【U-18W杯】韓国に痛恨サヨナラ負けの日本、響いた終盤の3つのミス 専門家は「そこに尽きる」

【U-18W杯】韓国に痛恨サヨナラ負けの日本、響いた終盤の3つのミス 専門家は「そこに尽きる」

侍ジャパンU-18代表は延長10回タイブレークの末4-5で韓国代表に敗れた【写真:荒川祐史】

7回のチャンスで代打・熊田、「勝負に勝った」も…「後ろに皺寄せが来てしまった」

■韓国 5-4 日本(6日・機張)

 韓国・機張(きじゃん)で開催されている「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(全試合テレビ朝日系列・BS朝日・AbemaTVで放送)は6日、スーパーラウンド第2戦が行われ、野球日本代表「侍ジャパン」高校代表は韓国に4-5でサヨナラ負けを喫した。延長10回タイブレークで痛恨の敗戦。ミスから崩れて失点を重ね、決勝進出は極めて厳しい状況となった。

 ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手としてプレーし、昨年までヤクルトで2年間バッテリーコーチを務めた野球解説者の野口寿浩氏は、オープニングラウンドから何度も出ていたミスからの敗戦に「(敗因は)そこに尽きます」と指摘。8回以降の2つの悪送球、そして1つの走塁ミスが痛かったと分析する。

 先発の佐々木がアクシデントで1回で緊急降板するというまさかの展開。しかし、2番手の西が5回まで無失点と踏ん張ってゲームを作り、3番手の飯塚も3者凡退の快投。直後の7回に好機でその飯塚に代打・熊田を送り、先制点をもぎ取った。さらに、水上のタイムリーで貴重な2点目。ところが、8回2死二、三塁で好投していた宮城がナム・ジミンを三ゴロに打ち取りながら、石川がワンバウンドの悪送球で2者が生還し、同点に追いつかれた。

 タイブレークの延長10回は武岡が1死二、三塁で右越えの適時打を放ち、2点をもぎ取ったが、一気に三塁を狙ってアウトに。すると、その裏は5番手で林を投入したが、先頭打者の犠打を一塁悪送球。1点差とされ、四球で無死満塁となったところで6番手の池田を投入したものの、押し出し四球で同点に。厳しい場面で踏ん張っていた池田だが、最後はセンターへの犠飛を許してサヨナラ負けを喫した。

 野口氏は「タイムリエラー、押し出し、犠牲フライで計5失点。ミスが響きました。(敗因は)そこに尽きますね。勝てば決勝も近いところに見えましたし、韓国に引導を渡せたのですが……」と振り返り、石川の悪送球については「ちょっと硬くなったのかなと。緊張感もあったでしょうが。捕り方も硬かった」と指摘。本職はショートながらこの大会では急造一塁手を務める韮澤の動きについて「一塁が止めに入っていれば1失点で済んでいたとは思います。一塁が本職の選手とか、捕手が一塁に入っていたりすると、条件反射的に止めに入るものなので。遊撃の選手はやはりあそこでボールを捌こうとするでしょうね」としながら、「当然、まずは三塁がしっかり投げなくてはいけない場面なのですが……」と話した。ミスや選手起用など、悪い条件が重なっての2失点となってしまった。

 また、タイブレークでの林の悪送球については「まずはあそこで林を起用したことがポイントになりました。バント処理がうまいからということでしたが、最初から池田に行かせて、強い球や動く球でバント失敗を狙ったほうが良かったのかもしれません。ただ、これも完全に結果論なので」と言う。やはり、あの場面でバント処理がうまい林が手にボールがつかず、悪送球が出てしまったことが痛かったという。

「7回のチャンスで飯塚に代打を出したのは完全に勝負手でした。代打の熊田が先制タイムリーを打って、その勝負には勝ちましたが、最終的には後ろに皺寄せが来てしまった」

「走塁ミスがあった次のイニングというのは失点する確率が非常に高い」

 もう1つポイントとなったのは、延長10回の攻撃で2点を奪った場面。値千金の一打を放った武岡が、三塁を狙ったもののアウトに。2死走者なしとなって2点どまりだった。野口氏は言う。

「はっきりと言えば、武岡は200%以上セーフでなければ(三塁に)行く必要のない場面でした。二塁で止まってなおも1死二塁となっていれば押せ押せだったでしょうし、あの状態の韓国のピッチャーがピンチが続いて3、4番を打ち取りに行けたのかと考えると、あれも走塁ミスと言えるでしょう。あれで少しゲームが落ち着く形となってしまった。

 実は走塁ミスがあった次のイニングというのは失点する確率が非常に高い。ゲームの流れだと思うのですが、ヤクルトでバッテリーコーチをやっていた時には、走塁ミスがあった直後のイニングは捕手に『ここは死に物狂いでゼロに抑えてこい』と言っていました。本当に不思議なくらい走塁ミスの次の回は失点してしまうものなのです。なので、日本としてはみんなでカバーしたかった。

 ただ、2失点した8回の守備で無死一塁から韓国の選手のバントがピッチャーの宮城の頭を越えて内野安打になったあたりから、日本にはツキはなかったとは思います。あれも向こうのバントのミスでしょう。どちらに試合が転がるか分かりませんでしたが、韓国に流れが傾いていたとは感じました」

 流れが良くない中で8回以降に日本にミスが重なり、最後は力尽きるという結果になってしまった。

 若き侍たちは、7日にスーパーラウンド最終戦のオーストラリア戦に挑む。日本が勝ち、なおかつ台湾と米国がともに敗れるという極めて厳しい条件で決勝進出の可能性が出てくる。ただ、まずは勝たなければ道は開けないことは確かだ。

 野口氏は「(5-1で勝利した)カナダ戦を見れば分かるように、ミスのない野球ができれば勝てるわけです。カナダ戦は打つ方は苦しみましたが、守る方は無失策で1失点でした。エラーさえ出なければ、取られても1、2点。エラーが出てしまうと、5点も取られてしまう」と指摘。そして、オーストラリア戦に向けて「ここまでフル稼働してきた西と宮城には頭が下がる思いです。ただ、オーストラリア戦では2人とも球数制限のルールで投げられないので、投手陣もみんなで力を合わせて踏ん張ってほしい」と、日本の強みである投手力を生かしての勝利に期待を寄せた。

 悲願の世界一を目指す日本。可能性がある限り、全力で目の前の1勝を掴みにいくしかない。(Full-Count編集部)

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