“今大事なのは数字ではない”―本塁打のイチローが地元紙に胸中明かす

マーリンズ・イチロー今季2号本塁打も地元紙に複雑な胸中を明かす

記事まとめ

  • マーリンズのイチロー外野手がパイレーツ戦で11試合ぶりに先発出場し、今季2号本塁打
  • イチローは「僕にとって、今大事なことは数字ではない。感覚を取り戻すんです」と発言
  • 地元紙「マイアミ・ヘラルド」は50歳まで現役を希望するイチローに厳しい見方

“今大事なのは数字ではない”―本塁打のイチローが地元紙に胸中明かす

“今大事なのは数字ではない”―本塁打のイチローが地元紙に胸中明かす

今季2号本塁打を放ったマーリンズ・イチロー【写真:Getty Images】

地元紙が特集記事を掲載、「最も困難なシーズンにフラストレーション」

 マーリンズイチロー外野手が11日(日本時間12日)、敵地でのパイレーツ戦に「7番・右翼」で11試合ぶりに先発出場し、今季2号本塁打を放った。マーリンズは1-3で敗れたものの、3打数1安打で3試合連続ヒット。メジャー通算3046安打として、歴代24位ロッド・カルー(3053本)まで残り7本とした。ただ、打率はまだ.198と2割に届かず。マーリンズでは4番手外野手として3年目のシーズンを迎えているが、今季は特に出場機会が少ない中で状態が上がらず、試合後には地元メディアに対して複雑な胸中を明かしている。

 イチローはこの試合、2回の守備で相手投手ノバの右翼線への当たりを、逆光の中で最後はジャンプして捕球。まずは守備で魅せた。打席では2打席凡退後、3点ビハインドで迎えた8回に先頭で3度目の打席へ。ここで、この回から登板した右腕ハドソンの93マイル(約150キロ)の直球を捉え、痛烈なライナーで右翼席に飛び込むソロ弾。マーリンズはそのまま敗れたが、存在感を見せた。

 本塁打は古巣の本拠地セーフコフィールドで劇的な一発を放った4月19日のマリナーズ戦以来、今季2本目。2014年からは1本塁打のシーズンが続いており、複数本塁打は2013年(7本)以来、4シーズンぶりとなった。状態は少しずつだが、上向いているように見える。ただ、イチローは出場機会の少ない現状について、地元メディアに「非常に難しい」と吐露している。

 地元紙「マイアミ・ヘラルド」は「43歳、イチロー・スズキは最も困難なシーズンにフラストレーションを感じている」とのタイトルで特集記事を掲載。イチローが43歳で、現在打率.198という事実にも触れながら、「イチロー・スズキ、恐らくは遂に年齢を感じさせている彼は日曜日、マーリンズに唯一の得点を与えた。彼はPNCパークで本塁打を放った。しかし、彼のライトへの一打はこの日本野球界の象徴にとって、今シーズン数少ない素晴らしい瞬間だった」と伝えている。

50歳まで現役続行を望むイチロー、地元紙は「想像しがたい」

 記事では、イチローの今シーズンについて「史上最高の偉人の一人にとって、素晴らしい年ではない」と指摘。前日に右手に死球を受けて途中交代したスタントンがベンチスタートとなったことが、この試合でイチローが先発した「唯一の理由」としている。

 イチローは、スタントンが重症ではなかったことを前日の時点で知っており、「何も問題がなくてホっとしていた」と通訳を介して地元メディアに明かしたという。そして、自身がスタメンだということを「知らなかった」といい、「球場に来て、ラインアップに自分の名前を見つけました。そのようにして始まりました。本当に、準備する時間がありませんでした」 と振り返っている。

 難しい状況が続いているが、そんな中で放った本塁打については「今日、スタントンの代わりに出なければならなかった。だから多分、(ホームランを)1本打つべきなんです、少なくとも1本」と微笑みながら言及したというイチロー。 「僕にとって、今大事なことは数字ではないんです。この期間、精神的に粘り強く頑張ることです。試合の感覚をつかもうと努力しています。感覚を取り戻すんです。それが、集中して行っていることです」。コメントからは、背番号51の苦労がにじむ。

 他にも「僕にとって毎日が戦いです。非常に機会が限られています。試合の感覚をつかむのが難しい」「機会を得ることが出来ない、このような時期を経験するのは初めてです」などと胸中を明かしているイチロー。過去2年間は外野にけが人が多かったからこそ、自身に多くの出番が回ってきていたという事実も説明している。

 記事では「スズキは50歳まで現役でいたいと述べている。しかし、もし彼がこのようなことを続けるとなると、想像しがたい」と厳しい見方を示している。ただ、これまで常に周囲の人々の想像を超える結果を残してきただけに、ここからの“逆襲“に期待したいところだ。

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