【U-18W杯】永田監督が劣勢の中でも見せた勝利への執念 「真っすぐを狙っていけ」

【U-18W杯】永田監督が劣勢の中でも見せた勝利への執念 「真っすぐを狙っていけ」

侍ジャパンU-18代表・永田裕治監督【写真:荒川祐史】

8回に2番手右腕フェルナンデスから集中打で一挙4点を奪い逆転勝利

■日本 4-2 スペイン(30日・機張)

 初戦の難しさを指揮官も改めて感じ取っていた。「初戦は本当に苦しい。苦しかったです」。侍ジャパン高校日本代表で2年連続で指揮を執る永田裕治監督が試合後に口にした一言には全てが詰まっていた。

 開幕戦の相手は世界ランキング26位のスペイン。データもほとんどなく格下相手と思われたが4回に先発・池田が2点を失い追う展開に。相手右腕を打ち崩せず7回まで散発2安打に封じられ試合は8回まで進み敗戦ムードが漂った。

 劣勢が続く中、ベンチの永田監督は冷静に相手ブルペンを見て分析していた。

「投球練習を見ていたら、ストライクが入っていなかった。特に変化球が入っていなかった。真っすぐを狙っていけ」

 好機が訪れたのは8回。2番手の右腕フェルナンデスがマウンドに上がると2死一、二塁の好機を作り3番・韮澤の中前タイムリー、4番・石川が三塁線を破るタイムリーで同点。さらに、5番・遠藤の左中間を破る2点タイムリー二塁打が飛び出し3連続タイムリーで一挙4点を奪い逆転に成功した。

 好投を続けていた相手先発ルナは130キロ中盤の直球にスライダーを織り交ぜ、中盤以降はチェンジアップを駆使し日本打線に的を絞らせなかった。それでも、2番手フェルナンデスは変化球が入らず140キロ前半の直球で攻めてくることは想定済みだった。

 実際に韮澤は外角の141キロ、石川は真ん中低めの139キロ、そして勝ち越し打を放った遠藤も外角141キロを完璧に捉え逆転に成功。試合終盤で徹底した“直球狙い”が見事にはまった形となった。

 終盤の大逆転劇で白星スタートで飾ったが楽観視することはできない。

「打てなかったし、サインミスもあった。任せている中で、走塁とかバントの部分でね。(風も)最初からわかっていたこと。選手たちに言っているのは何が起きても驚かない。今日の試合は口で言うよりも痛感したと思う」

 逆転劇を見せた8回には戦術上で具体的には明かすことはなかったがサインミスがあったのも事実。ワンチャンスをものにしたが、一歩間違えれば完封負けにつながる恐れもあった。1次ラウンドでは南アフリカ、優勝候補のアメリカ、そして昨年アジア大会で敗れた台湾との対戦が待っている。紙一重で得た白星を今後の糧にしていくことが悲願の世界一につながっていく。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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