【女子プロ野球】「本当に辛い時期があった」 人生の全てを女子野球に捧げた36歳が涙の引退

【女子プロ野球】「本当に辛い時期があった」 人生の全てを女子野球に捧げた36歳が涙の引退

8日に行われた引退試合のマウンドに上がった京都フローラ・小西美加【写真:荒川祐史】

通算229試合に登板し82勝55敗、防御率は2.38 リーグ史上初の1000イニングを達成した小西

 女子プロ野球を今季限りで退団する選手たちの引退試合が8日、京都・わかさスタジアムで行われた。この試合に出場しなかった選手を含め36選手がユニホームを脱ぐことになった。

 その中には球団創設からプレーを続ける女子野球界のレジェンド・小西美加の姿もあった。2010年から投打の二刀流として活躍しMVP、最多勝、最優秀防御率、本塁打王、など数々のタイトルを獲得。プロ10年で通算229試合に登板し82勝55敗、防御率は2.38。リーグ史上初の1000イニング(最終的に1022イニング)投球と前人未到の数字を叩き出した。

 小西は36歳と女子プロ野球では大ベテランの域だが今季も11勝を挙げるなど京都フローラの主力投手として活躍した。それでも今季で10年目を迎え新たな改革を進める女子プロ野球機構。来季もプロ契約を希望したが構想外であることを告げられ現役生活に区切りを付けたという。

 それでも、女子硬式野球を普及するため人生の半分をつぎ込んだ小西は涙を浮かべ感謝を口にした。小学時代の野球チームでは唯一の女子としてプレー。女子硬式野球を諦めきれず男子に交じってプレーするなかで心無い言葉も受けてきたという。20年以上前には女子野球は今以上にマイナースポーツだった。

幼い頃は心無い言葉も受け辛い時期を過ごす「野球は男子のスポーツ」「女子が野球をやるなんて」

「女子が野球をやるなんて失礼とか、ユニホーム姿でトイレに入る時も迷った時もあった。野球は男子のスポーツなのになぜ女の子がやってるの?って。色々な人に馬鹿にされたりして、幼い頃は本当に辛い時期があった。親にもやめろと言われて一時はソフトボールもしましたが、今では一番、声援を送ってくれるのは両親でしたね」

 高校、大学とソフトボールを続けたが野球への夢を諦めきれず大学中に女子硬式野球日本代表のセレクションを受け合格。ワールドカップにも2度出場し、2010年の女子プロ野球創設メンバーとしてここまでプレーを続けてきた。

 現役選手としてまだまだやれる自信はあるが「自分の心にあるのは立場が変わるということ。今までやってきた10年間は無駄なんか無かった。これをいかして野球界に貢献していこうと思っている」と、現役引退を示唆していた。

 地元・京都で女子野球チームを作る、世界を飛び回って女子野球の普及活動を続ける……。女子硬式野球界のレジェンドは志半ばでユニホームを脱ぐことになったが、幼き頃から変わらない女子野球への思いを胸に新たなスタートを切る。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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