マテオとドリス 数値で見る、阪神「勝利の方程式」の進化

今季はマテオがセットアッパー、ドリスがクローザーで抜群の安定感

 阪神が快調に首位を走っている。好調の要因はいろいろあるが、マテオ、ドリスという「勝利の方程式」ができていることも大きい。

 もともと阪神は外国人選手の「目利き」には定評がある。投打にわたって優秀な外国人選手を獲得してきた。しかし救援投手が2人同時に活躍するのはめったにないことだ。

 マルコス・マテオ、ラファエル・ドリス。ともにドミニカ共和国出身。右投手。ドレッドヘアで、容貌も似ている。マテオが188センチ、ドリスが195センチ。背が少し高い方がドリス、と覚えればいいかもしれない。年齢はマテオが33歳、ドリスが29歳だ。

 ちなみに阪神にはまだ1軍で投げていないが、ロマン・メンデスという、これまたドミニカ共和国出身で、ドレッドヘアの右投手がいる。

 ややこしいことに、昨年は主としてマテオがクローザー、ドリスがセットアッパーだったが、今年はドリスがクローザー、マテオがセットアッパーだから、余計に混同しそうだ。

両投手のこの2年間の成績は…

▽両投手の2年間の成績

◯マテオ
2016年
52試合1勝3敗20セーブ7ホールド 防御率1.80
2017年
18試合3勝0敗0セーブ12ホールド 防御率2.04

◯ドリス
2016年
34試合3勝3敗8セーブ9ホールド 防御率2.12
2017年
20試合0勝2敗15セーブ1ホールド 防御率1.89

 昨年のキャンプでは、2人は練習も移動もずっと一緒。言葉が通じることもあり、仲がよさそうだった。実は2人はシカゴ・カブスのマイナーでもチームメートだった。同時期にメジャーの試合で投げたことはなかったが、顔なじみだったのだ。

 2016年は、マテオがクローザー、ドリスがセットアッパーだったが、マテオは5月中旬に右肩故障で一時戦線離脱、その間はドリスがクローザーを務めた。しかし、ドリスは右ひじに違和感を覚えて7月28日を最後に登録抹消され、以後は再びマテオがクローザーを勤める。ドリスは10月に右ひじを手術。阪神は自由契約とした。

 今年のキャンプは、ドリスと新加入のメンデスが参加したが、阪神はドリスの肘が回復していることを確認して、キャンプ終盤の2月23日に再び契約を結んだ。

 両投手の今季の投球内容をもう少し詳しく見てみよう。

数値で見るマテオの安定感、ドリスの進化

マテオ
【奪三振率】
2016年9.06 2017年9.17
【K/BB】
2016年2.33 2017年2.25
【1イニング当たり投球数】
2016年16.36 2017年17.26

ドリス
【奪三振率】
2016年9.53 2017年12.79
【K/BB】
2016年2.25 2017年5.40
【1イニング当たり投球数】
2016年15.44 2017年16.10

 マテオは2016年とほとんど変わらない投球内容、昨年同様、安定感のある投球をしている。これに対しドリスは奪三振率が大幅にアップ。四球も減ってK/BBは5.40とリーグトップクラスになっている。

 速球の球速は2人とも156キロ前後。今季の球速にも変化はないが、ドリスは制球力が向上し、球の切れも増している。ドリスをクローザーに回したのは正解だと言えるだろう。

 2人ともに投球数が増えている。長いイニングを投げる先発投手の場合、これは良いこととは言えないが、短いイニングをまかされるだけの救援投手の場合、じっくり攻めるのが良い場合もある。昨年は、原口文仁や他の捕手とバッテリーを組むことが多かった両投手だが、今年は梅野隆太郎だけ。この違いも大きいかもしれない。

 ドリスは手術を経て以前よりもパワーアップした。メンデスが2軍で19試合10セーブ、防御率1.37と活躍していることも刺激になっているのかもしれない。

 怖いのは登板過多による故障だが、ドミニカコンビの「勝利の方程式」が健在である限り、阪神はペナントレースを優位に戦うことができるのではないか。

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

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