選抜覇者・大阪桐蔭にスキなし、公式戦16連勝「それでも相手を圧倒したい」

選抜覇者・大阪桐蔭にスキなし、公式戦16連勝「それでも相手を圧倒したい」

大阪桐蔭の選手たち(写真は大阪大会優勝時のもの)【写真:沢井史】

自主ミーティングで意思確認、選手が見せる意識の高さ

 4日に行われた春季近畿地区高校野球大会は、大阪桐蔭が東海大仰星を18-0と投打で圧倒し優勝。今春のセンバツから続く公式戦16連勝で、春の戦いを締めくくった。

 最後まで気を緩めない攻撃。そして投手リレー。今春の大阪桐蔭の戦いぶりは、とにかく最後まで凄まじかった。センバツで安定感を見せたエース徳山壮磨を温存し、府大会の序盤戦は徳山以外の投手の継投で勝ち上がってきた。野手もセンバツで出場機会が少なかった選手たちを優先的に起用し、経験を積ませて、まず府大会を制した。

 センバツで優勝しても、選手たちの意識は変わらない。「春の山を下りて、再び夏の山を目指す」と西谷浩一監督が話していたように、選手たちのモチベーションはセンバツ後すぐに夏に向けられていた。何より選手たちの口から、このような言葉がよく聞かれた。

「夏は春のようにはいかない」

 この時期、誰もが口にしている言葉ではある。だが、彼らが話すと一層重みが増す。圧倒的な勝ち方をしても、手放しに喜ぶのではなく、冷静に試合内容を見て反省もする。

 それに、この春はすべての試合で圧勝を重ねてきた訳ではない。府大会の4回戦では関大北陽の粘りに押され、逆転を許せば再逆転するなどシーソーゲームを何とかものにした。準々決勝の上宮戦も相手の好投手の術中にはまり2-0と薄氷の勝利。近畿大会の準決勝・彦根東戦も技巧派左腕らの投手リレーからなかなか快音が響かず、9回表までリードされ、2本の犠飛で何とか逆転勝ちした。

 センバツで優勝すると、どうしても春の戦いに苦戦を強いられることは多い。投手の疲労がなかなか抜け切らない。打者の調子が上がらない――。再び夏に向けて切り替える、と口では簡単に言えるが、実際は難しさが多いのが事実だ。大阪桐蔭に関して言えば、能力の高い選手が集まり層の厚さがあるのは確かだが、それを存分に生かせる選手たちの意識の高さが強みとも言える。何かがあれば全体だけでなく、寮の中でバッテリーや主将、副主将などと分けてミーティングを行い、それぞれの意志を確認。そして、個性の強い集団をまとめる福井章吾主将の言動もチームに大きな影響を及ぼしている。

近畿大会決勝では東海大仰星を投打で圧倒

 3本の本塁打で威圧感を与えたセンバツの決勝もそうだったが、ここぞという大一番で力を存分に発揮する。4日の決勝戦でも、勢いに乗る東海大仰星に初回から投打で圧倒し、8回には根尾昂の満塁弾が飛び出すなど最後まで攻撃の手を緩めなかった。相手に怯んだ姿などまったく見せない。「ここまでやられるとどうしようもない」と相手に思わせるほど、したたかな戦いぶりだった。

 これで春の公式戦はすべて終了した。大阪桐蔭は春の近畿大会を制した12年、14年は、いずれも夏の甲子園で優勝している。今年のチームも、この流れから言うとそうなるのか――。それでも西谷監督は「大阪は強いチームがたくさんいるので、そんなに簡単にはいきません」と謙遜する。

 もちろん、他のライバル校も黙ってはいない。センバツの決勝で戦った履正社だけでなく、昨夏は3回戦で敗れ、今春も苦しめられた関大北陽、好左腕が揃う大体大浪商、上宮太子、上宮、近大付、この春2度戦った東海大仰星…そして公立高校でも好投手を擁すチームはたくさんいる。夏はあの手この手を使い、王者を倒しにくるだろう。

「それでも相手を圧倒していきたい」という根尾の言葉に、大阪桐蔭の自信とプライドがにじんでいるようにも見える。全国屈指の激戦地として数えられる大阪の戦いは、今夏一層激しい戦いが予想されるが、王者には今のところスキは見当たらない。

沢井史●文 text by Fumi Sawai

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