「北海道発 チア名鑑」最年長40歳は「動きが昭和チック」!? 「チアの概念変えた」人気者

「北海道発 チア名鑑」最年長40歳は「動きが昭和チック」!? 「チアの概念変えた」人気者

ファンからも愛されている石澤美樹さん【写真:石川加奈子】

最高齢記録更新も見据える「まさしくエンターテイナー」

 活動範囲が広くファンからも愛されている日本ハム球団公式チアリーダー「ファイターズガール」。連載第2回は、最年長40歳の石澤美樹(いしざわ・みき)さん。

 25人のメンバーの中で唯一ベリーショートの石澤さんは、遠くから見てもひと目で分かる。「ミキティー!」とファンから声がかかることもしばしばで、2年目にしてかなりの人気者だ。

「応援ステージでは、遠くの席の方もいるので、誰よりも大きい声を出すことと大きく動くことを意識しています。たぶん動きが昭和チックなので安心できるのかもしれないですね」

 そう笑う石澤さんは、メンバーでただ一人の昭和生まれ。学生時代はアルペンスキーの選手として全国大会に出場し、社会人になってからも競技エアロビクスで全国出場経験を持つアスリートだ。

 フィットネスインストラクターとして活躍していた石澤さんが、ファイターズガールのオーディションを受けたのは15年のオフ。夫でプロの格闘家である石澤大介さん(38)から「やってみれば」と勧められたことがきっかけだった。

「年齢も年齢だし、絶対に受かるわけないと思いましたが、要項を見たら年齢の上限がなかったんです。それで受けてみるかとなって。合格させていただき、球団の器の大きさにビックリです」

 39歳にしてフィイターズガールに加わった石澤さんだが、実は北海道で最初のファイターズガールだった。北海道移転前年の03年のこと。当時は、5回裏終了後の整備中にYMCAを踊るだけだった。「球場には広告もなくて、真っさらなグラウンドに、お客さまもまばらでした。今はスタンドが埋め尽くされていて、ファイターズが定着したんだなと実感しています」と14年の時の流れに感慨深げだ。

「今年で精一杯」も…最高齢記録を「更新したい気持ちも」

 ファンが少なかった時代を知る石澤さんだからこそ、ファイターズ ガールが担う役割をよく理解している。「球場にいる方に応援していただけるように盛り上げる。そのために私たちがいると思っています。実際に、野球に全く興味がなかった方が1回来て、はまったということもあるんですよ」

 周囲の人たちを巻き込む力は、インストラクターとして培ったものがあるのかもしれない。「あんたばっかり見ていたから好プレーを見逃したよ」。「負けたけど、ミキティーを見ていたら元気が出たわ」。そんな言葉をかけられ、石澤さんも元気をもらっている。

 石澤さんをチアリーダーとして迎えた球団の事業統轄本部ゲストリレーション部試合運営グループの尾暮沙織さんは言う。「彼女はファイターズガールの存在とイメージを一気に変えました。そのパフォーマンスとファンサービス、人間性で。かわいくて踊っている女の子というチアの一般的な概念をも変えました。まさしくエンターテイナーですね」

 これだけの褒め言葉が並んでも石澤さんは「覚えが悪いし、みんなに迷惑をかけていますよ」と謙虚だ。「ただ、私自身40歳でも元気に楽しくやらせてもらっています。誰か一人でもそのことを感じて、元気になってもらえたらうれしいですね」。若い世代に負けずに頑張る姿がそのまま中高年世代へのエールにもなっている。

 この先、何歳まで続けるつもりなのだろうか。「今年で精一杯かなと思っています。ただ、新球場ができるのならそこでもやりたいと思ったり。でも、それは無理でしょうね。楽天にいらっしゃった44歳か45歳の方がこれまでの最高齢と聞きています。それを更新したい気持ちもありますが、う〜ん、無理でしょうけどね」

 今、聞いたのが間違いだった。先のことなど考えられないほど、今、目の前にあるファンに対して全力投球しているのだ。40歳のチアリーダーは人間味たっぷりのとても魅力的な人だった。

石川加奈子●文 text by Kanako Ishikawa

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