惹きつけられる嶋基宏の人間性 自主トレで見えたリーダーシップ、気配り、笑い…

惹きつけられる嶋基宏の人間性 自主トレで見えたリーダーシップ、気配り、笑い…

自主トレを行ったヤクルト・嶋基宏【写真:福谷佑介】

鷹・甲斐ら自主トレメンバーや集まった在福報道陣を爆笑させた嶋の魅力

 19日、沖縄・金武町で報道陣に公開されたソフトバンクの甲斐拓也捕手の自主トレ。4年連続日本一を目指すホークスの正捕手の自主トレ公開ということで、グラウンドには約30人ほどの在福メディアが集まった。

 もちろん報道陣のお目当ては甲斐。だが、この自主トレで大いに笑いを誘い、盛り上げ、そして福岡のメディアの注目を集めた人物がいた。この自主トレの主で、今季からヤクルトに移籍する嶋基宏捕手だった。

 とにかく明るい。朝9時から約6時間に渡ったこの日の練習。メニュー自体は下半身強化にテーマが置かれ、かなり過酷なものであった。35歳になるベテランは、それでもメンバーの先頭に立ち、声を張り上げて、そのムードを大いに盛り上げた。

 それだけでなく甲斐目当てに集まった福岡のメディアに対しても度重なるリップサービスを見せた。福岡名物を挙げて「めんべい(辛子めんたいこ風味のせんべい)待ってます!」「めんたいこ送られてくるんちゃうん? オレ魚卵食べられないよ!」と声を張り上げて、大きな笑いを誘った。

 さらに、一緒に自主トレを行っている石原彪捕手が練習中にミスし“おかわり”すると「福岡のニュース間に合わなくなっちゃう!」と茶化して周囲は再び爆笑。敗者のメニューがキツくなる練習では、最年長にも関わらず、見事にジャンケンでビリに。言い出しっぺで最もトレーニング量が多くなり、これにも甲斐たちは爆笑していた。

昼休憩時には甲斐から報道陣に昼食が差し入れ、タコライスを発案したのは嶋

 この日の昼休憩時には集まった報道陣全員に甲斐から昼食の「タコライス」が差し入れられた。タコライスの創始者の店である「キングタコス」の品だったが、この「タコライス」をアイデアとして出したのも嶋だったという。終始、明るい雰囲気で行われていた嶋と甲斐の自主トレ。そこには嶋の人柄が現れているようだった。

「練習でも声を出しますし、今日も練習していても周りを惹きつけるものがある。自然とこっちも笑顔になって、付いていこうと気持ちになる。僕もそういう風になりたいと思いますし、ならないといけない。そのためにこの自主トレをお願いしましたし、何か支えられる選手になりたいと思う」

 自主トレ公開を終えた甲斐は、嶋の人間性と憧れについてこう語っていた。東日本大震災の直後に「見せましょう野球の底力を」とスピーチし、多くの感動を誘った嶋。日本プロ野球選手会の会長を務め、楽天のキャプテンとして初のリーグ優勝と日本一にチームを導いた。中学、高校、大学、そしてプロとキャプテンを任され続けてきたことも、嶋のキャラクターを表していると言えるのではないか。

 普段、嶋を取材していたわけではないのだが、この日の姿に特段、惹きつけられるものがあった。13年間在籍した楽天から、今季はヤクルトへと移籍する嶋。新天地で再び活躍し、球界を盛り上げてくれることを期待したい。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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