打撃V字回復の阪神・鳥谷、近づく2000本安打 今季好調の要因は?

打率3割超え&出塁率リーグ1位の鳥谷

 最近の阪神の好調の原動力はベテラン野手の活躍によるところが大きい。中でも鳥谷敬は、昨年まで守備でも打撃でも衰えが目立っていたが、今季は鮮やかに復活している。

 阪神は5月19日までに38試合を消化したが、昨年の同じ試合数までの鳥谷の打撃成績を比較しよう。

○2016年
38試合132打数32安打1本塁打14打点23四球25三振、打率.242

○2017年
38試合126打数39安打1本塁打17打点24四球18三振、打率.310

 ひと目でわかるように安打、四球が増え、三振が減っている。打率も3割を超えている。打者としての鳥谷の最大の持ち味は、選球眼の良さだ。じっくりと投球を見極める技術はセ・リーグでもトップクラス。今年の鳥谷は安打数も大幅に増えたため、出塁率.414はリーグ1位になっている。それに加えて三振も大幅に減少、四球数が三振数を上回っている。

打撃成績向上には三塁コンバートも影響?

 打撃成績の向上は、糸井嘉男の加入が大きいと思われる。糸井が打線に加わることで、鳥谷は昨年より投手のプレッシャーが軽減され、楽に打席に立っているのではないか。そして守備位置が遊撃から三塁に代わったことも大きい。

 三塁手としての鳥谷は、とりたてて優秀とは言えない。セ・パ両リーグの規定試合数以上の三塁手のRFG(守備範囲を示す数値、守備機会÷試合数)と守備率(18日時点)は以下の通り。

  RFG  守備率
ダフィー(ロ) 2.69  .963
ウィーラー(楽)2.65  .918
マギー(巨)  2.42  .989
中村剛也(西) 2.21  .987
レアード(日) 2.18  .902
松田宣浩(ソ) 2.18  .978
小谷野栄一(オ)2.16  .947
鳥谷敬(神)  2.08  .963
安部友裕(広) 1.79  .926

 三塁手として、鳥谷は守備範囲が狭い。またすでに3失策しているように、確実性があるとも言えない。しかし、今季は守備面での問題点を指摘されることは少なくなっている。内野守備の要、遊撃手に比べれば三塁手は守備への期待値が小さいからだ。

三塁コンバートで選手寿命も延びる?

 そして何より、三塁手は守備機会が少ない。18日時点で阪神の遊撃手・北條史の守備機会は149(刺殺56、補殺93)、三塁手鳥谷は77(刺殺24、補殺53)。単純に言えば鳥谷の守備の負担は半減した。これが打撃に良い影響を与えていると思われる。

 遊撃手から三塁手にコンバートされて選手寿命が延びた選手としては、ヤクルトの宮本慎也が記憶に新しい。38歳まで正遊撃手をつとめた宮本はその後、三塁手にコンバートされ、2009年に自身同ポジションで初めてゴールドグラブ賞を受賞。43歳の年まで現役を務めた。

 35歳の鳥谷もこれで選手寿命が延びるかもしれない。19日時点であと89安打で2000本安打。その次には阪神歴代最多安打、藤田平の2064安打が控えている。ベテラン選手の力を発揮するのはこれからだろう。

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

関連記事(外部サイト)