【高校野球】同僚は中日1位 大学進学の侍J遊撃手、守備の自信を取り戻し「4年後プロへ」

【高校野球】同僚は中日1位 大学進学の侍J遊撃手、守備の自信を取り戻し「4年後プロへ」

侍ジャパンU-18代表にも選出された東邦・熊田任洋【写真:編集部】

U-18侍ジャパン高校日本代表に選ばれた東邦・熊田、守備は「自分が向きわないといけない課題」

 10月のある日、愛知・東邦高を訪ねた。今年8月末から9月8日まで行われていた「第29回WBCS U-18ワールドカップ」に出場していた熊田任洋内野手は毎日、欠かさずスローイングの練習を続けている。「自分が向き合わないといけない課題」とし、グラウンドでも、自宅でも、時間があればネットに向かってボールを投げている。“1か月前”の自分を乗り越えるためだった。

 熊田は遊撃手が6人選ばれたメンバーの中から、レギュラーを勝ち取り、開幕から4試合続けて、ショートで先発出場。DHでも起用され、大会通算打率.318、8打点の活躍。1次リーグの米国戦では「6番・遊撃」で4打数2安打4打点とバットコントロールの高さを見せた。しかし、悪天候となった1次リーグ台湾戦の守備で、遊ゴロを悪送球。敗戦につながる失策を犯し、残りの4試合、熊田が遊撃のポジションを守ることはなかった。

 自信を失ってはいないか――。守備範囲が広く、これまで東邦のピンチの芽を何度も摘んできた。代表でもそれまでは安定した守備を見せていたが、不慣れな国際大会のワンプレーで、将来有望な選手の未来に陰りがあってほしくなかった。

「W杯が終わって、自分がこれから上を目指していくためには、守備と向き合わなくてはいけない課題だなと思いました。ボールを取ってからのスナップスローとか、安定感をもっと出していかないといけない。もっと足を動かしていかないといけないと思っています」

「僕はまだまだプロに行けるようなレベルには達していない。大学でレベルを上げたい」

 守備もある程度の自信はあったが、勝利した3戦目のアメリカ戦から、熊田は雨の中の守備に「気持ち的にひいていた」とマイナス思考になってしまった。「グラウンドの状況で自分がそういうことになるのは今までなかったんです」。そして迎えた台湾戦。雨は試合前から降り、コンディションは悪かった。1-1の同点の5回裏。熊田はショートの守備で、2失策。そのうちの1つの悪送球は失点につながり、勝ち越された。不安な気持ちを拭うことはできないまま、国際大会の怖さを知った。

「帰国後、中学時代にお世話になったコーチの方たちにも話を聞いて、東邦でも練習して、自分でも考えながらスナップスローの練習を意識してやっています。この練習は家でもできることなので、ネットに向かって、ボールを投げています」

「あのときは、気持ちは沈みましたが、僕は(メンバーに)選ばれたことが奇跡だと思っています。たくさんショートがいる中で、使ってもらえたので、自信にはなっています。あまりいい思い出ではないですが、過去は過去。これからやっていくうえで足りないものが見つかったので、前を向いてやっていきたいと思います」

 同僚の石川昂弥内野手が中日から1位指名を受けた。「僕はまだまだプロに行けるようなレベルには達していない。大学でレベルを上げたいです。(石川と)また一緒にプレーできたらいいですね」。

 失いかけた自信を取り戻した4年後、熊田は石川と同じ舞台で戦うことを信じて、新たなスタートを切る。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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