【U-18W杯】執念、雰囲気、2人のマイナーリーガー…日本を苦しめたスペイン代表なぜ強い?

【U-18W杯】執念、雰囲気、2人のマイナーリーガー…日本を苦しめたスペイン代表なぜ強い?

侍ジャパンと善戦を繰り広げたU18スペイン代表【写真:荒川祐史】

グループリーグ敗退も奮闘光る、水上は「しっかりとした野球をしていました」

 韓国・機張(きじゃん)で開催中の「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(全試合テレビ朝日系列・BS朝日・AbemaTVで放送)。日本はオープニングラウンドを4勝1敗で終えた。5日からのスーパーラウンドに駒を進めることはできたが、苦しい戦いが続いた。初戦のスペイン代表との試合は8回2死までリードを許す展開。逆転勝利を収めたが、国際ランキング26位のチームに追い詰められた。“格下”とは言えないほど、スペインの野球はしっかりとしていた。

 日本のアウトがひとつずつ増えるたびに、スペイン捕手のゴンザレスは大きく、そして情熱的なガッツポーズを披露した。得点が入った4回にはナインがベンチを飛び出して、お祭り騒ぎに。日本を相手に互角、いや、それ以上に戦えている喜び、野球を楽しんでいるように見えた。

 先発のルナが7回まで日本打線を2安打無失点に抑える好投を見せた。国内リーグのCBバルセロナに所属している右腕のテンポの良い投球に四苦八苦。3番の韮澤雄也内野手は「動くボールもあった。吊り球に手を出してしまっていた」と反省。最初はベンチから戦況を見つめ、最後にマスクをかぶった水上桂捕手は「追いこんでからでも、しっかりとセンターに弾き返されたり、しっかりとした野球をしていました」と振り返った。永田裕治監督もデータは少ないが「レベルが高いと聞いている」と話していたように、選球眼の良さ、堅実な守備、先発投手の安定と、確かな力があった。

今回のメンバーには2人のマイナーリーガーも所属

 スペインの野球の歴史は古いが、1992年のバルセロナ五輪で野球が正式種目になり、開催国として出場した頃から本格的な強化が始まった。かつてはスペインと南米の野球の強豪国であるドミニカ共和国やプエルトリコ、ベネズエラらとの二重国籍の選手が代表に在籍し、国際大会に出場。米マイナーリーグでプレーする選手もおり、チーム全体の底上げを図ってきた。2013年には1次リーグで敗退したが、ワールドベースボールクラシック(WBC)に出場した。

 ドミニカ共和国やプエルトリコのような破壊力はないが、一球に対する執念や、勢いに乗ったら止まらないような雰囲気はどこか南米の強豪たちと通ずるものがあった。また、今回のU-18代表のメンバーの中に2人、米マイナーチームと契約し、ルーキーリーグに所属する選手もいる。

 ブルージェイズ傘下のマルク・シビト投手と、先日、ドジャースと契約したエドゥアルド・ドミンゲス投手。シビト投手の父サビエル氏もエクスポズ(当時)と契約し、マイナーでプレーしたスペイン野球のレジェンドとされる存在だ。脈々とその血が受け継がれている。

 今回のメンバーは国内リーグに所属している選手がほとんど。リーグは財政面や環境面は厳しいが、野球を目にする機会も増え、野球人口は増えている。今回は善戦したが、日本、台湾、米国のスーパーラウンド進出が決まり、敗退が決まった。しかし、世界を震撼させる日もそう遠くはないと感じた。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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