=1試合当たりの得点も0.7前後と高く、得点力のある上位打線だった。

 2018年は田中がやや不振に陥り下位に回るなど打線の組み合わせが変わることはあったが、丸が.457という驚異的な出塁率をマークし、1、2番の得点力減をカバーしていた。しかし、今季は丸が巨人に移籍した。これに加えて、リードオフマンだった田中が絶不調で、上位打線の得点力が大幅にダウンした。

 今季は鈴木誠也、バティスタが中軸打者として活躍して上位の不振をカバーしてきた。しかし、バティスタがドーピング検査への陽性反応で出場選手登録抹消となり、打線の弱体化が懸念されている。

今季、大幅に悪化したIsoDとK/BBの数字

 田中広輔の突然の不振は深刻だ。以下は2016年以降の打撃成績だ。IsoDは四死球による出塁率。K/BBは三振数÷四球数。

2016年 打率.265 盗塁28 IsoD.102 K/BB1.55
2017年 打率.290 盗塁35 IsoD.108 K/BB1.35
2018年 打率.262 盗塁32 IsoD.100 K/BB1.57
2019年 打率.193 盗塁8 IsoD.075 K/BB2.78

 田中は3割を打ったことはない。打率は高くはないが、選球眼が非常によく、IsoD=四死球による出塁率は1割を超え、リーグトップクラスだった。三振も多い打者だが、その分四球も選んでいた。しかし、今季はIsoDは1割を大きく割り込み、K/BBも急速に悪化している。

 今季の田中の月間打率は以下の通りだ。

3、4月 .168
5月 .191
6月 .256
7月 .125
8月 .167

 6月に復調の兆しがあったが、以後も調子が上がらず。6月20日には634試合連続フルイニング出場、翌21日には635試合連続出場が途絶えた。最近は、遊撃のポジションも新人の小園海斗に奪われている。しかし、小園は31試合で遊撃を守って8失策、守備率.922と守備面で不安を残している。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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