DeNA関根、メキシコ3か月武者修行で掴んだ自信「すごく楽しみなシーズンになる」

DeNA関根、メキシコ3か月武者修行で掴んだ自信「すごく楽しみなシーズンになる」

ヤキス・デ・オブレゴンでプレーしたDeNA・関根大気【写真:福岡吉央】

メキシコのウインターリーグでは55試合出場、「1番・中堅」として打率.292、20盗塁をマーク

 メキシコのウインターリーグに参加し、ヤキス・デ・オブレゴンで約3か月プレーした横浜DeNAベイスターズの関根大気外野手。主に「1番・中堅」で55試合に出場。打率.292(リーグ13位)、0本塁打、19打点で出塁率.365(同13位)、46得点(同2位)、5三塁打(同1位)、20盗塁(同3位)とリードオフマンとしての役割を果たした。チームをレギュラーシーズン前後期ともに首位へと導いた関根に、海外での武者修行についてインタビュー。約3か月間のメキシコ生活について振り返ってもらった。

――3か月間過ごしたメキシコはいかがでしたか?

「楽しかったですね。本当に野球を楽しめました。悔しい失敗も沢山しましたけど、充実した毎日を送ることができました。いろんな人に支えられて、私生活から野球の取り組みまで、自分が成長しながらいろんな経験ができて幸せだったなと感じています」

――実際にメキシコに行ってみて感じたことは?

「全てのことが想像と違いました。移動の大変さや野球に対する姿勢。監督、コーチがどんな指導をするのか。想像とまったく違った。他の人から話を聞くだけではなく、実際に向こうに行ってみないと分からない、という言葉の意味を知ることができました」

――打撃成績に対する満足度はいかがでしたか?

「個人の成績としてはそんなにいいものではなかったと思いますけど、その中で得点だったり、いろんなものを積み重ねることができたのは、後ろの打者やチームメートに支えられたからだと思っています。もっとやれていたら数字ももっと良かったので、そこは悔しい。皆に助けてもらってある程度の数字にしてもらったという感覚です」

メキシコ武者修行で「1勝に対する重みが変わりました。支えてくれる人たちのおかげで野球ができる」

――収穫になったことはありましたか?

「打撃で結果が出る時、出ない時がありましたが、結果が出ない時の課題は、日本で気付いていたこと以外のことも見つかりました。感覚的なことなので口で説明するのは難しいですが、調子が悪い時の修正の引き出しが増えたことは良かったですね。去年は日本では1軍で全然数字を残せなかった。メキシコに行って、最初結果が出なかった時にいろんなことを試した中で、最終的にファームでやっていた自分の打ち方に変えたことで数字が上がっていったんです。自分が変えないといけないこと、変えなくていいことがそれぞれ何なのかがすごく分かったので、メキシコに行って実戦をやってよかったなと思いました。今年やっていくべきことはこれだ、という道が見えた期間になりました」

――向こうの打者を見て感じたことは?

「1人1人いろんな打ち方があって、見ていてすごく勉強になりました。逆方向に飛ばせる選手がいたり、逆に筋肉があっても飛ばない選手もいたりした。その差は何なんだろう、といろいろ考えながら見ていました。それによって、自主トレで試してみたいことも増えました。MLBのパドレスでプレーしているチームメートのルイス・ウリアス遊撃手なんて、僕よりも身長が小さいのに逆方向に大きな当たりを打っている。もちろん打ち方もありますが、身体能力、人種の違いだけじゃないんだなということを知れた。ということは、自分にもチャンスがあるし、まだまだ伸びしろがあるんだなと思うことができました」

――メンタル面でプラスになったことはありましたか?

「(一時は打率が3割を超えたものの)最後は数字を上げきれなかったですが、それには原因がいくつかあって、その時その時でその原因が何なのか、やりながら気づけたこともありました。日本で6年間やってきたことで培った引き出しとは別に、メキシコに行っていろんなことを知って引き出しが増えました。分かったのは、自分が欲を出してしまうと、結果が出ないということ。打席で頭の整理ができていたか。そこがすごく大事だなと思いました。それがうまくいっている時はヒットが出なくても内容がいい。逆に、それができていない時は欲を出してしまっていた。でも、そこは絶対に無くすことができる部分。欲はどうしても出てしまうものですが、それをいかに少なくしていくかが大切だと改めて感じました。メキシコのウインターリーグは日本のシーズンと比べて期間が短いので、そういう所を少しでも少なくしていかないといけないなと思いました」

――メキシコの投手の印象はいかがでしたか?

「自分が考え過ぎたら結果が出なかったことがすごくありました。向こうの投手は裏をかいてくることがなく、『えっ、ここでこうくるか?』と思うくらい、本当にストレートな配球が多かったです。『あいつだったら、これでいけるだろ』くらいの感じで、どの投手も自信を持って、打者を見下して投げてくる。準備の仕方が大事だなと思いましたし、1球目から自分のスイングができないと、相手は見下して投げてくる。その中で自分も真っ向勝負で振っていくことが大事だと思いました。配球に関しては日本と多くの違いがありました」

メキシコでは凡打でも「ファンの方が声をかけてくる。優しいファンの人たちに助けられました」

――野球の価値観で変わったことはありましたか?

「1勝に対する重みが変わりました。自分自身が野球をやらせてもらっていること以前に、誰かの支えがあって、今日を生かせてもらっているということをすごく感じました。それで僕の1打席がある。ユニホームがあったり靴があったり……。日本では当たり前のようにもらっていましたが、そうやって支えてくれている人たちのおかげで野球ができる。感謝することで見えてきたものがたくさんありました」

――2018年も12月に約1か月間、ドミニカ共和国で自主トレをしました。

「ドミニカでは試合には出なかったので、経験としては全く違うものでした。メキシコで過ごした時間が自分の人生に上乗せされた。今まで日本でしか生活したことがなくて、こうして海外で時間を過ごせたことだけでもすごく大きかった。人生の中でこういう経験ができたことが嬉しいです。話で聞くのではなく、自分で決断して、球団からもこういう機会を与えて頂いて、メキシコで時間を過ごせたことでいろんな縁も生まれましたし、幸せな時間でした」

――チームメートはどうでしたか?

「本当に助けてもらったからやってこれましたし、3か月やって充実感がありました。もし、よそ者扱いされていたら感じることも違ったと思います。勉強になったこともたくさんあり、感謝しかないです。アジア人が珍しいから声をかけてくれたというのもあったと思いますが、自分でも自分なりに彼らとコミュニケーションを取ろうと思ってやっていました。ベンチでのハイタッチとかもやり方が日本とは違う。でも、向こうに行ったら向こうのことをやってみたいと思っていたので、それをして溶け込んだ結果もあって、受け入れてもらえたのかな。本当にこのチームで良かったなと思います」

――ファンの反応はどうでしたか?

「ファンの方たちも、ヒットを打った時だけでなく、凡退の時でも受け入れてくれているのをすごく感じました。チームメートだけでなく、ファンの方も、凡退しても声をかけてくれるんです。彼らにとって、僕のことは最初はまったく知らない選手だったと思いますが、優しいファンの人たちに助けられました。自分も嬉しかったですし、受け入れてもらったことで、数字も上向いていった。数字に関しては納得はしていないですけど、数字以外の部分でも皆に受け入れてもらえたかなと思います」

不慣れなメキシコ生活「スペイン語の簡単な単打だけど通じたことが嬉しかった。向上心を高めることができました」

――生活面はいかがでしたか?

「生活もめちゃくちゃ楽しめました。普段は通訳の方がいてくれましたが、例えば1人で食事に行った時とかに、スペイン語の簡単な単語だけど通じたことが嬉しかった。ああいう経験ができたことは楽しかったですし、(語学に対する)自分の向上心を高めることができました。1人でいる時に、伝わらない、伝えきれない、相手の言葉が分からない、という失敗も多かったですが、私生活でいろんな失敗があったことで、それが向上心になりました。メキシコに行く前に、もっと言葉を覚えて準備しておけばよかったなとも思いましたし、逆に言葉を話せるというのは1つの武器になるなとも感じました。あとは皆、優しくて、すごく人に助けられたので、自分の考え方を改められるいい機会になりました」

――何か人生観が変わったことはありましたか?

「向こうの文化や、カトリックという宗教的な部分もありますが、彼らは常に誰かに感謝している。それが日本よりも強いと感じました。練習前に毎日行うイエス・キリストへのお祈りなど、向こうの人がしていることには意味があるというのを肌で感じることができましたし、自分ももっといろんなことに感謝しないといけないなと感じました。感謝することでいろんなことが見えてきますし、生活の面でも勉強になりました」

――7年目となる今季への思いは?

「まずは自主トレが本当に大事だと思っています。しっかりシーズンを想定してやっていくことが大事。立場は去年と変わらないので、まず結果を残さないと上(1軍)にはいけない。その中で準備が大切だとメキシコでやって改めて思いました。準備をしっかりすることが全て。準備したことがそのまま試合にも出ると思うので、それをできるかどうか。そこをしっかり毎日やって、結果を残せるシーズンにしないと、もう6年もやらせてもらっているので、(契約も)そろそろ終わりになってしまう。でも、やれると思っています。メキシコでも自信をつけることができましたし、すごく楽しみなシーズンになるかなと思っています」(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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